褒めて育てる?叱って育てる?―部下指導に必要な個別最適のマネジメントとは

部下は褒めて育てるべきか、それとも叱って育てるべきか。
人材育成に関わる方であれば、一度は考えたことのあるテーマではないでしょうか。

また、若手社員から「私、褒められて伸びるタイプなんです」といった声を耳にしたことがある方も多いかもしれません。
思わず「それは自分で決めることなのか?」と感じる場面もあるかもしれませんね。
いったんその感情は脇に置いておき、本記事では褒める・叱るという2つの関わり方において、どのようなバランスが望ましいのかと、意識すべき個別最適のマネジメントについてを解説します。
部下の育成において管理職が注意すべき点を、改めて考えていきましょう。

「ゴットマン比率」が示す褒めと叱りの最適比

まずご紹介したいのは、ゴットマン比率と呼ばれる有名な研究です。

ゴットマン比率とは:
アメリカの心理学者ジョン・ゴットマン氏による研究では、良好な人間関係を維持するためには、ポジティブな関わりとネガティブな関わりの比率が「5:1」であることが望ましいとされている。
ビジネスシーンにおける上司と部下の関係では「褒める4:叱る1」が適切であるとされる。
参考:ResearchGate「Marital Processes Predictive of Later Dissolution

つまり、部下に1回指摘や叱責をするのであれば、それを補うように4回はポジティブな声かけを意識する必要があるのです。
上司と部下における信頼関係の維持やモチベーションの向上のためには、4:1の比率をぜひ覚えておいてください。

部下によって響くマネジメントは異なる

上司が1回ネガティブな関わりをした場合、4回ポジティブな関わりをすることが、信頼関係の維持には大切であるとご説明しました。
しかし、部下は当然ながら一人ひとりが別の価値観やバックグラウンドをもっています
画一的なコミュニケーションが全ての部下に通用するとは限りません
4:1という比率にこだわりすぎることには、注意が必要です。
モチベーションのスイッチ一つをとっても、

ある部下は

部下

「うまくいっているところを認めてもらうことで、さらに頑張ろうと思える」

と言います。
一方で別の部下は、

部下

「課題点を明確に伝えてもらえた方がやる気が出る」

と感じているかもしれません。

どちらが正しいという話ではなく、人によって響くマネジメントや関わり方が異なる、ということを上司は前提として持っておく必要があるのです。

個別最適の時代に求められるマネジメント

ゴットマン比率の「4:1」は一定の目安にはなるものの、すべての部下に当てはまる正解ではありません。
マネジメント層が直面しているのは、年齢、価値観、働く目的、さらには家庭環境やキャリア志向までが大きく異なる、多様な人材が混在する時代です。
多彩な人材が職場にいることは強みになる一方で、従来のような「全員に同じ指導を行う」というスタイルのマネジメントは、限界を迎えつつあるといえるでしょう。
例えば

ある部下は、ポジティブなフィードバックによって自己効力感を高め、挑戦的な業務に意欲的に取り組むようになるかもしれません。
一方で別の部下は、「何ができていないのか」や、「どこを改善すべきなのか」を明確に伝えられることで、自ら課題に向き合い、着実にスキルを高めていくタイプかもしれません。

一人ひとりが異なる成長のスイッチを持っていると考えると、上司はそれぞれの部下の特性を丁寧に見極める視点が不可欠となります。

部下の特性を見極めた上で行うマネジメントこそが、近年話題の個別最適化されたマネジメントです。マネジメントの質を「公平性」ではなく「適切性」で捉える考え方です。
全員に同じ対応をするのではなく、それぞれの部下にとって最も効果的なアプローチを選び取りましょう。
言い換えれば、「全員を同じように見る」のではなく、「一人ひとりに合わせて関わる」ことが、これからの組織運営に求められているのです。

個別最適化されたマネジメントの実践には、当然ながら時間も手間もかかります。
しかし、この手間をかけるという行為そのものが、部下に対する信頼と関心の表れとして伝わり、結果的にエンゲージメントの向上や離職率の低下などの、組織全体の成果にもつながっていくのではないでしょうか。

おわりに―部下の特性を見極め、柔軟なマネジメントを

人材育成においては、褒めるべきか・叱るべきかといった二元論に陥るのではなく、ぜひ「相手に合わせてどのように関わるべきか」を軸に置いてみてください。
人を育てるという営みは、一見遠回りに見えて、実は最も効果的な投資であるとも言えます。

マネジメントをする立場として、VUCAとよばれる現代こそ、個に寄り添う視点を大切にした関わり方が求められているのではないでしょうか。

日々の関わりの中で、部下の変化や反応に耳を澄ませながら、よりよい関係性を築いていきましょう。

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