

「1on1面談の時間を確保しても、部下が当たり障りのない話しかしてこない。」
1on1面談についてお話を伺うと、こんな言葉をよくいただきます。
部下が沈黙してしまう1on1面談の背景には、言葉ではなく「態度」から伝わる非言語メッセージが大きく関係しているのです。
人間のコミュニケーションの93%は、言葉以外の要素で成り立っているともいわれます。
上司がどんな表情で、どんな姿勢で、どれだけ真剣に向き合っているかをを敏感に感じ取っている部下ほど、表面的な言葉に頼らず態度を見て判断しているのです。
本記事では、部下の本音を引き出すために欠かせない「非言語コミュニケーション」のポイントを整理し、実践的な方法をご紹介します。
最後まで読むことで、1on1の時間が“報告会”から“信頼を深める場”へと変わるきっかけをつかめますよ。
部下に観察されている3つの非言語サイン

「上司はどうせ真剣に聞いてくれない」
上司自身は真剣に聞いているつもりでも、部下に「どうせ聞いていない」と感じさせてしまい、せっかくの1on1でも本音を引き出せないケースがあります。
特に若手は相手の非言語の情報を察知し、上司の思っている以上に多くの情報を得ている場合があるのです。
相手の感情や雰囲気を敏感に察知するタイプの部下が、無意識のうちに特によく観察している非言語サインは以下の3点です。
- アイコンタクトの質
単に「見る」ではなく、「理解しようとしているかどうか」を感じ取っています。
目を合わせずパソコン画面を見ながら話していると、「この話は優先度が低い」と判断されがちです。 - 体の向き
身体が部下ではなく斜めに向いていると、「関心が薄い」という印象を与えてしまいかねません。
椅子を正面に向けるだけで、会話のトーンが自然に柔らかくなりますよ。 - マルチタスクの有無
スマホを操作しながら、チャット通知を確認しながらでは、どれほど言葉を尽くしても「聞いてもらえていない」と感じさせてしまいます。
上記の3点を意識的に整えるだけで、部下の話す意欲が大きく変わっていきますよ。
そして、実践の前にまずは「3秒ルール」を試してみてください。
3秒ルール:
部下が話し始めたら、3秒間しっかり目を合わせ、うなずく。
3秒ルールを面談の最初に取り入れるだけで信頼のスタートラインに立てますよ。
オンライン面談でも使える非言語コミュニケーション
リモートワークが広がるなか、オンライン1on1で部下が本音を話してくれないという悩みも増えています。
画面越しでは、上司の関心や姿勢が伝わりにくく、会話が表面的になりがちです。
ここでも「非言語戦略」が鍵になります。
オンライン面談でも使える効果できな非言語コミュニケーションを紹介します。
- カメラを通じたアイコンタクト
画面ではなくカメラのレンズを見ることで、相手に「目を合わせている」感覚を与えます。 - バーチャル前傾
カメラ位置をやや下にし、少し前のめりになることで“関心を示す姿勢”を演出できます。 - 背景と照明を整える
乱雑な背景や暗い映像は、心理的な距離を生みます。整った明るい環境は「安心できる上司像」を作ります。 - 頷きの強調
画面越しでは表情や動きが伝わりにくいため、普段より1.5倍大きくうなずくのが効果的です。
小さな工夫を繰り返すことで、オンラインでも「きちんと見てもらえている」という安心感を演出できますよ。
物理的な距離を超えて、心理的な近さをつくり出していきましょうね。
まとめ|部下が安心感を抱ける環境をいかにつくるか
1on1面談の質を高めるのは、質問力でも話術でもありません。
部下をどう見て、どう受け止めているか、という非言語の姿勢が、何よりも大きな影響を与えます。
・部下は上司の視線と姿勢を観察している
・オンラインでも環境や動作で安心感を演出する
言葉で「聞いている」と言うよりも、3秒間のアイコンタクトなど、非言語のサインが誠実さを伝えます。
1on1は「話す場」ではなく、「心を通わせる場」。
重要なのは相手が安心できる環境を作れているかどうかです。
1on1の本質を取り戻すことで、部下の内側にある想いや課題が自然と語られるようになりますよ。
ぜひ、今日から始めてみてくださいね。
エナジーソースでは、組織の成長を支援しています。
部下育成にお悩みの方や組織改善を目指している方は、どうぞお気軽にご相談くださいね。