世代間ギャップの原因とは?|違いを「活かし合う」組織をつくるヒント

上司

「部下との感覚が合わない」
「若手の反応に戸惑う」

そんな経験をお持ちの上司の方も多いのではないでしょうか。
すれ違いの多くは、世代間ギャップに起因している可能性があります。

世代間ギャップとは
異なる時代背景や価値観、働き方を持つ世代同士の考え方や行動にズレが生じること

特に現在の職場では、団塊世代(1946-1964年頃の生まれ)からZ世代(1997年以降生まれ)まで、複数の世代が共に働く場面が多くあります。
各世代の認識の違いがコミュニケーションや業務の進め方に影響を及ぼしがちなのです。

本記事では、

・世代間ギャップが生まれる原因
・職場で起きやすい世代間ギャップとその影響
・世代間ギャップを乗り越え、違いを「生かし合う」ヒント

を解説します。
世代を超えて安心して働ける職場づくりに向けたヒントとして、ぜひ最後までお読みくださいね。

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世代間ギャップの原因と起きやすい場面

世代間ギャップは、単なる年齢差ではなく、育った時代背景や社会環境、仕事に対する価値観、行動様式の違いが複雑に絡み合って生じてしまうものです。
世代間ギャップの根本的な原因と、実際の職場で起きやすいすれ違いの場面を併せて整理していきます。
それぞれの世代の特徴についてはこちらの記事で詳しくまとめています。ぜひ併せてお読みください。

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育った社会情勢・教育環境の違い

人が持つ価値観や仕事観は、育った時代背景や社会情勢によって大きく左右されます。
団塊世代などの主に昭和生まれの世代は、高度経済成長や終身雇用の時代を生き抜いてきたことから、

団塊世代

「我慢は美徳」
「長く勤めてこそ一人前」

と考える方が多い傾向にあります。
バブル期を経験した団塊世代にとっては、努力が報われることが前提とされていたことも多く、仕事への忠誠心や献身的な姿勢が当たり前とされてきました。
一方、平成以降に生まれたZ世代は、社会全体が不安定な時代を生きてきています。
リーマンショックや東日本大震災、コロナ禍などを経験し、企業への絶対的な信頼感が薄れるなか、

若手

「自分で選択し、自分でリスクを分散させる」

考え方が当たり前になりつつあるのです。
育ってきた時代背景の違いが、上司と若手社員の間で仕事への姿勢や優先順位に大きなギャップを生む原因となっているといえるでしょう。

テクノロジー環境による行動の違い

情報収集や連絡手段でも、世代ごとに常識が大きく異なります。
団塊世代やX世代(1965-1980年頃の生まれ)は、電話やFAX、対面でのやり取りを重視していた時代を生きてきました。
一方、ミレニアル世代(Y世代・1981-1996年頃の生まれ)やZ世代の若手は、スマホ・SNS・クラウドなどデジタルツールを駆使してコミュニケーションを取ることが日常です。
触れてきた情報収集や連絡手段の違いは、業務のスピード感や情報共有のスタイルにも影響を及ぼします。
上司は

上司

「電話で直接話した方が早い」

と考えても、若手は

若手

「まずはチャットで簡潔に送る方が効率的」

と感じていることさえあります。
育ってきたテクノロジー環境の違いが行動の違いを生み、日々の業務で無意識のすれ違いを引き起こしやすくしてしまうのです。

働き方やキャリア観のギャップ

働き方やキャリアに対する考え方も、世代ごとに大きく異なるポイントの一つです。
団塊世代の方の多くは、一つの会社で長く勤めて、役職を上げることが成功といわれて育ってきました。
企業への忠誠心を示すことや、長時間労働が評価の対象になりやすい時代を経験しているため、今も勤続年数や責任感があるかどうかに重きを置く価値観を持つ方が多い傾向があります。
一方、ミレニアル世代やZ世代の若手社員は、人生100年時代やVUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代を前提にキャリアを考える傾向が強い方が多いです。

