
多くの管理職の方から

「若手とどう接すればいいのか分からない」
「指示をしても思うように動いてくれない」
といった若手のマネジメントに関する悩みをよく伺います。
時代とともに働き方や価値観が変化している昨今、異なる世代が一緒に働く職場では、世代間のギャップに原因のある悩みが生じやすくなっています。
本記事では、世代間ギャップが管理職に与える影響と、その解決策となるマネジメントの工夫について詳しく解説します。
世代の違いを理解し、柔軟な対応を続けることで、
・若手社員のエンゲージメント向上
・若手社員の心理的安全性の確保
・チーム全体の生産性・創造性の向上
などの嬉しい効果が期待できますよ。
ぜひ最後までお読みいただき、日々のマネジメントに活かしてください。
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世代間ギャップに起因する管理職のマネジメントの悩み

管理職などの上司の世代と、若手の世代ではコミュニケーションや指導法に関する考え方に大きな違いがあります。
管理職は各世代の価値観の違いを理解し、それぞれの強みを活かしたチーム運営を意識することが求められます。
管理職の方がよく抱く、世代間ギャップに起因する悩みを紹介します。
仕事への価値観のギャップによるコミュニケーションの難しさ
20代の若手から50代・60代のベテランまで、多様な世代がともに働く現代の職場。
それぞれの世代が育った社会背景が異なるため、仕事に対する価値観や働き方に違いが生じてしまうケースが多くあります。
例えば、
ベテラン世代は「仕事は努力と忍耐が重要」と考える傾向がありますが、若手世代は「効率的に働くことが大切」と考える傾向があります。
また、ベテラン世代は対面での丁寧な報連相を重視する一方、若手世代はチャットツールを活用した素早いコミュニケーションを好むことが多いです。
このような価値観の違いが、管理職にとって

「若手はなぜすぐに辞めてしまうのか?」
「自分の言葉は若手に伝わっているのか?」
といった悩みにつながることがあります。
それぞれの世代の特徴についてはこちらの記事をご参照ください。
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求める指導法のギャップによる部下育成の難しさ
管理職として部下の育成は重要な役割の一つですが、ここ数年でどのように指導すればいいのか悩んでいる管理職の方が急速に増えたように感じています。

「今の若手は納得しないと動かない」
「厳しく指導するとパワハラと受け取られるのではないか」
など、指導方法に対する悩みは尽きませんよね。
現代の人材育成で求められているのは「部下の考えを尊重しながら、主体的に成長させる」人材育成スタイルです。
「上司が正解を示し部下が従う」スタイルで育てられた団塊世代にとっては信じられないスタイルかもしれませんね。
自分の受けてきたのと違う指導法が求められるのでは、管理職の皆さんが困惑してしまうのも無理がないといえるでしょう。
仕事の向き合い方へのギャップによる生産性低下の危機
世代間ごとの仕事への価値観や向き合い方の違いにより、生産性が大きく低下してしまうことがあります。
ベテラン世代は「時間をかけてでも丁寧に仕事をするべき」と考える傾向がある一方で、
若手世代は「限られた時間の中で効率的に成果を出すべき」と捉えることが多いです。
このような価値観の違いがあると当然業務は円滑に進みません。
仕事の進行方法やスケジュール管理の場面で衝突を引き起こすケースがあります。
業務の停滞につながるため注意が必要です。
距離感の考え方のギャップによるチーム崩壊の危機
上司と部下の距離感に関する考え方には、上司世代と部下世代で大きなギャップがあり、チームのまとまりを妨げる要因となります。
上司などの世代は「上司は部下とある程度の距離を保ち、威厳を持って指導すべき」と考えることが多いです。
一方、若手世代は「上司ともフラットに意見を交わし、対等な関係を築きたい」と望む傾向があります。

「若手が馴れ馴れしい」

「上司に見下されている気がする」
お互いの距離感に関する考え方のギャップが、チームの結束を弱めてしまうことにつながる場合があるのです。
代表 高村が、NHK『ニュースウオッチ9』に出演し、世代間ギャップの現状と世代間ギャップ研修についてコメントしました。【登場者】代表取締役 高村 幸治(たかむら こうじ)【番組名】ニュースウォッチ9【内容】世代間ギャップについて[…]
世代間ギャップによる悩みを解決する工夫

若手との関係を良好に保つためには、上司側が積極的に歩み寄り、相手の考えを理解する姿勢を示すことが不可欠です。
歩み寄ったコミュニケーションの積み重ねが、世代を超えた協力体制を築く土台となるでしょう。
具体的な方法を解説します。
若手社員との関係を築くための対話のポイント
若手社員との良好な関係を築くには、距離の縮め方が重要です。
相手の価値観や考え方を尊重し、日常のコミュニケーションの質を高めるのです。
また、世代間の違いによる誤解を防ぐために、意識的に対話の機会を増やし、信頼関係を築いていくことが求められます。
若手の価値観を理解する
最近の若手は、上司との関係において対等なコミュニケーションを求める傾向があります。
昔ながらの「上司の言うことに従うべき」スタイルではなく、相手の意見を尊重しながら対話を進めることが、良好な関係の構築につながるのです。

