世代間ギャップは「なくす」より「埋める」へ|上司が実践できる信頼を築く関わり方

上司

「最近の若手は何を考えているかわからない」
「上司と話すと話が噛み合わない」

そんなお悩みを現場の皆様からよく伺います。
お話をよく聞いていくと、お悩みの背景には、世代間ギャップ(ジェネレーションギャップ)が存在しているケースがよくあります。

世代間ギャップがあるとわかると、どうしてもギャップをなくそうと考え、無理なマネジメントを強いてしまう上司の方がいらしゃるものです。
しかし、世代間ギャップはなくそうとするものではなく、むしろ「違いがあって当然」という前提で向き合うことで、自然と埋めていくことができますよ。
違いがあって当然、違いを活かしあっていこうという姿勢は、

・心理的安全性の向上
・チームとしての自己効力感の向上

など、職場の健全な土台を築くうえでも大切な要素を強めることにつながります。
本記事では、上司としてできる関わり方や、組織内の対話の質を高める具体策についてお伝えします。
世代を超えて信頼関係を築きたいと考える方は、ぜひ最後までご覧ください。

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なぜ世代間ギャップは生まれるのか?

世代間ギャップには、単なる性格の違いでは片づけられない背景があります。
世代ごとの価値観や社会背景、そして日々のコミュニケーションの違いに焦点を当てながら、ギャップの根本要因を紹介します。
各世代の特徴についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご参考くださいね。

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育った時代と価値観のズレ

世代間ギャップの大きな要因は、それぞれの世代が経験してきた社会背景の違いにあります。
例えば、

バブル景気や終身雇用を経験した団塊世代などの上司層は、「会社に尽くす」、「苦労して成長する」といった価値観を持ちやすい傾向があります。
一方で、デジタルネイティブ世代とも呼ばれるZ世代は、「効率重視」、「柔軟な働き方」などを当然のものと捉えています。

同じ成果を出すというゴールに向かっていても、ゴールに至る道筋の考え方がまったく異なるため、価値観のすれ違いが起こるのです。

上司

「若手がすぐ辞める」

と嘆く上司もいれば、


若手

「こんな組織にしがみつく必要はない」

と考える若手もいます。
価値観のズレは善悪の問題ではなく、それぞれが見ている世界の違いによるものなのです。

コミュニケーションスタイルの違い

価値観の違いに加え、世代間ギャップが生じやすいのがコミュニケーションのスタイル(方法)です。
例えば

上司の世代は電話やメールを基本とする「文章で丁寧に伝える文化」で育ってきた一方、若手世代はチャットやSNSを通じて「短く、テンポよく伝える文化」に慣れています。

上司が長文メールを送っても、若手が

若手

「まわりくどい」

と感じてしまうケースがあります。
一方、若手が「承知しました。」とのみ短く返信したことで上司が

上司

「そっけない」

と感じてしまったりすることもあります。
お互いに悪意がないにも関わらず、コミュニケーションを阻害するすれ違いが日常的に起こってしまうのです。

他にも、上司に敬意を示すことへの認識も世代によって異なります。

上司世代は距離を保ち、礼儀を重んじることが信頼を築くと考える傾向がありますが、若手は対等な関係性を大切にし気持ちを伝え合える関係が信頼を築くと考えることが多いです。

各世代で当たり前の前提が異なることで、言葉の一つひとつがすれ違いを生む可能性をはらんでいるのです。

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出演情報

代表 高村が、NHK『ニュースウオッチ9』に出演し、世代間ギャップの現状と世代間ギャップ研修についてコメントしました。【登場者】代表取締役 高村 幸治(たかむら こうじ)【番組名】ニュースウォッチ9【内容】世代間ギャップについて[…]

NHK出演時映像

世代間ギャップを前提にする関わり方とは?

世代間ギャップを「なくす」ことを目指すと、かえってストレスや衝突が増えることは、皆様にもご想像いただきやすいでしょう。
大切なのは、違いがあることを前提に受け止め、すれ違いを減らしていく関わり方です。
上司としておさえておくべき関わり方を紹介します。

「違うのが当たり前」と認識する

異なる世代間のコミュニケーションでよく聞かれるのが、

上司

「話が通じない」
「何を考えているのかわからない」

という「わかりあえない」ことを否定する言葉の数々です。
しかし、職場でのコミュニケーションでは「わかり合えないから相手が悪い」などと考えるのではなく、そもそも違う文化で育った人と会話しているという認識に立ち返ることが大切です。
上司層が自分たちの常識は若手には通じないことがあると理解していると、若手に対するリアクションや伝え方も自然と変わってきますよ。
一方的に「こうあるべき」と伝えるのではなく、

上司

「どう思う?」
「こういう背景があるんだよ」

違いを認めたうえでお互いの考え方を理解し合う姿勢こそが、世代間ギャップギャップを埋める出発点になります。

「伝える」から「すり合わせる」へ

上司と部下の間で誤解が生じる背景には、「一方的な指示」や「伝えたつもり」があります。
「これやっておいて」と言われた若手が、

若手

「どうしてこの方法なんだろう」

と疑問を抱えながら行動していた、という場面は珍しくありません。
世代が異なれば、前提となる常識も異なります。
だからこそ、「伝える」だけでなく「すり合わせる」ことが重要です。

