新入社員が定着する職場へ|一人にしない育成で離職を防止する

管理職

「最近の新入社員は、最初の半年で勢いが止まってしまう」
「配属後に急に元気がなくなる」

そんな光景は珍しくないのではないでしょうか。
厚生労働省のデータによると、新卒社員の3年以内離職率は32%を超えています。

参考:厚生労働省「新規学卒者の離職状況

しかし、同じ業界でも離職率が5%未満という企業も存在します。
この差を生み出しているのが、「一人にしない育成設計」です。
本記事では、新入社員が自然に定着し、早期戦力化を実現する「バディ制度」「トライアド学習」「村社会方オンボーディング」の実践方法を紹介します。
ぜひ最後までお読みください。

新入社員は孤立ではなく「協働」で成長する

多くの企業で、新入社員は

管理職

「わからないことがあれば聞いてください」

と言われながらも、実際には質問しづらい環境に置かれています。
周囲が忙しそうにしているなかで声をかけることをためらい、結局一人で抱え込んでしまうケースが多いのは、皆さんにもご想像いただきやすいでしょう。
一人で抱え込むことが続いてしまうと、やがて

新入社員

「自分だけ取り残されている」

ような感覚が芽生え、意欲が低下してしまいかねません。

もともと「人と協働することで力を発揮する」傾向をもつ若手は多いものです。
決して受け身なのではなく、一緒に学ぶ相手がいることで伸びるタイプといえるでしょう。
ところが、多くの企業は「自立」を重視するあまり、「孤立」させてしまう構造を作ってしまっているのです。

「バディ制度」で生まれる安心感と成長スピード

誰かと一緒に学びたい新入社員と、自立を重視する企業のギャップを埋める仕組みとしておすすめなのがバディ制度の導入です。

バディ制度:
新入社員一人に年齢の近い先輩をつけ、日々の業務や感情面のサポートを担う仕組み。

教育係ではなく、相棒(パートナー)の立ち位置で新入社員と関わることがポイントです。
バディ制度の実践ステップは以下の通りです。

  1. 年齢や職種の近い先輩をバディに任命する。
    教育担当よりもフランクに相談できる相手をつくることで、心理的ハードルが下がります。
  2. 「デイリーチェックイン」で1日15分の対話を設ける。
    朝に「今日やること」を共有し、夕方に「できたこと」「困ったこと」を話すだけで新入社員の孤立感は大幅に軽減されます。
  3. 「バディランチ」を制度化する。
    週に2回は、昼食を共にする時間を“業務の一部”として認める。何気ない雑談の中にこそ、学びや信頼関係の芽が生まれます。

バディ制度を導入したあるサービス業の企業では、新入社員の3ヶ月以内離職率が18%から10%へと半減しました。

新入社員

「自分は一人ではない!」

という安心感が、挑戦意欲を引き出しますよ。

「トライアド学習」で生まれる学びの相乗効果

人間は3人で学ぶと最も理解が深まると、心理学でも証明されています。
2人では関係が固定化し、4人以上では発言が減るといわれています。
3人という人数は「支え合いながら、ほどよく緊張感を保つ」理想的な構成なのです。
この理論を新入社員教育に応用したのがトライアド(3人組)学習システムです。

トライアド(3人組)学習システム:
部署の異なる新入社員3名を1組にして、週1回の学び合いミーティングを実施する。
互いに業務で学んだことを共有し合い、質問し合うことで理解が定着しやすくなる。

学びを共有し合うだけでなく、3人で小さなプロジェクトを担当させると、協働力・主体性・責任感が同時に育ちますよ。
ある金融機関ではトライアド制を導入した結果、新入社員の業務習得スピードが前年比30%向上しました。
一方通行の座学研修よりも、新入社員同士の学び合いこそが大きな成長エンジンになるのです。

「村社会型オンボーディング」で、組織全体で新入社員を育てる

かつての日本企業には、みんなで新入社員を見守るような文化がありました。
部署を越えて声をかけ、誰もが教育に関わる「村社会」的な関係性です。
効率化の名のもとに失われつつある村社会的な文化を、現代的に再構築するのが村社会型オンボーディングです。
村社会型オンボーディングの実践のポイントは以下の通りです。

  1. 部署横断の交流を設ける。
    新入社員歓迎カフェなど、週替わりで異なる部署の先輩と15分の雑談時間を設定する。
    新入社員は「会社全体に味方がいる」と感じやすくなりますよ。
  2. スキルシェアマップを作成する。
    新入社員の得意分野(例:デザイン、英語、SNS運用など)を全社で共有。
    「教えてもらう側」から「貢献できる側」へ意識を転換させます。
  3. 新入社員プレゼン大会を開催する。
    入社3ヶ月後に「会社の良いところ・改善点」を全社員の前で発表。
    新入社員の視点を尊重する文化を根づかせる機会になりますよ。

村社会型オンボーディングを導入した企業では、新入社員の定着率が90%を超えたというデータもあります。
全員が関わるからこそ、新入社員が

新入社員

「会社に歓迎されている!」

と実感できるのです。

まとめ:一人にしない育成が、組織の強さを育てる

新入社員の離職は、「能力不足」よりも「孤立」が原因で起こることが多いといわれます。
今回ご紹介した3つのアプローチを組み合わせることで、

新入社員

「自分はこの組織の一員だ」

という強い帰属意識がを新入社員にもたらすことができますよ。

・バディ制度で日々の不安を解消する
・トライアド学習で成長を支え合う
・村社会型オンボーディングで全員が育成に関わる

ことが新入社員の定着の鍵です。

重要なのは、育成の目的を「自立」ではなく「共立(ともに立つ)」と考えることです。

多様な人材が互いに支え合い、安心して挑戦できる環境を整えることが、結果的に組織全体のパフォーマンスを高めるのではないでしょうか。
少しずつで十分です。ぜひ新入社員へのあたたかい声かけを始めてみてくださいね。

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部下育成にお悩みの方や組織改善を目指している方は、どうぞお気軽にご相談くださいね。

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