「どう思う?」
と、部下に自分で考え、発言させることで若手が自ら考え発言する機会を増やすことができます。
若手のアウトプットの機会が増えることは、若手の成長だけでなく、若手の心理的安全性の確保につながりますよ。
日常のコミュニケーションの頻度を増やす
業務の中で、ちょっとした雑談だけでなく、意識的に1on1ミーティングなどを実施し、仕事の進捗だけでなく、悩みやキャリアの方向性についても話せる場を設けるようにしましょう。
若手社員は

「上司が自分を気にかけてくれている!」
と感じ、安心して働けるようになりますよ。
小さな安心感の積み重ねが、メンバーの心理的安全性を高め、若手のエンゲージメント向上にもつながります。
世代間ギャップと心理的安全性についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧くださいね。
現代の職場では、団塊の世代からZ世代まで多様な世代が共に働いています。ベテランの世代と若手の世代が同じ組織で協力しながら業務を進めるなかで、上司「考え方が違う」若手「価値観が合わない」といったギャッ[…]
フィードバックの方法を工夫する
評価の際は、具体的なフィードバックを心がけましょう。
上司からの「何が良かったのか」「どのように改善するとさらに良くなるか」といった具体的な反応が、部下の成長意欲を引き出します。
一方で、上司からの指摘が「一方的な評価」に感じられると、若手社員は萎縮し、積極的な姿勢を失うことがあります。
もちろん誤りは正していく必要がありますが、誤りにばかり集中してしまわないよう注意しましょう。
良かった点を意識的に伝え、ポジティブなフィードバックを積極的に取り入れることで、若手が自信を持って仕事に取り組める環境をつくることができますよ。
柔軟なマネジメントを取り入れる
現代の職場では、昔ながらの一方的な指導ではなく、「対話型マネジメント」への移行が求められています。
これまでの「背中を見て学べる部下」が主流だった時代から、現在は「丁寧な関わりの中で育つ部下」へと変化しているのです。
管理職としては、部下の価値観や仕事観の多様化を理解し、それぞれの個性に応じた柔軟な指導スタイルを取り入れることが求められます。
以下の3つの視点を意識することで、部下の成長を後押ししつつ、世代間のすれ違いを最小限にすることができますよ。
部下の意見を尊重し、主体的に動ける環境をつくる
生まれた頃からインターネットが普及している中で育ったZ世代などの若手世代は、双方向のやり取りや即時のコミュニケーションを身近に感じて成長してきました。
したがって、現代の若手社員に指示を一方的に伝えても、モチベーションや主体性を引き出すことが難しいケースが増えてきました。
まずは、部下の意見や考えを積極的に聞き入れる姿勢が重要です。
会議や日々のやり取りの中で、

「どう思う?」
「君ならどう進める?」
といった問いかけを増やすことで、自ら考える力と当事者意識が育まれますよ。
その際に、素早いフィードバックもぜひ取り入れてくださいね。
主体性のある人材は、指示待ちではなく自ら課題を見つけ、行動を起こせるようになります。
そのためにまずは、部下が

「意見を出しても大丈夫」
「自分の意見は否定されない」
と思える心理的な土台づくり=心理的安全性の確保を心がけましょう。
成果に向けた道筋を一緒に考える
ベテランである管理職は、自身の経験に基づいた最適な方法を伝えたくなるものです。
しかし、若手にとってはその手法に納得感を持てないと不満を抱いたり、成長の機会を奪われると感じたりすることもあります。
そこで有効なのが、成果に至るプロセスを共に考えるスタンスです。

「このゴールに対して、どんな進め方が良いと思う?」
「何から始めるといいかな?」
などと問いかけ、部下の意見を取り入れつつ軌道修正するような関わり方が効果的ですよ。
単に仕事を「教える」のではなく、部下の考える力を養うことで、将来的な自立やチームの活性化や創造性の向上につながります。
若手が自ら学ぶ機会を増やし、成長を支援する
タイパ=タイムパフォーマンスを重視する多くの若手世代は、仕事の中での成長やキャリア形成に強い関心を持っています。
したがって、日常業務をこなすだけでなく、「学び」や「スキル向上」の機会を提供することが、定着と育成のカギとなります。
OJTに加えて、社外研修やオンライン学習などのリソースを活用し、学習機会を広げることも一案です。
また、成長の方向性について定期的に対話を重ね、「どのようにキャリアを築きたいか」「どんなスキルを伸ばしたいか」といった本人の希望に寄り添うことも、信頼関係の構築にもつながりますよ。
単に「教える」「評価する」だけでなく、部下の「可能性を引き出す支援者」として関わることが、これからの管理職に求められる姿なのではないでしょうか。
若手の求める環境や上司のできる対応についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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まとめ
世代間ギャップは、職場におけるすれ違いや誤解を生む一方で、世代ごとの強みを活かすことでチームの力を飛躍的に高める可能性を秘めています。
本記事で紹介したコミュニケーションの工夫や柔軟な指導スタイルを実践することで、
・若手社員のエンゲージメント向上
・若手社員の心理的安全性の確保
・チーム全体の生産性・創造性の向上
が期待できますよ。
また、管理職自身にも、多様な人材を束ねるマネジメント力や対話型マネジメントといった、現代の組織運営に不可欠なスキルが身につきます。
違いを乗り越えるのではなく、違いを活用し、学び合う前提に立ったマネジメントこそが、これからの時代に求められるリーダーシップの在り方なのではないでしょうか。
ぜひ明日からの実践に取り入れてみてくださいね。
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