「締め切りが迫っているのにプライベートを優先する部下の理解ができない。」
「長時間労働が素晴らしいという雰囲気が職場にあり、ストレスを感じる。」
など、世代間で価値観にギャップがあり、ストレスを抱えるビジネスパーソンのお話をよく耳にします。
ベテランから若手まで、さまざまな世代が働く現代の職場。
団塊世代、X世代、ミレニアル世代、そしてZ世代といった各世代がもつ異なる価値観や業務の進め方が、職場に悪い影響を及ぼしてしまうこともあるでしょう。
この記事では、ビジネスシーンでの世代間ギャップの具体例と、その解消方法について解説します。
職場での世代間ギャップの「あるある」を予め知っておけば
・異なる世代とのギャップを感じたときに冷静に対処できる
・コミュニケーションが改善され、職場環境が良くなる
・チームワークが強化される
など、嬉しい結果がのぞめますよ。
世代間ギャップの「あるある」と解消法を知って、職場のストレスを減らしましょう。
ぜひ最後までお読みください。
各世代の特徴
世代間ギャップの背景には、各世代それぞれの育った環境の違いがあります。
ここでは戦後の団塊世代、経済変動期のX世代、テクノロジーの進化とともに成長したミレニアル世代(Y世代)、そしてさらに進んだテクノロジーを活用するZ世代に分けて解説します。
団塊世代(1946-1964年頃の生まれ)
戦後の経済成長期に育ち、仕事に対する忠誠心が強く、長時間労働を厭わない傾向があります。組織の一員としての誇りを持ち、キャリアを通じた昇進や評価を重視します。
X世代(1965-1980年頃の生まれ)
経済の変動期に社会人となり、企業のリストラや景気の不安定さを経験している世代です。柔軟な働き方やバランスの取れた生活を重視し、家族やプライベートの時間も大切にする傾向があります。
ミレニアル世代(Y世代)(1981-1996年頃の生まれ)
インターネットの普及やテクノロジーの進化とともに成長した世代です。職場のチームワークや親和性を重視し、即時性の高いコミュニケーションを好む傾向があります。
また、企業のミッションや価値観に共感できるかどうかを大切する方が多い世代です。
Z世代(1997年以降の生まれ)
生まれた頃からインターネットが普及している世代で、進んだテクノロジーに囲まれて育ち、即時性や効率を重視する傾向が強いです。この世代にはタイムパフォーマンスも重要で、スマートフォンなどのデジタルツールを駆使するのが得意な方も多いです。
▶︎ 世代間ギャップ研修のご案内 ▶︎ 対象者別・プログラムサンプル
職場での世代間ギャップの具体例
Job総研が実施した「2022年 世代間ギャップ調査」によると、20〜59歳のビジネスパーソンの約75%が仕事上で世代間ギャップを感じることがあり、約半数が仕事上で世代間ギャップによって困ったことがあると回答しています。
世代間ギャップが原因で職場で起きた困りごとの具体例を紹介します。
コミュニケーションのスタイルのギャップ
団塊世代は対面や電話でのコミュニケーションを好む一方、Z世代はチャットやメールを多用する方が多いです。
この違いが情報伝達のスピードや正確性に影響を与えることがあります。
プロジェクトの進行中、団塊世代の上司はZ世代の部下と頻繁に直接会って状況を確認するのを是とするが、Z世代の部下はチャットなどでの即時的な報告を好む。
この場合、上司は情報が不足していると感じ、部下は時間を取られると感じてしまう可能性があります。
社内会議において、団塊世代は対面での議論を重視するが、ミレニアル世代やZ世代は手軽なオンライン会議を好む。
このケースでは会議での報告の質にムラができてしまう、報告に含まれる情報が正しくチーム内で共有されない、という悪影響が想定されます。
コミュニケーションスタイルにギャップがあることで、情報の正確な伝達に障壁ができるだけでなく、異なる世代への不信感を募らせてしまう場合さえあるのです。
チームワークが崩壊してしまったというケースもあるので、注意が必要です。
業務の進め方のギャップ
