
職場にはさまざまな世代が共存しています。
団塊世代、X世代、ミレニアル世代、そしてZ世代。
それぞれの世代が異なる価値観や、働き方のスタイルを持っていることは皆さんにもご想像いただきやすいでしょう。
世代が違えば、仕事へのモチベーションの維持や、やる気を向上させる方法も異なるものです。
上司の皆さんは、世代間ギャップを理解しそれに応じた対応を取ることが必要となります。
本記事では、モチベーション低下時の影響や各世代のモチベーションの源泉、モチベーションを引き出す具体的な方法を解説します。
この記事を読むことで、
・世代ごとの特性に合わせたアプローチ
・部下のモチベーションを高めるスキル
を身につけられますよ。
ぜひ最後までお読みいただき、組織力を向上させるヒントをつかんでください。
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モチベーション低下が組織に与える影響

従業員のモチベーションの低下が、組織に悪影響を与えるのはいうまでもありません。
モチベーションの低下を防ぐために、上司には部下一人ひとりに目を向け、それぞれに適したサポートを行うことが求められます。
従業員のモチベーション低下による組織への悪い影響のうち、よくある2点を紹介します。
コミュニケーション不足による心理的安全性の低下
モチベーションが低下すると、コミュニケーションの質も低下しやすくなります。
特に、世代間の価値観の違いが原因でストレスが生まれると、信頼関係が損なわれるケースが多いです。
その結果、部下が意見を言いづらくなり、部下の心理的安全性が確保されなくなってしまうのです。
心理的安全性
「どんな意見を言っても罰せられない。」と感じる職場環境を作ること。
参考:ResearchGate「Psychological Safety, Trust, and Learning in Organizations: A Group-level Lens」
心理的安全性の低下を防ぐためには、上司が部下と積極的にコミュニケーションをとり、部下の価値観や考えを尊重する姿勢を示すことが大切です。
上司が世代間の違いを理解し、それに基づいた柔軟なコミュニケーションを取ることは、部下が安心して働ける職場づくりの第一歩となります。
世代間ギャップとコミュニケーションについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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チームの生産性やパフォーマンスへの影響
モチベーションが低い状態が続くと、チーム全体の生産性に悪影響を及ぼすのはいうまでもありません。
意欲を失ったメンバーが増えると、以下のような問題が発生する可能性があります。
業務効率の低下
モチベーションが低いメンバーは、業務の優先順位を見失う傾向にあります。
その結果、無駄な作業が増えたり、重要なタスクが後回しにされることがあり、チーム全体の進行が遅れる原因にもなるのです。
コミュニケーションエラーの増加
モチベーションが低下した状態では、情報共有や連絡が不足し、誤解やミスが起きやすくなるものです。
プロジェクト全体のスムーズな進行が妨げられる可能性があります。
創造性や提案力の低下
モチベーションの低下は、チームの創造性にも悪い影響を与えます。
新しいアイデアや改善提案が出にくくなり、組織の競争力が低下するリスクもあります。
離職率の上昇
モチベーションが低下したメンバーが放置されていると、従業員は

「この職場では成長できない。」
と感じ、離職を考えるケースが増えてしまいます。
特にZ世代などの若い世代は、自分に合った環境を求めて早期に転職を検討する傾向が強いため、注意が必要です。
代表 高村が、NHK『ニュースウオッチ9』に出演し、世代間ギャップの現状と世代間ギャップ研修についてコメントしました。【登場者】代表取締役 高村 幸治(たかむら こうじ)【番組名】ニュースウォッチ9【内容】世代間ギャップについて[…]
各世代のモチベーションの源泉

各世代によってモチベーションの源泉は異なるものです。
上司の皆さんはそれぞれの世代にあわせたアプローチが重要です。
各世代の特徴についてはこちらの記事で紹介していますので、あわせてご参考くださいね。
「若手の考えが理解できない。」「気弱な若手とどう付き合えばいいかわからない。」こんなお悩みを、現場の管理職層の方からよく伺います。団塊の世代、X世代、ミレニアル世代、そしてZ世代といった異なる世代が同時に働いている[…]
団塊世代やX世代のモチベーション要因
団塊世代(1946-1964年頃の生まれ)やX世代(1965-1980年頃の生まれ)は、長期的な安定や組織への忠誠心がモチベーションの大きな要因となります。
この世代は「会社とともに成長する」という意識が強く、評価やポストといった要素が重要視されがちです。
また、努力や経験を重ねた結果が認められることが、仕事への意欲を高める傾向があります。
上司としては、この世代の価値観に配慮し、これまでの経験や努力を尊重するコミュニケーションを心がけると良いでしょう。
具体的には、成果を言及する際に

「さすが、長い経験とスキルが発揮されていますね。」
といった言葉を添えると効果的です。
ミレニアル世代(Y世代)のモチベーション要因
ミレニアル世代(Y世代・1981–1996年頃の生まれ)は、「仕事の意義」や「共感」を重視する傾向にあります。
この世代は、単なる業務ではなく、自分の仕事が社会や組織にどのように貢献しているのかを知りたがることが多いです。
また、フィードバックを求める姿勢が強く、成果が見える仕組みを好みます。
この世代のモチベーションを高めるには、具体的な数値とともに適切なフィードバックを行い、個人が組織に与える影響を明確に示すことが重要です。
たとえば、

