「近頃の若手は態度がラフすぎる。」
「リモート会議は気持ちが伝わりづらい。」
このようなお話を管理職層の皆様から伺うことがあります。
多様な世代が共に働く現代の職場。
団塊世代、X世代、ミレニアル世代(Y世代)、そしてZ世代、それぞれが異なる価値観やコミュニケーションスタイルを持っており、その違いが職場でのコミュニケーションに影響を与えています。
この記事では、世代間ギャップがどのようにコミュニケーションに影響を与えるか、具体的な例を交えて解説し、その改善策について詳しく探ります。
世代間ギャップが及ぼすコミュニケーションの課題を解決することで
・職場の信頼関係がアップする
・各世代の強みを活かす
ことができますよ。ぜひ最後までお読みください。
各世代の特徴とコミュニケーションスタイル
世代間ギャップとは、異なる世代間での価値観や行動様式の違いを指します。
このギャップがコミュニケーションに与える影響は大きく、職場やチームの誤解や摩擦を生むケースが多いのです。
特に、技術の進化や社会環境の変化が著しい現代では、各世代のコミュニケーションスタイルに大きな違いが見られます。
各世代の特徴と、それぞれの世代のコミュニケーションスタイルについて解説します。
団塊世代(1946-1964年頃の生まれ)
団塊世代は、戦後の経済成長期に育ち、勤勉で組織に対する忠誠心が強い傾向があります。仕事に対して非常に熱心で、長時間労働を厭わない方が多いです。
コミュニケーションでは、対面でや電話での会話を好みます。直接的で丁寧な言葉遣いを重視し、会議や書面での情報共有を大切にします。
X世代(1965-1980年頃の生まれ)
X世代は、経済の変動期に社会人となり、企業のリストラや景気の不安定さを経験している世代です。仕事とプライベートのバランスを重視し、柔軟な働き方を求める方が多いです。
コミュニケーションの際は、メールや電話を使用し、形式的な報告を求めるケースが多いです。
対面でのコミュニケーションも重要視しますが、必要に応じてチャットやSNSなどを活用することに抵抗のない方がほとんどです。
ミレニアル世代(1981-1996年頃の生まれ)
インターネットの普及やテクノロジーの進化とともに成長した、Y世代とも呼ばれる世代です。職場のチームワークや親和性を重視し、企業のミッションや価値観に共感できるかどうかを重要視する傾向にあります。
即時性の高いコミュニケーションを好み、チャットやSNSを利用した迅速な情報共有が得意な方が多いです。
カジュアルな言葉遣いや非公式なコミュニケーションを取り入れるのに抵抗がない傾向もあります。
Z世代(1997年以降の生まれ)
生まれた頃からインターネットが普及しており、進んだテクノロジーに囲まれて育った世代です。効率を重視し、スマートフォンやデジタルツールを駆使できる方がほとんどです。
チャットやSNSを使った瞬時のコミュニケーションを好む方が多いのは、想像に難くないですね。
短いメッセージでのやり取りを好む一方で、対面での長時間の会議や電話を煩わしく感じる傾向があります。
各世代の特徴についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひご参考ください。
▶︎ 世代間ギャップ研修のご案内 ▶︎ 対象者別・プログラムサンプル
世代間ギャップがもたらすコミュニケーションの課題
世代間ギャップは、職場で重要なコミュニケーションに悪い影響を与えるケースがあります。
具体的な課題を解説します。
コミュニケーションツールの選択のギャップ
各世代が好むコミュニケーションツールの違いが、情報伝達のスピードや正確性に影響を与えることがあります。
団塊世代の上司は対面や電話での報告を好むが、若い部下はチャットやメールでの迅速な報告を好む。
団塊世代はチャットやメールについて、入力が手間と考えるケースも少なくありません。
一方で、ミレニアル世代やZ世代などの若手は、チャットやメールならば移動中などに手軽に送信できるのでむしろ手間が少ないと考えている場合が多いです。
団塊世代の上司は対面での会議を好むが、若い部下はZoomなどリモートでの開催を好む。
団塊世代は、重要な事項は直接話すことが信頼構築につながると考えている傾向にあります。
一方、ミレニアル世代やZ世代などの部下層は、直接のコミュニケーションが信頼構築につながるとは考えていないケースがほとんどです。
ツールの選択や会議の開催スタイルという、本質ではない部分の意見の対立により、情報伝達が遅くなったり、双方が情報を正しく理解しづらくなったりするマイナス面は、なんとしても避けたいところですよね。
この悪影響により職場に衝突が生まれてしまう場合もあり、注意が必要です。
コミュニケーション頻度のギャップ
若い世代ほど頻繁にコミュニケーションをとるのを好む傾向にあることは、皆さんもご経験から実感されるのではないでしょうか。
団塊世代やX世代は定期的な報告や形式的なコミュニケーションを重視するが、ミレニアル世代やZ世代は必要に応じた即時的なコミュニケーションを求める。
若い世代ほど、週次や月次の定期会議より、毎日の短いミーティングを好む傾向にあります。
また業務の報告も、週次レポートなどよりもチャットなどでの短いメッセージでの情報共有を求めます。
求めるコミュニケーション頻度のギャップを埋められないと、「意見が無視された」といった誤解や、それによるエンゲージメントの低下が引き起こされやすくなるのは想像に難くありません。
その結果、職場の信頼関係が損なわれ、チームワークの崩壊が生まれてしまう場合もあるのです。
