
4月は多くの新入社員が学生から社会人へと移行する季節です。
この大きな転換期において、学生と社会人の違いを正しく理解し、意識を切り替えることは非常に重要です。
学生時代の感覚のままで職場に臨んでしまうと、思わぬところでつまずき、上司や同僚との間でギャップを感じることも少なくありません。
多くの企業では新入社員研修において、まずは「学生から社会人への意識の切り替え」をテーマに学ぶ機会を設けています。
本記事では、社会人として成長するための意識改革を通じて、社会人として成長するためのヒントを探っていきます。
社会人として押さえるべき8つの違い
学生から社会人になった際、ぜひとも頭に置いておいていただきたいポイントを8つにまとめました。
1. 目的意識の違い(自己成長 vs 価値提供)
学生の頃は、勉強や活動の目的が自己成長やスキル習得に重きが置かれていたのではないでしょうか。
自分自身の成績向上や成長が最優先だったでしょう。
しかし、社会人になると、仕事の目的は自分の成長だけではなく、価値提供、つまり会社や顧客に貢献することが中心になります。
自分の業務が会社の利益や顧客の満足につながるかを常に意識しなければなりません。
2. 立場とお金の違い(支払う側 vs 提供する側)
学生時代は、自分がサービスの受け手である場面が多く、学費を支払って教育を受ける立場でした。
しかし、社会人では給料をいただいて働く以上、自分の生み出す成果が会社の利益や自分の給与にどう結びつくか、お金の流れを意識する必要があります。
学生のときのように「お客様」感覚で受け身になるのではなく、組織の一員として価値を提供しているという責任感を持つことが大切です。
3. 責任の範囲と重さ(自己責任 vs 組織責任)
学生時代の失敗は多くの場合、自分自身の問題で完結していました。
しかし、社会人になると、責任の範囲と重さが格段に増します。
自分のミスがプロジェクト全体の遅れにつながったり、会社の信用に関わる事態を引き起こしたりすることもあります。
社会人は組織の一員として行動しているため、一人ひとりの行動がチームや会社全体に影響を及ぼします。
新入社員であっても、自分の役割と責任範囲を認識し、ミスをした際には速やかに報告・対処する姿勢が求められます。
4. 時間管理と締め切り意識(柔軟 vs 厳守)
学生時代は締め切りが多少遅れても大きな問題にならないことも多かったでしょう。
しかし、社会人の世界では時間管理と締め切りの厳守が極めて重要です。
会議の開始時間に遅れる、人との約束を守らないといった行為は信頼関係を損ねかねません。
また、プロジェクトの納期を守れないと取引先やチームに迷惑をかけ、会社の信用問題に発展することもあります。
新入社員にとっては、時間の使い方や優先順位付けを見直し、学生時代以上に計画的に行動する意識改革が求められます。
5. 主体性と仕事の進め方(受け身 vs 自発的行動)
学校では、与えられた課題やカリキュラムに沿って行動すれば評価されました。
言われたことをこなす「受け身」の姿勢でも大きな問題はなかったでしょう。
しかし、仕事では状況が大きく異なります。
職場では上司や先輩が常に手取り足取り教えてくれるわけではなく、自ら課題を見つけて行動する主体性が求められます。
例えば、新しい業務を覚える際も、指示を待つのではなく自分から質問や資料の確認を行う姿勢が大切です。
こうした自発的行動によって信頼を得ることができ、結果的に自身の成長スピードも上がります。
6. 人間関係とコミュニケーション(自由選択 vs 多様な関係構築)
学生時代の人間関係は、気の合う友人など、自分で自由に選択できる範囲が多かったでしょう。
嫌な相手とは距離を置くことも容易でした。
しかし、職場では様々な年代・経歴の上司や同僚、さらにはお客様など、多様な人々と協力して仕事を進めていかなければなりません。
多様な関係構築が求められるのです。
自分とは価値観の異なる人ともコミュニケーションを取り、信頼関係を築く必要があります。
例えば、上司や取引先には敬意をもって接し、同僚とは協調してチームワークを発揮するなど、相手に応じたコミュニケーションを心がけることが重要です。
7. 身だしなみとマナー(自由なオシャレ vs 信頼を意識)
大学では服装や髪型も比較的自由で、個性的なオシャレを楽しんでいたかもしれません。
しかし、社会人としては身だしなみに気を配り、ビジネスの場にふさわしい服装・振る舞いを心がける必要があります。
職場ではスーツやオフィスカジュアルなどのドレスコードがあり、清潔感のある身だしなみが求められます。
それは周囲からの信頼に直結する要素であり、例えばお客様対応でだらしない服装をしていると会社全体の信用を損ねかねません。
また、挨拶や言葉遣いといった基本的なマナーも、常に礼節を意識して行動することが大切です。
8. 言葉遣いと態度(フランクな口調 vs 敬語とビジネスマナー)
学生同士の会話では、砕けたフランクな口調やスラングが日常的に使われていたかもしれません。
しかし、職場では言葉遣いに注意が必要です。
上司や取引先には敬語で話し、「〜っす」など学生ノリの言葉は厳禁です。
適切な敬語と丁寧な表現を身につけることは、社会人としての基本です。
また、言葉遣いだけでなく態度にも気を配らなければなりません。
例えば、挨拶をきちんと行い、相手の話を真剣に聞くといった基本的なビジネスマナーを意識することが求められます。
言葉遣いと態度はその人の印象を大きく左右します。
新入社員であればなおさら、真摯で礼儀正しい振る舞いが信頼の獲得につながるでしょう。
まとめ
学生から社会人になるにあたっては、意識の違いを理解し、それに合わせて行動を変えていくことが欠かせません。
最初のうちは戸惑うことも多いかもしれませんが、一つひとつ経験を積む中で少しずつ社会人としての考え方や習慣が身についていくでしょう。
大切なのは、常に学び続ける姿勢です。
研修で学んだことや先輩からのアドバイスを素直に吸収し、自分自身の成長につなげてください。
社会人としての成長は一朝一夕に成し遂げられるものではありませんが、継続的な努力によって確実に皆さんの力となっていくはずです。
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