「このグラフからわかるように、あなたのプロジェクトがチームの売り上げに●%も貢献したんですよ。」
というように、具体的なデータを共有することで、満足感とやりがいを提供できます。
Z世代の独自のモチベーション要因
Z世代(1997年頃以降生まれ)は、個人の成長や自己実現を強いモチベーションとして感じる傾向があります。
また、効率性やデジタルツールの活用に敏感で、スマートな働き方を好むことは、皆さんにもご想像いただきやすいでしょう。
さらに、対人競争よりも自分のペースで進められる環境を好む場面も多いです。
この世代に対しては、効率的に成果を上げられる方法や、個々のスキルアップにフォーカスしたサポートが有効です。
たとえば、業務の進め方について、最新のツールを活用してプロセスを改善する方法を提案することは、Z世代の部下の興味を引き出しやすくなりますよ。

「新しいツールがリリースされたの知っていますか?業務効率がアップすると思うので、試してみてもらえませんか?」
などの問いかけは、Z世代のモチベーションを引き出すのに大いに役立つでしょう。
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部下のモチベーションを引き出す具体策

上司にとって、部下のモチベーションを引き出すことは永遠の課題といえるでしょう。
部下のモチベーションを引き出すことができれば、チームの生産性や心理的安全性が向上するだけでなく、結果として離職率の低下にもつながります。
職場ですぐに実践できる具体的な方法を3点紹介します。
部下一人ひとりに合ったサポートを行う
世代間ギャップを乗り越え、部下のモチベーションを引き出すために、上司は部下をしっかり観察し、柔軟な対応を通じて部下一人ひとりに合ったサポートを行うことが重要です。
- 今、部下は何に悩んでいるのか。
- どんなアプローチを好むのか。
- フィードバックはどのタイミングだと仕事を進めやすいのか。
- どのコミュニケーションツールを好むのか。
などをしっかり観察し、コミュニケーションをとっていきましょう。
世代ごとの特徴を知っておくことはもちろん大切ですが、そればかりに囚われるのではなく、部下一人ひとりの特性や、現在の状況を考慮したアプローチを考えていきましょう。

「上司がしっかり自分を見てくれている!」
と部下が感じることができれば、部下のモチベーション向上につながるだけでなく、心理的安全性の確保が可能になりますよ。
チームとしての共通目標を設定する
世代間の違いを超えて、チーム全体のモチベーションを高めるためには、上司が共通の目標を設定し、その達成に向けたプロセスを共有することも不可欠です。
目標が全員にとって納得のいくものであれば、各メンバーの価値観や働き方の違いを超えた協力関係が生まれやすくなるでしょう。
ぜひプロジェクトの初期段階で、チーム全体に向け、具体的な目標と目標達成のために協力し合う姿勢を共有しましょう。
この際、目標達成が個々のメンバーにとってどのような意義を持つかを明確に伝えることも重要です。
さらに、目標に向けた進捗状況を定期的に確認し、チーム全体で達成感を共有することで、チームの一体感が高まりますよ。
進捗確認の際は、ぜひ取り組んだ従業員の名前と取り組みの素晴らしかった点を具体的に取り上げ、チーム全体と共有してみてくださいね。
柔軟な働き方を活用する
働き方改革やテクノロジーの進化により、多様な働き方を選べるようになった現代。
リモートワークやフレックスタイム制といった柔軟な働き方がもはや当たり前となっています。
特にミレニアル世代やZ世代などの若い世代にとっては、デジタルツールを活用した効率的な働き方は、モチベーション維持に直結するといえるでしょう。
Zoomなどのオンライン会議やプロジェクト管理ツールを活用して、チームのコミュニケーションをスムーズに保つことは、従業員のモチベーション維持の大前提となり得ますよ。また、フレックスタイム制の導入で、メンバーそれぞれのライフスタイルに合わせたスケジュールを許容することも大切です。
仕事と生活のバランスを取りやすくすることも、モチベーション向上に効果的なのは、いうまでもないでしょう。
従業員一人一人が働きやすい環境を選べることで、従業員の能力を最大限に発揮できる職場を作り上げることができますよ。
業務の内容や制度上難しい場合でも、ぜひ会社や人事部に掛け合ってみてください。

「上司が働きやすい環境をつくるために一生懸命動いてくれた!」
と、部下に思ってもらえるだけでも、部下のモチベーション向上の一助となりますよ。
まとめ:世代間ギャップを乗り越え、組織全体のモチベーションを高めるために
世代間の違いを理解し、それぞれの価値観に寄り添ったアプローチを取ることは、組織全体のモチベーション向上において欠かせない要素です。
各世代それぞれの特徴を把握しながら、一人ひとりに柔軟に対応することで、部下のモチベーションを高めることができますよ。
本記事でご紹介した具体策を実践することで、
・心理的安全性の向上
・生産性の向上
・チームの一体感の醸成
・離職率の低減
という嬉しい効果が期待できるでしょう。
部下一人ひとりにあわせたサポートを積み重ね、大きな成果の第一歩としていきましょう。
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