Z世代の特徴と抱えやすい職場でのストレス。世代間ギャップを解消し、職場環境を改善する方法。

Z世代(1990年代後半から2010年代前半頃に生まれた世代)は、デジタルネイティブとして知られ、これまでの世代とは異なる価値観を持ち、異なる働き方を好む傾向にあります。
現在、若手と呼ばれる層にある彼らは、新しい視点を組織に持ち込む一方で、職場の環境が合わない場合には、ストレスを抱えやすい傾向もあり、注意が必要です。
彼らが職場でどのような課題を感じやすいのかを理解し、適切な対応を行うことは、組織にとっても重要な課題です。

本記事では、Z世代の特徴と職場で抱えやすいストレス要因を詳しく解説し、その解消に向けた具体的なアプローチをご紹介します。
Z世代のストレスを解消することは

・心理的安全性の確保
・従業員エンゲージメントの向上
・チームとしての自己効力感の向上

の一助となりますよ。
ぜひ最後までお読みいただき、Z世代を含むすべての世代が活躍できる職場づくりにお役立てください。

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Z世代の特徴と職場における価値観

Z世代の特徴とは?

Z世代は、デジタル技術とともに育った「デジタルネイティブ世代です。
幼い頃からインターネットやスマートフォンが身近にあり、SNSやオンラインツールを自然に活用する能力が身についています。
この世代は、効率性スピードを重視する傾向があり、「タイムパフォーマンス(タイパ)」重視する姿勢が特徴的です。

また、Z世代は個人の多様性を尊重する文化の中で育ったため「自分らしさ」を大切にする傾向があります。
仕事においても、個々の価値観やライフスタイルが尊重されることを望むため、画一的なルールや硬直的な働き方にはストレスを感じるケースが多いです。

Z世代が求める職場環境

Z世代が理想とする職場環境は、「柔軟性」「自己成長」「透明性」の3点がポイントになりやすいです。

柔軟な働き方

リモートワークフレックスタイム制度など、柔軟な働き方を可能にする制度は、Z世代にとって重要な要素です。
Z世代はプライベートの充実とキャリア形成を両立させることが、仕事へのモチベーションに直結しやすい世代といえます。

若手

「ルールを守ってさえいれば、好きな時間に好きな場所で働けるのが助かります。」

といった声は、ベテランの世代からするとびっくりするかもしれませんが、Z世代にとっては当たり前の価値観なのです。

自己成長の機会

スキルアップやキャリア形成を支援する制度や研修プログラムは、Z世代の働きがいを向上させます。
彼らは成長できる環境を求めているケースが多く、「ここでは成長できない。」と彼らが感じてしまう職場では離職意向が高まる傾向があります。
働きながらスキルやキャリアの充実を図る姿勢は、タイパにこだわるZ世代ならではといえるでしょう。

評価やコミュニケーションの透明性

幼い頃から、SNSなどでの即時のフィードバックに囲まれて育ったZ世代は、自分の努力や成果が迅速かつ適切に評価されることを強く望む傾向にあります。
不明確な評価基準や曖昧なフィードバックは、モチベーション低下の原因になり得るのです。

若手

「送った資料について、いいのか悪いのかだけでも、早めに教えて欲しい。」

というZ世代の不満は、実はよくあるケースなのです。

また、幼少期からインターネットで大量の情報に囲まれたZ世代は、情報の正確性の見極めを無意識に行っています。
意思決定の伝達やプロジェクトの進行状況の共有の際、隠し事やごまかしなどのない、わかりやすく明瞭な説明を好むケースが多いです。

上司が「言わなくてもわかるだろう。」、「いつもと同じだから説明しなくてもいいだろう。」と判断し、説明を省略したりすることはZ世代との関係悪化につながりかねません。

若手

「いつもきちんと説明してくれる上司は信頼できる!」

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Z世代が抱えやすい職場でのストレス要因

好む働き方のギャップ

Z世代やミレニアル世代(Y世代、1981-1996年頃の生まれ)は効率性を重視し、短時間で成果を出すことや柔軟な働き方を望む傾向があります。
一方で、団塊世代(1946-1964年頃の生まれ)やX世代(1965-1980年頃の生まれ)などは、長時間労働を厭わず、プロセスを重視する価値観を持つことが一般的です。
このような働き方に対するアプローチの違いが、摩擦や誤解を生み、ストレスにつながることがあるのは皆様にもご理解いただきやすいでしょう。

また、柔軟な働き方に対する期待のギャップもストレスの原因になり得ます。
Z世代はリモートワークやフレックスタイム制度など、自分で働き方を選べる環境を求める傾向があります。
しかし、こういった制度が理由なく整っていなかったり、気軽に利用できなかった場合、ストレスや不満の原因となり、離職意向を高める要因になることもあるでしょう。

各世代の求めるワークライフバランスにおける世代間ギャップについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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コミュニケーションスタイルのギャップ

好むコミュニケーションスタイルの違いがストレスの原因となることがあります。
Z世代はコミュニケーションにおいても、タイパを重視する世代ならではの、迅速で効率的な手法を好む傾向があります。
団塊世代やX世代などのベテラン世代は直接の対話や電話を好む一方で、Z世代はチャットツールやメールなどを好むことがその例です。
このギャップが、意思疎通の不全や誤解を生み、ストレスを引き起こすことは、みなさんにもご想像いただきやすいでしょう。