団塊世代は自身の評価や昇進を重視する傾向がありますが、ミレニアル世代はチームワークや親和性を重視する傾向があります。
このため、プロジェクトの進行方法や優先順位に違いが出ることがあるのです。
団塊世代のマネージャーはメンバーの一人ひとりがどれだけの量の業務をこなしたかを重視するが、ミレニアル世代のチームメンバーはチームでどれだけ物事を進められたかを重視する。
このケースの場合、チーム内の業務の割り当て方にギャップがあることでプロジェクトの停滞が生まれてしまうことがあります。
プロジェクトの締め切りが迫っている際、X世代は早朝や深夜にかけて働くことを厭わないが、ミレニアル世代はワークライフバランスを優先し、定時での退勤を希望することがある。
ミレニアル世代にその意識はないのに、X世代の上司に「やる気がないのか?」と勘違いされてしまったというケースも耳にします。
プロジェクトの進め方や優先したいことの考え方にギャップが生じると、業務の遅延だけでなく、メンバーのモチベーションの低下も生じてしまう場合があるのです。
評価とフィードバックのギャップ
団塊世代は年功序列を重視しますが、Z世代は即時性の高いフィードバックを求める傾向があります。
評価制度やフィードバックの方法のギャップが職場の人間関係やプロジェクトの進行に悪い影響を及ぼす場合があるのです。
団塊世代の上司は年次評価を重視しフィードバックを年に一度行うが、Z世代の社員は頻繁なフィードバックを求め、即時の評価を期待する。
この場合、団塊世代には頻繁なフィードバックが手間に感じられる一方、Z世代は上司に放置されている印象すらもってしまうことがあります。
昇進や給与に直結するともいえる評価について「納得いかない」と感じるメンバーは、モチベーションが低下しやすいのはもちろん、チームや企業へのエンゲージメントが下がりやすくなってしまうのも想像に難くありませんね。
学習スタイルのギャップ
団塊世代やX世代は伝統的な講義形式の研修を好む傾向がありますが、ミレニアル世代やZ世代はオンラインコースやインタラクティブな学習ツールを好みます。
この違いが社内研修やトレーニングプログラムの効果に悪い影響を与えることがあります。
新しいスキルを習得するための社内研修において、団塊世代は講義形式を好む一方、Z世代はオンラインコースやインタラクティブなワークショップを好む。
受講者が異なる研修スタイルを求める場合、研修効果が下がってしまうことは容易に想像ができますね。
社内研修の一環として行われる各メンバーのプレゼンテーションにおいて、団塊世代はレジュメやスライド資料を中心に進行するが、ミレニアル世代は動画やインタラクティブな要素を取り入れたプレゼンテーションを行う。
この場合、異なる世代のプレゼンテーションを「分かりづらい」と感じるだけでなく、「時間の無駄だった」と感じてしまうこともあるのです。
せっかくの研修の効果が薄れてしまうと、そこに投入した時間とコストが無駄になってしまいますね。
また、研修内容を業務で活かせなければ、職場の生産性の低下にも直結してしまうので、学習スタイルのギャップには警戒する必要があります。
新ツールへの態度のギャップ
団塊世代やX世代は新しい技術の導入に慎重な一方、ミレニアル世代やZ世代は新しいデジタルツールやソフトウェアを積極的に採用する傾向にあります。
このギャップが業務の効率化や新しいプロジェクトの導入に影響を与えることがあります。
新しいプロジェクト管理ツールの導入を検討する際、団塊世代は既存システムへの慣れもあり、新しいツールに対して学習の手間やコストの面で抵抗感を持つが、Z世代の社員は新しいツールがもたらす効率性や利便性に期待する。
新ツールの導入によってイノベーションがもたらされる可能性は大いにあるので、導入に時間がかかってしまったり、導入を見送ったりしてしまうことは、ビジネスの機会損失につながりかねません。
職場での衝突はチームワークの崩壊だけでなく、モチベーションの低下までをもたらします。生産性の観点からも、早々に解決したいギャップといえますね。
