敬語の使い方がすれ違いを生む!?世代間ギャップを越えるコミュニケーションのヒント

職場でのコミュニケーションで、何気ない言葉づかいが思わぬ摩擦を生むことがあります。
特に「敬語」に関しては、「軽すぎる」、「堅苦しい」、「距離を感じる」など、世代間での受け取り方に違いが生じやすい部分です。
上司と部下、ベテランと若手、それぞれが丁寧に言葉を選んでいるつもりでも、伝わり方が微妙にすれ違ってしまうことは少なくありません。

本記事では、敬語にまつわる世代間ギャップ(ジェネレーションギャップ)の背景と、組織としてどのように向き合い、コミュニケーションの質を高めていくかについて、考えていきます。
世代を超えて安心して話せる職場づくりのヒントとして、お役立ていただければ幸いです。

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なぜ敬語が世代間ギャップを生むのか?

敬語は本来、相手への敬意や配慮を伝えるものですが、その使い方や捉え方には世代ごとに違いがあります。
なぜ敬語が世代間のすれ違いを生むのか、その背景をひもときます。

敬語に対する価値観の違い

世代によって敬語に対する価値観には大きな差があります。
例えば、

ベテラン層にとって敬語は礼儀や信頼の表現であり、社会人として身に付けておくべき常識だという感覚が強い傾向があります。
一方で、若手世代はフラットな関係性や相手との心理的な距離感を大切にしており、敬語を関係性に応じて使い分けるツールのように捉えていることも多いです。

敬語に対しての前提の違いが、言葉そのものの選び方やトーンに差を生み、きちんとしているつもりが相手には失礼に見えてしまったり、やわらかく伝えているつもりが軽いと感じられてしまったりするケースがあるのです。

デジタルネイティブ世代が育んだ言葉の感覚

現代の若手社員の多くは、Z世代とも呼ばれ、学生時代からチャットやSNSを使いこなしてきたデジタルネイティブ世代です。
若手は、短い文章でテンポよく会話が進み、絵文字やスタンプも交えながら、感情やニュアンスを補い合うスタイルに慣れています。
したがって対面での敬語や、ビジネスメールの丁寧な言い回しに対しては、やや形式的で無駄が多いと感じることもあるようです。

さらにデジタルネイティブとして育った背景の影響を受け、若手には正しい敬語や言い回しよりも伝わりやすさや心地よさを重視する傾向があります。
丁寧さや形式を重視する団塊世代などベテランとの感覚のズレが、組織内でのコミュニケーションに影響を及ぼすことは、皆さんの想像にも難くないでしょう。

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代表 高村が、NHK『ニュースウオッチ9』に出演し、世代間ギャップの現状と世代間ギャップ研修についてコメントしました。【登場者】代表取締役 高村 幸治(たかむら こうじ)【番組名】ニュースウォッチ9【内容】世代間ギャップについて[…]

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職場で起きる「敬語のすれ違い」のあるある

敬語をめぐすれ違いは、実際の職場でどのように現れているのでしょうか。
若手とベテランの両方の視点から、それぞれが抱きがちな“あるある”な違和感をご紹介します。

若手が感じる堅苦しさや距離感

若手社員の中には敬語を使うのは当然と理解している一方で、過度にかしこまった言い回しに対して、

若手

「なんとなく距離を感じる」
「話しにくい」

と思っている方もいます。
例えば「クッション言葉」と呼ばれる「恐れ入りますが」「恐縮ですが」などの表現は、上司層などは当然のようにつかっています。
しかし、若手にとっては親しみを持ちづらくなり、上司との間に心の距離をうんでしまうことさえあるのです。

また、一度敬語について指摘された若手は

若手

「間違った敬語を使ったらどうしよう」

と不安になり、結果的に発言自体を控えてしまうケースも見られます。

敬語そのものが壁になってしまわないよう、言葉の使い方に幅を持たせる意識も必要なのです。

ベテランが感じる「敬語がなっていない」問題

ベテラン世代の中には、「最近の若手は敬語ができていない」と感じる方もいらっしゃいます。
例えば、「了解です」、「なるほどですね」などの表現が、どこか軽く聞こえ、ビジネスシーンにふさわしくない失礼な表現だと受け取る方もいます。

ベテラン

「敬語すらできないなんて、年上を馬鹿にしているのか。」

という思いを抱いてしまうベテラン層の方もいらっしゃいます。

しかし、実際に若手に話をよく聞いてみると、彼らは特に相手を軽んじているわけでないケースも多いものです。
むしろ、失礼のないようにしたい、丁寧に対応したいとの気持ちがあることのほうが多いのです。
よく話を聞いてみると、言葉の選び方や話し方が未熟だったり、世代によって適切とされる言い回しが異なったりするために、敬意がうまく伝わっていないことがわかります。

