なぜ“心理的安全性”が新人育成に効く?安心して学べる職場環境の作り方

なぜ“心理的安全性”が新人育成に効く?安心して学べる職場環境の作り方

新入社員などの新人育成の現場において、「心理的安全性」の高い職場環境づくりが注目されています。
心理的安全性の高さは、新人の成長スピードや定着率に大きな影響を与えることが研究で明らかになっていることをご存じでしょうか。
この記事では、心理的安全性が新人育成にもたらす効果と、それを高める方法の具体例や注意点を解説します。

心理的安全性の高い職場を目指すことで、

・挑戦する人材が育つ
・コミュニケーションが活発になる
・新人の定着率アップ

などのメリットが得られます。ぜひ最後までお読みください。

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心理的安全性を高める重要性

なぜ“心理的安全性”が新人育成に効く?安心して学べる職場環境の作り方

新入社員が成長するためには、指導者からのサポートはもちろんのこと、「心理的安全性」の高い職場環境が欠かせません。
心理的安全性とは、他人の目を気にせず、自分の考えや意見を自由に表現できる環境のことを指します。

心理学者エイミー・エドモンドソンの研究によれば、心理的安全性が高い職場では、社員が自ら積極的に意見を発し、チームの成長に寄与しやすいとされています。特に新人の育成において、この心理的安全性がもたらす成長スピードは見逃せません。

参考:ResearchGate「Psychological Safety, Trust, and Learning in Organizations: A Group-level Lens

心理的安全性が新人育成に与える3つの効果

なぜ“心理的安全性”が新人育成に効く?安心して学べる職場環境の作り方

心理的安全性はどのように新人育成に影響を与えるのでしょうか。
企業に安心して学び働ける環境が整うと、さまざまなよい効果がもたらされます。
重視すべきは、ここで紹介する3つの効果です。新人だからこそ大切な、心理的安全性を確保する意義を知っておきましょう。

1.失敗を恐れずに挑戦できる姿勢が育つ

心理的安全性が高い職場では、新人が「失敗しても責められない」と感じられるため、自然と新しい挑戦への意欲が高まります
失敗を恐れずに挑戦することで、業務に関する知識やスキルが効率的に習得され、早期戦力化が実現しやすくなるでしょう。失敗を恐れず学べる環境は、仕事への満足度と成長速度を後押しすることは皆さんも想像しやすいのではないでしょうか。

このような環境下で、新人はただ「できることを増やす」だけでなく、業務への積極的な姿勢を培えるのです。この積極的な姿勢は、初期段階だけでなく、将来的なリーダーシップの発揮にもつながるでしょう。

2.コミュニケーションが活発になり、チームとしての自己効力感が高まる

心理的安全性が高い環境では、チームメンバーが自由に意見を出し合いやすくなり、チームとしての自己効力感が高まります。
「このチームなら大丈夫」「この先輩と一緒なら安心して頑張れる」と新人が感じることで、チーム全体の一体感が増し、コミュニケーションが円滑に行われるようになります。

自己効力感とは
目標を達成するための能力を持っていると自ら認識すること。「うまくいく」「自分ならできる」と思える認知状態を指す。

社会心理学者アルバート・バンデューラの「自己効力感」の理論によると、個人が「自分はできる」と感じることも大切ですが、「自分たちならできる」と感じるチームとしての自己効力感が、実際のパフォーマンスをより引き出すとされています。エナジーソースの育成アプローチでは、このチームとしての自己効力感を高めることに重点を置き、単独ではなくチーム全体で新人をサポートする体制を重視しています

参考:ResearchGate「Self-efficacy: Toward a Unifying Theory of Behavioral Change

3.エンゲージメントが高まり、新人の定着率が向上する

職場に対するエンゲージメントが高い社員ほど、職場に長く留まり、成長する意欲が強くなります。
心理的安全性が高い環境は、新人にとって「自分の居場所がある」と感じられる場であり、結果としてエンゲージメント向上が期待できます。
新人が安心して働ける環境は、「自分もこの会社で長く働きたい」という意欲を引き出し、早期離職の防止につながるのです。