若手

「今の会社でしか通用しない働き方では将来に不安がある」

と感じている人も少なくありません。
転職や副業を前向きに捉え、「自分らしい働き方」や「自律的なキャリア形成」を求める声も多く見られます。
仕事への考え方の違いが、仕事への向き合い方や評価の基準に対する認識のズレを生み、双方の理解を難しくする原因となっているのです。

コミュニケーションスタイルの違い

職場でのコミュニケーションも、世代ごとの習慣や文化によってすれ違いが生まれやすい部分です。
団塊世代やX世代にとっては、仕事では「敬語を丁寧に使う」「対面で報告する」「きちんと前置きを置く」のが基本でした。
一方、Z世代などの若手社員はチャットやLINEなどの即時性あるツールに慣れており、「短く」「端的に」「早く返す」ことを優先する傾向があります。
丁寧に書くより、すばやく用件を伝えるほうが親切と感じるため、「了解です」「承知しました」だけの返信をすることもあります。
ベテラン世代には

上司

「若手は礼儀がなっていない」

と映ってしまうケースがあるのです。
コミュニケーションへの感覚の違いが、お互いの印象にギャップを残してしまう原因の一つといえるでしょう。

「上司の役割」に対する期待のズレ

上司に求められる役割についても、世代によって大きく捉え方が異なります。
団塊世代やX世代にとっての上司像は、「指示・命令を出す人」「部下を正しく導く人」などの上下関係を前提とした捉え方が一般的でした。
一方、Z世代を中心とした若手の多くは、上司に完璧さよりも「一緒に考えてくれる存在」や「気軽に話せる相談相手」であってほしいと感じている傾向があります。
特に、変化の速い現代では「正解のない仕事」が増えているため、指示を待つよりも、対話のなかで方向性を共有してもらうことを求める場合が多いのです。
上司の役割への期待のズレがあるにも関わらず、それぞれが自分の前提だけで行動すると、頼りない・近寄りがたいといった誤解が生じやすくなってしまいます

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出演情報

代表 高村が、NHK『ニュースウオッチ9』に出演し、世代間ギャップの現状と世代間ギャップ研修についてコメントしました。【登場者】代表取締役 高村 幸治(たかむら こうじ)【番組名】ニュースウォッチ9【内容】世代間ギャップについて[…]

NHK出演時映像

世代間ギャップが職場に与える影響

小さなズレや違和感が積み重なることで、職場の空気や組織の土台にも影響を与えてしまうことがあります。
心理的安全性やエンゲージメントの低下など、具体的な組織への影響を紹介します。

心理的安全性の低下

価値観の世代間ギャップが放置されると、チーム内に望ましくない緊張感が生まれ、心理的安全性が損なわれていく恐れがあります。

心理的安全性とは:
「どんな意見を言っても罰せられない。」と感じられる職場環境を作ること。
参考:ResearchGate「Psychological Safety, Trust, and Learning in Organizations: A Group-level Lens

例えば、上司が

上司

「最近の若手は何も言ってこない」

と感じている場合、若手は

若手

「何をどう言えばいいかわからない」
「指摘されたくない」
「どうせ理解してもらえない」

と不安や萎縮を隠している場合があります。
沈黙が続く原因は必ずしも意欲の欠如とは限りません。
すれ違いが続き、自分の思いを表現できないでいると、チームの雰囲気は徐々に閉塞的になり、意見が出にくく、変化に消極的な組織文化が定着してしまいがちです。
世代を問わず自分の意見が尊重される・否定されない土壌づくり=心理的安全性の確保が、エンゲージメントの向上やチームの成長には欠かせない要素だといえるでしょう。

