最近、管理職や人事担当者の方々から「女性部下に対して気をつけるべき点は何ですか?」といった質問をいただくことが多くなっています。
この問いは、管理職としてのコミュニケーションや指導に対する悩みや不安を反映しているのかもしれません。
しかし、実際に部下を指導する上で、果たして「女性だから」「男性だから」という見方はどこまで有効なのでしょうか?
今回は、性別にとらわれずに「個」として部下を理解し、育成することの重要性について、ご紹介したいと思います。
性別に限らず、社員一人ひとりの多様な特性や能力を最大限に活かし、組織全体の成長を支えるのに役立ちますよ。ぜひ最後までお読みください。
性別による一括りの指導はなぜ効果が薄いのか?
よく言われるのは「男性には結果を重視して指導し、女性にはプロセスを重視して伝えた方がよい」といった性別に基づく指導法です。
確かに、性別による傾向が全く意味がないわけではないかもしれません。
しかし、このような考え方がすべてのケースに当てはまるわけではなく、むしろ個人の特性を無視してしまうリスクがあるといえるのではないでしょうか。
実際の職場で、「男性は結果を重視する」と思って指導してみたものの、相手がプロセスを重視するタイプで全く響かなかった、逆に「女性だからプロセスを重視する」と考えた指導がかえって相手のモチベーションを下げたといったケースも少なくありません。
管理職の方が「性別」という偏った基準にとらわれてしまうと、部下の特性に合わない指導をしてしまい、結果として信頼関係が損なわれることもあるのです。
個別に観察し、フィードバックを行うことの重要性
ここで大切なのが「個別に観察し、それに基づいたフィードバックを行うこと」です。
心理学でいう「個別性理論」や「パーソナライズド・アプローチ」にもあるように、私たち人間は一人ひとり異なる特性を持っており、画一的な指導法では限界があるとされています。
性別や年齢、役職といった属性だけではなく、部下それぞれの特性や行動パターンを観察することで、その人に合ったフィードバックを行うことが可能になります。
「個」として観察するためのポイント
性別で判断せず、「個」を理解するためには、日々のコミュニケーションが欠かせません。コミュニケーションを通して、部下の価値観やモチベーションの源泉、成長意欲といった内面的な要素を把握することができます。
例えば、部下がどのようなときにやる気を感じ、どのようなフィードバックが効果的かを知ることで、その人に適したサポートが可能となります。
また、観察によって得た情報をもとに「承認」や「改善点の指摘」をバランスよく行うこともポイントです。
心理学での「行動理論」では、承認を通じてポジティブな行動を強化し、適切なフィードバックを行うことで自己効力感が高まるとされています。
つまり、部下がうまくいっている部分に対しては承認を、ズレが生じている部分には指摘を行い、軌道修正を促すことが重要なのです。
個性を尊重した育成がもたらすメリット
個性を尊重した育成がもたらす効果は大きいものです。
部下一人ひとりが自分らしく仕事に取り組むことで、自己効力感が高まり、組織への貢献意欲も増します。
心理学の「自己決定理論」においても、人が自発的に動機づけられるためには「有能感」「自律性」「関係性」が重要とされており、上司が個性に寄り添ったサポートを行うことで、これらが満たされやすくなります。
企業としても、画一的な指導ではなく、部下の特性に応じたサポートがなされることで、離職率の低下や生産性の向上が期待できます。
特に若手社員においては、自己実現への意欲が高いため、「自分を理解してくれている」と感じることがモチベーションの維持に大きく貢献するでしょう。
性別を超えて「個」を理解する人材育成の実践を
株式会社エナジーソースでは、性別にこだわらず、部下を「個」として理解することを基本とした人材育成のアプローチを推奨しています。
性別や役職に縛られることなく、一人ひとりの特性や目標に目を向け、成長をサポートすることこそが、組織全体がより柔軟で多様な価値観を受け入れられる環境を築く一助となるでしょう。
エナジーソースでは、皆様の企業全体の成長と人材育成を支援してまいります。
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