また、ベテラン世代の育ってきた職場文化では「黙って従う」ことが求められるケースも多く、同じように若手に接してしまうと、コミュニケーションの崩壊が起きやすくなってしまいます。

上司

「若いうちは、言われたことだけをしっかりやっていればいい。」

若手

「この仕事にはもっといい方法があると思うのに、意見さえ言わせてもらえないなんて。」

こうした環境では、特にZ世代にとって「意見を発言しづらい」と感じる原因となり、心理的安全性の低下につながってしまいかねません。
心理的安全性が確保されないことは、ストレスの増大に発展する可能性が高く、注意が必要です。

明確な指針の欠如

Z世代にとって、業務指針や評価基準が不明確な職場環境は、「自分が何をすべきか」「どのように評価されるか」がわからず、結果としてモチベーションの低下や不安感を招くことが多い傾向にあります。
Z世代の従業員は効率性や成果を重視するケースが多いにも関わらず、求められているものが曖昧だと努力の方向性を見いだせなくなってしまうのです。
明確な指針と透明性のある評価は、Z世代が安心して業務に取り組むための基盤を築くだけでなく、組織全体の生産性向上にも寄与する重要な要素です。

若手

「上司がいつも説明不足で、仕事に時間がかかるし、疲れる……。」

という若手の不満は、若手のせいにせず、ぜひ上司から改善していきましょう。

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Z世代のストレスを解消するための具体的なアプローチ

上司の世代とは価値観や行動に大きなギャップがあるZ世代。
上司層は具体的に何をしていけばいいのでしょうか。職場ですぐにできる方法を紹介します。

従業員全員が意見を共有できる場を設ける

従業員それぞれがオープンでフラットな会話をする機会を意図的に設けましょう
定期的なミーティングやワークショップを開催し、従業員各々のコミュニケーションスタイルや価値観を理解し合う時間をつくるのです。
この際、他の従業員の意見は決して否定せず、あくまでも理解するための機会であることを全員に示してください。
発言一つ一つにポジティブな反応をすることを心がけ、すべての従業員が自分の意見を安心して表明できる時間となるよう工夫しましょう。
従業員が安心して意見を表明できる環境とは、心理的安全性の確保された環境であるといえます。
心理的安全性が高い職場では、従業員は自由に意見を述べられ、ストレスが軽減されるだけでなく、創造性やチームとしての自己効力感が向上するといわれています。
心理的安全性が確保されることで、Z世代が安心して働けるだけでなく、チーム全体のパフォーマンスが向上しますよ。
心理的安全性についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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明確な目標設定とフィードバックを徹底する

Z世代には、具体的な目標を伝えるだけでなく、定期的にポジティブなフィードバックを行うことも喜ばれます。
上司の世代が育った時代では、目標や目的が共有されなかったこともあるかもしれません。
しかし、Z世代を育成していく上では、目標や目的を設定し、共有することは必要不可欠です。
目標は可能な限り具体的に、設定の背景までしっかり説明するしましょう。

また、フィードバックとして目標と現状にズレがないか、頻繁に確認していくことも大切です。
フィードバックでは、現状や成果について「何が良かったか」と「どのように改善できるか」を具体的に、バランスよく伝えることがおすすめです。
あくまでもポジティブに、改善のためのフィードバックを与え続けましょう。
Z世代の成長を促進するだけでなく、組織全体の目標達成に寄与することが期待できますよ。

成長を促進する学びの場を提供する

Z世代は、自己成長やスキルアップを求める意識が強い傾向のある世代です。
職場での成長機会を提供することは、Z世代の満足度を向上させることにつながります。
具体的な施策としては、以下が有効です。

逆メンターシップ制度を導入する

X世代やミレニアル世代などの上司〜中堅層と、Z世代の若手を組ませるメンターシップ制度を 導入している組織は少なくないでしょう。
ぜひ、一般的なメンターシップ制度だけでなく、あえて若手がベテランに知識やスキルを教える機会を設ける逆メンターシップ制度も導入してみてください。
チーム内の知識を高め合い、世代間の相互理解を深めることが可能ですよ。

研修を実施する

各世代の特徴やコミュニケーションスタイルを知る研修を通して、従業員に効果的なコミュニケーション方法を身につけてもらうことも有効です。
他の世代のモチベーションの源や、思いの伝わりやすいコミュニケーションについて学んでもらうことで、お互いの世代の理解が深まりますよ。

上司

「若手にはすぐにフィードバックをするのが有効なのか。確かに、フィードバックを待ってもらうと不安そうにしている時があるから、気をつけていこう。」

研修で知識をつけてもらうことは、Z世代だけでなく、従業員全員のエンゲージメントを高め、職場全体の活性化に寄与します

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まとめ

Z世代の特徴や職場で抱えやすいストレスを理解し、適切に対応することは、組織の成長にとって不可欠です。

・従業員同士が意見を共有できる場を設ける
・明確な目標設定をする
・ポジティブなフィードバックを続ける

・成長の機会を提供する

ことで、Z世代が持つポテンシャルを引き出すことができますよ。

Z世代のストレスを理解し解消していくことで、組織全体の心理的安全性やエンゲージメントが向上し、チームとしての自己効力感がアップしていくでしょう。

ぜひ世代を超えた協力体制を構築し、持続可能な職場環境を目指してくださいね。

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