なぜチームが成長しないのか?|経験学習モデルで組織を進化させる

上司

「毎週の会議が、前回のコピーのようになっていないか」
「マニュアルは整備されているのに、似たようなミスが繰り返される」

そんな不安を抱えたことはありませんか。
研修で若手の意識を高めてマニュアルを整えても、現場に戻ればまた数日で元の状態に逆戻り。もし貴社の組織で上記のような現象が起きているとしたら、それは「組織全体の学習機能」が停止しているサインかもしれません。

本記事では、

・組織全体の学習機能を活性化させる「経験学習モデル」
・外部の情報を取り入れる仕組みを作る3つの具体的施策

について解説します。個人の性格を変えるのではなく、組織に強制的に「外の風」を送り込み、自律的な進化を再起動させるための具体的な仕組みを紹介します。ぜひ最後までお読みください。

経験学習モデルで組織を進化させる

上司

「毎週定例会議を開いているが、結局いつも同じような議論で終わってしまう」
「若手が研修でモチベーションを上げても、現場に戻ると数日で元の状態に戻ってしまう」

もし貴社の組織で上記のような現象が起きているとしたら、それは個人のやる気や能力不足の問題ではなく、組織の学習構造が停滞しているサインかもしれません。
組織が健全に成長しているときは、常に新しい発見や変化があるものです。逆に、動きが止まっている組織は、同じ場所をぐるぐると回っているだけで停滞している可能性があります。

人が経験から学び、成長するプロセスを体系化した理論に「経験学習モデル」があります。
経験学習モデルは以下の4つのステップを繰り返すことで、人と組織が自律的に進化していくという考え方です。

経験学習モデル:

  1. 経験: 具体的な行動を起こす
  2. 省察(振り返り): 結果を多角的に振り返る
  3. 概念化(教訓化): 気づきを得て、法則や教訓にする
  4. 実験(試行): 新しい方法を試す

多くの停滞する組織では、経験学習モデルのサイクルが機能不全に陥ってしまっている傾向にあります。
原因は振り返り(省察)や教訓化(概念化)のプロセスが、「内輪の視点」だけで行われていることにあります。内輪の視点や上司一人の視点だけで経験学習モデルをまわすと、自分たちに都合の良い理由を集め(省察)、現状維持の理屈づけをして(概念化)、去年の焼き直し(実験)のサイクルが生まれてしまうのです。

外部の情報を無意識に拒むリーダーの判断基準の傾向

組織を動かすためには、上司一人の判断だけではなく、他部署の成功事例、顧客の生の声、若手の突飛な発想、客観的なデータなどの外部情報も重要です。

しかし、上司やリーダーの方のなかには、無意識に外部の情報を排除する傾向がある方がいます。
iWAM(アイワム)の診断に使われる48個の認識スタイルから、関係する2つの認識スタイル(内的基準型・外的基準型)を紹介します。

  • 内的基準型:
    自分の価値観や経験を重視し、自分で決めたい感覚が強い傾向があります。
    主体性があり判断も早いですが、「内的基準型」の傾向が強すぎると、外からの意見を脅威として扱いやすいことがあります。
  • 外的基準型:
    他社の意見やデータ、顧客の声を参考にして判断したい傾向があります。
    視野が広がり学習速度も早いですが、「外的基準型」の傾向が強すぎると外からの情報に依存しすぎることがあります。

上記だけで見ると「外的基準型」の方が良いように感じますが、どちらの傾向が良い・悪いといった評価はありません。
大切なのは、「自分の考え方の軸を持って、外部の情報のアンテナを立てる」こと、つまり偏りすぎないことなのです。

外部の情報を取り入れる仕組みをつくる

外からの意見を取り入れる必要があることはわかっていても、長年の思考の傾向を個人の努力ですぐに変えるのは難しいものです。だからこそ、外からの情報を取り入れることを「組織の仕組み」として落とし込む設計がおすすめです。

ぜひ以下の3つの施策を検討してみてください。

  1.  他部署との「成功・失敗共有会」
    月に1度で構わないので、まったく異なる部署の成功事例を共有する場を設けてみてください。別部署の成功は自部署にとって未知の経験であり、自分たちにはない視点や、異分野の成功法則は、学習材料になります。
  2. 顧客の声の定例共有
    顧客の声を毎週10分程度で共有する仕組みもおすすめです。実際の顧客の声で改善案の現実味が一気に変わり、概念化の質が向上しやすくなります。
  3. 経験学習モデルで改善策を運用していく
    改善策は進捗管理(PDCA)で運用する組織が多いですが、ぜひ先ほど紹介した「経験学習モデル=具体的な行動を試す→結果を多角的に振り返り、学ぶ→法則や教訓・仕組みにする→また新しい方法を試すというサイクルで運用してみてください。組織の構造として仕組み化することで、個人の努力に頼らない運用が実現します。

まとめ

組織が成長し続けるかどうかは、「外から入ってくる情報の流量」で決まります。もし、外からの新しい刺激を拒んでしまえば、学習のサイクルは止まり、組織は次第に活力を失ってしまいます。
しかし、自分とは異なる価値観や客観的なデータを「判断を磨くための材料」として面白がることができれば、経験は学びに、学びは改善に、そして改善は確かな成果へとつながる好循環が自然と動き出すでしょう。これこそが経験学習モデルの実践です。

現代の上司やリーダーに求められるのは、確固たる自分の判断軸を持つことと同時に、自分とは異なる価値観やデータなど、外部の情報を積極的に取り入れていく姿勢なのではないでしょうか。

上司

「その意見は、私にはない視点です」

上司がこの一言を言えるようになったとき、組織の学習サイクルは再び回り始め、停滞していた空気が熱を帯びて動き出します。まずは仕組みとして、外部の情報を入れる仕組みづくりを検討してみてくださいね。

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