▶︎ 世代間ギャップ研修のご案内 ▶︎ 対象者別・プログラムサンプル
世代間ギャップを乗り越えるための解決策
世代間ギャップを解消できないでいると、チームの不和やコミュニケーションの崩壊だけでなく、モチベーションやエンゲージメント、そして生産性まで低下してしまう場合があります。
世代間ギャップを解消する方法は様々ありますが、本記事ではいますぐに着手できる、特に効果的な2点を解説します。
コミュニケーションの改善
少し手間に思えても、各世代に合ったコミュニケーション方法を導入しましょう。
従来の対面でのミーティングだけでなくデジタルツールを併用することで、全ての世代に対応したコミュニケーションを実現しやすいですよ。
ミーティングを開催する際は、参加・不参加だけでなく、対面参加・オンライン参加・不参加、などの選択肢を用意するのも手です。
Zoomなどは操作が手軽で負担感も少なく、多くの職場で採用されていますね。
また、各世代の好むコミュニケーションに合わせるだけでなく、時にはチーム全体で使用するコミュニケーションツールを統一することも必要です。
Teamsなど、社内でツールが指定されている場合もあるでしょう。
各世代が使いやすいように苦手部分に合わせてトレーニングを実施したり、そのツールで不足を感じたりする部分を対面のコミュニケーションや他のツールで補完したりすることで、情報の伝達がスムーズに行われやすくなりますよ。
基本はチャットでコミュニケーションを取り、朝礼と終礼でそれぞれ10分程度は顔を見てコミュニケーションを取るというようなスタイルを取る職場も多いですね。
フィードバックの多様化
即時フィードバックと定期的なフィードバックを組み合わせることで、各世代のニーズに応じた評価制度を構築しましょう。全ての世代が満足できるフィードバックを提供しやすくなりますよ。
基本のフィードバックは企業の定める年次評価などのみとし、希望するメンバーや難しい案件を抱えるメンバーには週次や月次での細かいフィードバックを行うのがおすすめです。
また、あえて役職などで線引きをしてフィードバックの頻度を決めてしまうこともよいでしょう。
「主任クラスまでのメンバーは必ず週次フィードバックを行う」といったルールを定めれば、即時フィードバックを好む若いメンバーは、全員が毎週必ずフィードバックを受けることになります。
他にも、デジタルツールを活用したフィードバックや、チーム全体での評価セッションなど、選択肢は様々です。
決められたフィードバックだけでなく、チームに即したフィードバックを考えてみましょう。
世代間ギャップを乗り越える方法については、こちらの記事でも詳しく解説しているので、ぜひご参考ください。
まとめ
世代間ギャップは、異なる世代の方々が入り混じって働く現代の職場で避けては通れない課題です。
団塊世代からZ世代まで、それぞれが育った環境や価値観の違いが、業務の進め方やコミュニケーションのスタイル、評価とフィードバックの方法に影響を及ぼします。
・コミュニケーションを改善する
・フィードバックの方法を工夫する
ことで、世代間ギャップを少しずつ乗り越えることができますよ。
この記事で取り上げた「あるある」な具体例を、世代間ギャップの解消にぜひ参考にしてくださいね。
世代間ギャップを乗り越えることで、職場の環境をより良くし、チームの連携を強化することができます。 |
エナジーソースでは組織の世代間ギャップ解消のための研修を行っています。
職場で研修を行うことで、職場全体で世代間ギャップの解消を推進することができますよ。
「目からウロコでした。先輩方の経験をどう活かすか、若手のアイデアをどう生かすか、具体的に学べて、チーム全体の仕事の進み方が速くなったし、何より新しいアイデアがどんどん出てくるようになってきています。」
といった、嬉しい声もいただいている2024年度人気ナンバー1の研修です。
お客様の課題や職種に合わせオーダーメイドで研修を組み立てます。
どうぞお気軽にお問い合わせください。