「帰っていいよ」が通じない?新人が安心して退勤できる職場のつくり方

新入社員が仕事を覚え、職場に馴染み始めると、組織としても働きやすい環境づくりに目を配る場面が増えてくるのではないでしょうか。
スムーズな定着を図るために、業務の進め方や人間関係、評価の仕組みなどに配慮されている企業も多いことでしょう。
一方で、意外と見過ごされがちなのが、新人が安心して退勤できる空気があるかどうかです。
業務が終了し、「今日はもう上がっていいよ」と声をかけたにもかかわらず、新人が帰る様子を見せない光景に、覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。
新人が帰りたくても帰れない場面には、言葉ではない「空気」が大きく影響していることがあります。
今回は、新人が安心して帰宅できる職場づくりの工夫についてご紹介します。

「帰っていいよ」だけでは帰れない理由

新人社員が、「帰っていいよ」と言われたにもかかわらず、職場にとどまり続けていることがありますね。
背景には、

新入社員

「自分以外の誰も帰っていない」
「忙しそうな人がたくさんいる」
「空気を乱したくない」

などの心理があることは、皆様にもご想像いただきやすいでしょう。
特に新入社員は、まだ職場における暗黙のルールや力関係、優先順位の感覚を把握しきれていないこともあり、自分の判断で動いてよいかどうかに強い不安を抱えているケースが多いものです。
たとえ上司から「もう帰って大丈夫」と言われても、「本当に帰っていいのか」「迷惑にならないか」などの思いが勝り、行動に移せないのです。
帰っていいよと言われたけど帰れない気持ちは、いわば職場に漂う同調圧力の一種であり、組織の雰囲気がもたらす無言のメッセージでもあります。

若手ほど「空気を乱さないこと」に敏感である

若手社員、とりわけ入社1年目の新人は、自らのパフォーマンスを示すこと以上に、チームに馴染むことや空気を読むことにエネルギーを使っているケースが多いです。
空気を乱さないことが評価されるのではないかという思い込みや、自分だけ帰るのは申し訳ないなどの遠慮が、行動のブレーキになっているのです。
しかし、帰れるのに帰らないのが常態化してしまうと、新人の中に「残業することが当然」「定時退社は気まずい」といった誤った認識が刷り込まれてしまう恐れもあります。
結果として、必要のない残業が生まれたり、モチベーションの低下、さらには早期離職の要因になってしまうことも考えられ、注意が必要です。
だからこそ、上司や先輩には意識的に「帰れる空気をつくる」ことが求められるのです。

安心して帰れる空気をつくる3つの工夫

新人が気兼ねなく「お先に失礼します!」と言える空気を育むために、上司や先輩に意識していただきたい3つの工夫をご紹介します。

1.言葉での承認を伝える

単に「帰っていいよ」と言うだけでなく、

上司

「今日はもう十分ですよ、ありがとう!」
「助かりました!」

といった一言を添えることで、本人の努力が認められているという安心感につながります。
承認の言葉は、指示ではなく信頼の証として受け取られるため、新人自信にもつながりやすいですよ。

2.行動で見せる

上司

「じゃあ、私もそろそろ上がります!」

といったように、上司自らも退勤の動きを見せることで、新人も自然とその流れに乗ることができます。
行動で見せることは、言葉以上に帰っても大丈夫という雰囲気を作るのに効果的な手法です。

3.事前に方針を伝える

週の初めに

上司

「金曜日は定時で帰りましょう!」

といった方針を週の初めに共有しておくことで、今日は帰ってもいいという安心材料になります。
宣言によって空気を事前に整えることで、その場の判断に迷わずに済みますよ。

おわりに

ワークライフバランスやタイムパフォーマンスを重視する昨今の若手世代。
新入社員の早期戦力化や定着を支えるうえで、「安心して帰れるかどうか」の視点は、案外見落とされがちといえるでしょう。
帰りづらい空気は、新入社員本人の疲労やストレスに直結するだけでなく、組織の生産性やエンゲージメントにも影響を与える可能性があります。
「帰っていいよ」と声をかけるだけでなく、言葉がしっかり伝わるような行動や配慮を重ねること。
新人が職場で自分のペースを築いていくためには、そうした“空気づくり”こそが重要な土台になるのではないでしょうか。

上司や先輩の小さな一言と行動が、新人の安心感と信頼感を育てていきます。

まずは、週に一度でも定時で帰っていい空気をつくることから、始めてみてくださいね。

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