敬語がなっていない、という思いを端にするすれ違いは、言葉づかいそのものの問題よりも、伝える意図と受け取る側の言葉の印象のギャップによって生まれている問題なのではないでしょうか。
まずは「なぜその言葉を使ったのか?」の背景に目を向けることで、相手の気持ちをより丁寧に汲み取れる関係性につながっていきますよ。

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世代をつなぐコミュニケーションの工夫

世代間の敬語ギャップを解消するには、単に正しい言葉づかいを教えるだけでは十分ではありません。
お互いの意図を汲み取りながら、理解を深めるための関わり方について考えてみましょう。

「正しい敬語」よりも「意図の共有」が重要

敬語を正しく使うことももちろん大切ですが、それ以上に相手が「なぜそういう表現を使うのか」という意図や背景を共有することが、世代間の理解を深めるうえで有効です。
若手がカジュアルな表現を使ったときに、ただ注意するのではなく、

ベテラン

「その言い方は誤解されやすいかもしれないね」
「別の表現のほうが伝わりやすいかもしれない」

などのやわらかい指摘をすることで、コミュニケーションの意図が伝わりやすくなりますよ。
あくまでもビジネスシーンでのコミュニケーションなので、言葉そのものよりも発言の意図を理解することが大切です。

相手の意図に寄り添う姿勢を大切に

使う言葉が「正しい敬語」であっても、誠意のない言い方であれば、相手には冷たく映ってしまうこともあります。
大切なのは言葉の正しさではなく、伝えたい意図が相手にどう届くかどうかです。
話の意図の確認という点においては、世代を問わず、お互いに確認し合ったり、気軽に尋ね合えるような雰囲気づくりを進めていきましょう。

ベテラン

「この表現は、つまりこういうことであってる?」
「こう言ったほうが伝わりやすいかもね」

といったやりとりが自然に交わせるようになると、敬語をめぐる誤解やストレスも、ぐっと減っていきますよ。
形式的な「正しさ」にとらわれすぎず、相手の意図に寄り添いながら言葉を受け取る姿勢こそが、世代間の橋渡し役として大きな意味を持ってくるのです。

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「敬語のすれ違い」への関わり方

職場の言葉づかいにおける世代間ギャップを和らげるには、上司としての関わり方が大きなカギとなります。
注意や指導の伝え方に少し意識を向けるだけで、若手との信頼関係が変わってきますよ。

言葉づかいへの過剰反応を避ける

職場で若手の言葉づかいに違和感を覚えたとき、つい反射的に注意したくなる場面もあるかもしれませんね。
毎回のように細かく反応してしまうと、若手が委縮してしまったり、「どうせ何を言っても否定される」と感じてしまう原因にもなりかねません。
特に、敬語の表現は正解が一つではなく、使い方や状況によって柔軟に変化するものです。
たとえ言い回しに違和感があっても、相手がどういう思いでその言葉を選んだのかを、一度立ち止まって想像してみてください
言葉の受け取り方や受けるイメージも少し変わるかもしれません。
過度に反応するよりも、「何を言いたかったのか」に注目する姿勢が、対話のきっかけを広げてくれるのではないでしょうか。

育てる視点に立ってみる

言葉づかいの指導は、ダメ出しよりも提案型のほうが伝わりやすいです。
ぜひ、正すのでではなく、育てる視点をもちましょう。

ベテラン

「その言い方もいいけど、こう言い換えるともっと伝わるかもね」

といった声かけは、若手が言葉遣いの訂正を前向きに受け取られやすくなります。
大切なのは、正しさを教えることではなく、よりよい伝え方を一緒に考えるスタンスです。
上司が一方的に評価する立場ではなく、一緒に考える姿勢を見せることで、言葉づかいだけでなく、相手の学ぶ意欲や信頼関係の育成にもつながっていきますよ。

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まとめ

敬語にまつわる世代間ギャップ(ジェネレーションギャップ)は、決して誰かが間違っているという単純な話ではなく、それぞれの世代が育ってきた背景や価値観、言葉に対する感覚の違いから生まれているものです。
ベテラン層は丁寧な言葉づかいを重視し、若手はフラットで親しみやすい表現を好むケースが多いです。
こうした違いをズレとして否定するのではなく、違いがある前提で、発言の意図をお互いに探っていける関係性が大切なのではないでしょうか。
言葉は人と人をつなぐ大切なツールです。

世代を超えて安心して話し合える職場を目指し、これからも“伝える”と“受け取る”を丁寧に育てていき、世代を超えて信頼し合えるチームへと進化させていきましょう。

ぜひ明日からの実践に取り入れてみてくださいね。

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>なぜ今、おもしろくて、楽しい学びが求められているのか?

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