上司

「こういう意図で言ったけど、どう受け取った?」
「もし違っていたら、どこが違っていた?」

といった上司からの積極的な問いかけを通じて、言葉の解釈や目的の理解度を確認しましょう。
手間に感じるかもしれませんが、少しの問いかけがすれ違いを防ぎ、相互理解を促しますよ。
伝える側が100%正確に伝えるのではなく、伝えた内容がどう受け取られたかを確認し合うことが、世代を超えて信頼を築く関わり方につながります

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世代間ギャップを埋める関わり方の工夫

世代間ギャップの存在を前提にしてそれぞれの世代が向き合うためには、コミュニケーションの工夫が不可欠です。
日々の関わり方や対話の場づくりを通じて、信頼関係を築いていくための実践的なヒントをご紹介します。

定期的な対話の場を意識的に持つ

世代間のギャップを埋めるためには、話す機会そのものを意識的につくることが欠かせません。
1on1ミーティングやちょっとした雑談のなかで、相手がどんな価値観を持っているのか、何を大切にしているのかに耳を傾けることで、見えてくるものがありますよ。

特に、仕事の進め方や働く目的が多様化する現代では、「何を考えているのかわからない」と距離を置くのではなく、「わかるように時間をつくる」ことが大切です。
お互いのことを理解しあえるよう、対話の場を設けるで心理的安全性の確保につながります

心理的安全性とは:
「どんな意見を言っても罰せられない。」と感じられる職場環境を作ること。
参考:ResearchGate「Psychological Safety, Trust, and Learning in Organizations: A Group-level Lens


心理的安全性の確保は、上司と部下どちらにとっても安心して本音を伝え合える職場づくりの土台となります。

双方向でフィードバックを行う

特に日本ではフィードバックというと、上司から部下への指導や評価の意味合いが重視されがちです。
しかし、現代の職場では、上司側も自らの伝え方や接し方を振り返り、必要に応じて見直す柔軟さを持つことが求められるのではないでしょうか。
ある若手社員が1on1の場面で

若手

「さっきの話、今の進捗にどこまで関係するか少し整理してもいいですか?」

と確認を求めたとします。
一見ささいな言葉ですが、そこには

若手

「意図がうまく汲み取れなかった」
「上司の考えをもう少し知りたい」

というサインが含まれている場合があります。
若手の何気ない質問や確認の場面で、「わかりにくかったかな?」と気づいた上司が、自ら伝え直したり、追加で対話をしたりするだけでも、部下は安心感を持てるものです。

フィードバックを評価と考えるのではなく、ぜひ対話のきっかけとしてとらえてください。
双方向のやり取りを重ねることで、心理的安全性が育まれ、世代を超えた信頼関係へとつながっていきますよ。

上司自身の思う正解をいったん手放してみる

経験が豊富な上司ほど、

上司

「自分の若いころはこうだった」
「自分はこのやり方でやってきた」

という思いが強くなる傾向があります。
それ自体は悪いことではなく、むしろ自信の表れともいえますが、時代の変化とともに「正解」もアップデートされていることにもぜひ目を向けてくださいね。
かつての成功体験を否定するのではなく、「現代の若手にはどう伝えると届くか?」という視点でアプローチを見直してみることで、コミュニケーションの質は大きく変わりますよ。

若手の価値観から学ぶ姿勢を持つ

上司の立場にあると、教えること・育てることが前提の関わり方に偏りがちです。
しかし、若手の感性や価値観のなかには、これからの組織運営に必要な新しさが多く含まれているものです。
タイムパフォーマンス重視の働き方や、心理的な安全を重視したチームづくりなど、上司層の方が若い頃にもちえなかった感覚を、若手は当然のようにもっています。
若手の感覚を取り入れることで、上司自身のマネジメントスタイルもより柔軟に進化させていきましょう。
上司が学ぶ姿勢を見せることは、組織の風土にも強い影響力を持ち、世代間の信頼をつなぐ架け橋になるのではないでしょうか。

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NHK出演時映像

まとめ

世代間ギャップは「なくすもの」ではなく、「違いを理解し、埋めていくもの」です。
背景にある時代や価値観の違いを前提に、すれ違いを防ぎ、信頼を築くためには、上司の関わり方が大きな鍵を握っています。
本記事でご紹介した

・対話の機会を増やす
・双方向でフィードバックを行う
・上司の思う正解を手放す
・若手から学ぶ姿勢を持つ

など、ちょっとした意識の転換が世代を超えたつながりを生み出します。
世代を超えたつながりは、世代間ギャップを埋めるだけでなく、世代間それぞれの強みを引き出すことを可能にします。
世代の違いを活かし合える組織では、心理的安全性チームとしての自己効力感が向上します。

世代間の違いをお互いに活かし合える組織目指し、ぜひ上司としての関わり方を見直してみてくださいね。

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「若手とのギャップを“どう埋めるか”ではなく、“どう活かすか”という発想がとても新鮮でした。組織全体の風通しもよくなった気がします。」

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