iWAM®︎基礎情報
本ページの内容は、iWAM®プロフェッショナルズのガイドラインに沿って作成しております。
認識スタイル:行動を決定づける無意識の「フィルター」

認識スタイルとは、人が情報を受け止め、判断し、最終的な行動に移るまでの無意識的な「フィルター」として働く傾向を指します。
これは、個人の優劣や性格、人間性を断定するものではありません。むしろ、同じ人間であっても、職場、家庭、学習などの状況(コンテクスト)によってその現れ方が柔軟に変わるのが特徴です。例えば、職場では目標達成を重視して行動する方が、家庭では協調性を重んじるといった変化は自然なことです。
この認識スタイルを理解することは、組織運営において極めて重要です。メンバー間の行動原理の「違い」を明確な強みとして尊重し、相互理解を深めることができます。結果として、コミュニケーションギャップを単なる摩擦として捉えるのではなく、多様な視点を持つための資源として活用できるようになり、組織内の対話と協働を戦略的に促進します。
コンテクスト(文脈):戦略的な人材配置の鍵

コンテクストとは、従業員の行動や態度が発揮される状況、環境、あるいは文化的背景を指します。同じ人物であっても、担当する仕事内容、所属部署、あるいは昇進による立場が変わることで、その認識スタイルや仕事への態度が変化することは少なくありません。
iWAM®は、主要な「職場」というコンテクストに焦点を当てて行動傾向を測定しますが、厳密には、場面ごとにアセスメントを実施することで、より精度の高い特徴把握が可能です。
人材を「文脈(コンテクスト)で見る」という視点は、適材適所の実現と、配置後の早期活躍を可能にする鍵となります。配置、育成、評価といった一連の人事サイクルにおいて、「どのコンテクストで、どの行動傾向が強く現れるか」を深く考慮することが、iWAM®を戦略的に活用し、組織パフォーマンスを最大化する上での最重要ポイントとなります。
影響言語:パフォーマンスを引き出す「響く言葉」

影響言語とは、人が無意識に反応し、自然と行動したくなる「響く言葉」の傾向を指します。同じ指示や表現であっても、ある従業員には強いエネルギーとして作用する一方で、別の方には不必要なプレッシャーとなり得ます。
例えば、「達成」「目標」「締切」といった言葉に強く動機づけられる人がいる一方で、「協力」「支え合い」「一緒に」といった言葉にこそ力が湧く人もいます。
マネジメントにおいて、相手の影響言語を正確に把握し、勇気づけ(アドラー心理学)と解決志向(ソリューションフォーカストアプローチ)の観点から言葉を選ぶことは極めて重要です。この言葉の選択一つで、指示やフィードバックの受け止められ方が劇的に変わります。その結果、業務の実行度と上司・部下の関係の質が同時に向上します。
影響言語を理解し戦略的に活用することで、対話やフィードバックの前向きな効果が最大化され、組織全体の信頼関係とエンゲージメント向上を期待できます。
スタンダードグループ:客観的なデータ比較による傾向把握

個人の特性を戦略的に位置づける基準
スタンダードグループは、iWAM®の受検結果を相対的に理解するための基準母集団です。各認識スタイルについて、受検者がどの位置にあるのかを示す「比較のものさし」として活用されます。
日本では、国内の多様な職種・年代の就業者データをもとに構築された「日本スタンダードグループ」を使用しています。これは、国際的な基準モデル(jobEQ社によるグローバルスタンダード)をもとに、日本の労働人口の傾向を反映するよう調整された比較基準です。
この基準の目的は、統計的な優劣をつけることではありません。個人の結果が「一般的な労働人口の傾向の中でどの位置にあるのか」を示すことで、自身の思考や動機づけの傾向を客観的に理解し、仕事における強みの活かし方を見つけることにあります。
また、採用や昇進の判断などに活用する際は、スタンダードグループに加えて、自社内のハイパフォーマー群(卓越モデル)との比較を行うことで、業務特性や期待成果に即した、より精度の高い分析が可能になります。

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