言葉遣いのギャップ
各世代の言葉遣いやコミュニケーションの態度にも違いがあります。
団塊世代やX世代は丁寧な言葉遣いを重視するが、ミレニアル世代やZ世代はカジュアルでフレンドリーな言葉遣いに抵抗がない。
若手にとっては悪気なく、親しみをこめたコミュニケーションのつもりが、上司の世代には不快感とともに伝わってしまうケースは、皆さんの周りでも起きているのではないでしょうか。
上司層は形式的な文章を好むが、部下層はビジュアルコンテンツや短く簡潔なメッセージを好む。
「若手からの返信が画像だった!」と驚きと共に報告してくれた上司の方もいらっしゃいました。
言葉遣いのギャップは職場のチームワークを壊してしまう可能性もはらんでいるのです。
他にも、よくある職場の世代間ギャップの事例はこの記事で解説しています。併せてご参考ください。
コミュニケーションにおける世代間ギャップの改善方法
職場でのコミュニケーションにおける世代間ギャップを解消し、人間関係を改善していくにはどうしたらいいのでしょうか。
特に職場で活かしやすい3つの方法を紹介します。
複数のコミュニケーションツールを活用する
各世代が好むコミュニケーションツールを理解し、状況に応じて適切なツールを選択することが重要なのはいうまでもありません。
例えば、重要な会議や報告には対面や電話を使用し、日常的な情報共有にはチャットやメールを活用することで、効率的なコミュニケーションが可能になります。
そのためには、ツール導入の際のトレーニングが重要です。
簡単にみえるツールでも、世代によっては使用の際に難しく感じられたり、手間に感じられたりすることは往々にしてあるものです。
マニュアルやガイドを用意するだけでなく、サポート体制を構築することで、異なる世代間が歩み寄りやすい環境を整えることができますよ。
また、各ツールでのコミュニケーションスタイルを予め調整しておくこともお勧めしています。
例えば、メールでの報告ではある程度の書式を決めておいたり、チャットではリアクションや絵文字の活用を推奨したりしてみましょう。
「メール報告の際のひながたを共有します。」と簡単なファイルを作成し共有するのは、業務の効率化にもつながるため、取り入れやすいです。
他にも、メンバーに強制する必要はもちろんありませんが、チャットで
「カジュアルにいきましょう!」と一言添えたり、
「Aに賛成の方は”★”、Bに賛成の方は”♪”」などと、リアクションを指定したりすることは、その後のコミュニケーションの活性化に大いに寄与しますよ。
フィードバック方法を多様化する
頻繁なコミュニケーションを求めるミレニアル世代やZ世代にとって、報告への返信やリアクションがないことや遅いことは大きな不安をもたらしかねません。
予め、返信やフィードバックの方法と頻度を決めておくことで、「報告を無視しているわけではない」という前提を共有しましょう。
例えば、定期的なチーム全体での週次ミーティングだけでなく、頻繁なコミュニケーションを求める若手には、毎日チャットでフィードバックタイムを設けてみるのはいかがでしょうか。
フィードバックの頻度と時間を決めておけば、リアクションがないことへの若手の不安が減るうえ、頻繁にフィードバックを行う上司の煩わしさも軽減することができますよ。
なお、決めた頻度を超えて、必要に応じた即時的なフィードバックを求める若手がいるのも事実です。
こういった場合は個別で相談し、お互いに歩みより、チーム全体のちょうどいいフィードバックの頻度と方法を調整していきましょう。
世代間ギャップを理解するための研修を行う
異なる世代が共に働くためには、お互いの価値観やコミュニケーションスタイルを理解することが重要です。
各世代の特徴やコミュニケーションスタイルを知る研修を通して、効果的なコミュニケーション方法を身につけることを目指しましょう。
例えば、上司世代へはデジタルツールの使い方のトレーニングのほか、若手独特のモチベーションの源やコミュニケーションについて学ぶ研修を開催してみるのも手です。
「確かに最近の若手にはこんな傾向がある。」と納得でき、対策を冷静に考えることができますよ。
同様に、若手への研修では、団塊世代のモチベーションやコミュニケーションについて学ぶ研修を行ってみましょう。
若手にも上司世代の特性を学んでもらうことは、もちろん大切です。
「こういう言葉が上司には喜ばれるのか。」と知っておくことはその後のコミュニケーションに役立ちますよ。
他にも、
若手には、動画編集やAI活用などのスキルアップ研修や、テクノロジーリーダーシップを磨く研修を行うのも喜ばれます。
特にZ世代には、デジタルネイティブの強みを生かしたスキルを伸ばせる環境を準備するのがお勧めです。
異なる世代間の理解を促すだけでなく、各世代の特徴を生かす研修を行うことで、職場全体のスキルの底上げを図れますよ。
▶︎ 世代間ギャップ研修のご案内 ▶︎ 対象者別・プログラムサンプル
まとめ
多様な世代が共に働き、それぞれが異なる価値観とコミュニケーションスタイルを持っている現代の職場。
この記事では、世代間ギャップがコミュニケーションにもたらす課題を解説しました。
・複数のコミュニケーションツールを活用する
・フィードバック方法を多様化する
・世代間ギャップを理解するための研修を行う
ことで、コミュニケーションの課題の解決に近づけますよ。
各世代の強みを活かし、コミュニケーションの改善を図ることで、職場の信頼関係をアップしていきましょう。
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