モチベーションやエンゲージメントへの影響

世代間ギャップが原因で生じる小さなすれ違いが、積み重なって若手社員のモチベーション低下や早期離職を引き起こすことがあります。
例えば、上司が

上司

「あの若手はやる気がなさそう」

と感じている場合、実は若手は

若手

「どうがんばっていいかわからない」
「評価基準が見えない」

といった不安や不満を抱えていることも珍しくありません。
特に、成果を出しても適切に認められなかったり、過去のやり方を一方的に押し付けられたりすると、エンゲージメントは低下してしまいやすくなります。
モチベーションやエンゲージメントが下がることでチームの生産性低下や連携不足にもつながり、組織全体にとっての損失にもなりかねません

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世代間ギャップを「生かし合う」ヒント

ぜひ、世代間ギャップは埋めるものではなく、活かし合っていくものと考えてください。
違いを受け入れ、共に働くための工夫や姿勢について、すぐに実践できるヒントをご紹介します。

違いを知る・許容する姿勢を持つ

世代間ギャップを乗り越えるためには、まず価値観や考え方の違いがあることを前提に接するのが大切です。
相手の行動や言葉が理解できないと感じたとき、なぜそう考えるのか、発言にどのような背景があるのかと自身のなかで問い直すことで、自然と相手への理解が深まります。
例えば、

すぐに辞めてしまう若手に対して、「なぜ早期離職を選ぶのか」の理由や価値観にまず目を向ける

など、相手を否定するのではなく、まず理由や考え方を理解しようとする姿勢でいることが、上司自身の姿勢を柔軟にしていきますよ。
世代の違いを否定したり正解・不正解で判断したりせず、理解しようとする姿勢でいることこそが、世代間の信頼関係を築く土台になるのではないでしょうか。

共通言語・目標を設定する

世代が異なるメンバー同士が同じ方向を向いて働くためには、共通言語や共通の目的を持つことが有効です。
価値観や得意分野が違っても、「何のためにこの仕事をしているのか」、「このプロジェクトのゴールは何か」が明確であれば、お互いの視点を活かしながら協力しやすくなりますよ。
例えば、

スピードを重視する若手と丁寧さを重視するベテランが同じ業務を担う場合でも、「お客様にとって分かりやすく、信頼できる対応をする」という共通目標があれば、どちらの視点も欠かせないものとして尊重されるようになります。

個々の違いを活かしながら成果を生むには、まずは共通の目的を丁寧にすり合わせ、日々の業務にも浸透させていくことが大切ですよ。

対話の頻度と質を高める

世代間ギャップを埋めていくには、話し合う機会を意識的に増やすことが大切です。
とはいえ、単に面談やミーティングを増やせばよいというわけではありません。
大切なのは、対話の質です。
何を伝えるかだけでなく、どう受け取られたか、理解されたかを丁寧に確認し合うことが、誤解や感情のすれ違いを防ぐ鍵になりますよ。
上司は一方的に「伝えたつもり」にならず、

上司

「分かりづらかった部分あった?」
「どのあたりがイメージしにくかった?」

などの質問をぜひ投げかけてみてください。
自然な双方向のコミュニケーションが生まれやすくなります。
定期的な質の高い対話が、職場全体の心理的安全性を高める基盤となり、世代間ギャップを生かし合える組織へ導きますよ。

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まとめ

世代間ギャップは職場でしばしば問題として捉えられがちな問題です。
しかし、本当に問題なのは違いがあることそのものではなく、違いに気づかず、向き合わないまま放置し、摩擦やすれ違いを生んでしまうことではないでしょうか。

・世代ごとの価値観や働き方を知る・受け入れる
・共通言語・目標を設定する
・質の高い対話を重ねる

ことで、チームの心理的安全性が高まり、チームの一体感も増していきますよ。
結果として、組織全体の生産性の向上やエンゲージメントの向上にもつながるでしょう。
まず、身近なコミュニケーションを見直すことから始めてみてくださいね。

世代間ギャップは、埋めるのではなく活かし合うもの。

ぜひ、世代間ギャップを受け入れる視点を持つことで、組織に新たな可能性を吹き込んでくださいね。

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