Google社が行った「チームの生産性についての調査結果」によれば、心理的安全性が低い職場では、エンゲージメントが低下し、社員の離職率が高くなる傾向があります。

一方、エンゲージメントが高い職場では、定着率が向上し、新人が主体的に職場に貢献するようになります。このように心理的安全性が高い環境は、新人の定着を促し、組織全体の安定にも寄与するのです。

参考:Google re:Work「ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る

心理的安全性を育むために企業ができること

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職場における新人の心理的安全性の確立には、上司や先輩社員の関わり方が大きな役割を果たします
新人が安心して意見を述べ、ミスを恐れず挑戦できる場を作るためには、上司や先輩社員の「指導者としてのスキル」を磨くことが重要です。
具体例として、アドラー心理学の「共同体感覚」を意識することも効果的です。アドラー心理学によると、人は他者との協力関係の中で自分の価値を実感するため、チームに貢献していると感じることでモチベーションが高まります。

共同体感覚とは
家族・地域・職場などの中で「自分はその一員だ」「つながっている」という感覚のこと。アドラーは、共同体感覚を持つと人は幸せを感じ、その感覚は意識的に養なう必要があるとしている。

大切なのは、上司が一方的に指示を出すのではなく、新人の話に耳を傾け、相手の意見を尊重する姿勢を持つことです。こうした関わり方は、新人に「自分の意見も大切にされている」と感じさせ、チームの中で「自分は必要な存在だ」と実感させます。
心理的安全性が育まれた職場では、上司と新人の信頼関係が深まり、新人が積極的な発言や行動をしやすくなるのです。

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企業が新人育成を失敗しないための注意点

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心理的安全性を高める際は、企業が陥りやすいいくつかの落とし穴に注意が必要です。

例えば、

・新人に過度な期待をかけすぎる
・ミスに対して厳しく対応する

といった対応は逆効果です。

未経験から学ぶ途中にある新人にとって、成長過程における試行錯誤は不可欠です。もし、ミスを厳しく追及してしまうと、新人は発言や行動を控えるようになり、本来の成長が妨げられるかもしれません。
適度な失敗を許容し、成長のための場を与えることが、心理的安全性を高めるための第一歩です。

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心理的安全性を育む新人研修でさらなる成長を実現

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心理的安全性を支える企業文化を築き、安心して学べる環境を整えるには、指導者と新人双方の成長が欠かせません。
上司などの指導者が新人との関わり方を学び、チームの結束を強めるためには、Bizプロ®マネジメント研修が効果的です。研修を通じて、指導者は新人の心理的安全性を支える関わり方を習得するため、新人が早期に職場で力を発揮できるようになります。

一方で、新人自身が実践的な学びを得るには、エナジーソースが提供する新入社員研修が最適です。心理的安全性の確保とともに、チームで協力しながら成長する場を提供するこの研修で、新人は早期に職場に馴染み、自らの力を最大限に発揮できるようになるでしょう。

心理的安全性が備わった環境は、新人だけでなく企業全体の成長も促進します。安心して学び、積極的に行動できる場を整え、企業の未来を担う人材を育成しませんか?

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まとめ

企業が新人育成に取り組むにあたって、心理的安全性の重要性を知ることは重要です。

心理的安全性を確保すると、

失敗を恐れずに挑戦できる姿勢が育つ
コミュニケーションが活発になり、チームとしての自己効力感が高まる
エンゲージメントが高まり、新人の定着率が向上する

といたメリットが得られます。

心理的安全性を効果的に高めるには、指導者と新人の双方に適切な教育を実施することが必要です。

安心して学び、成長できる職場環境の実現を目指して、正しい手段と知識をもって心理的安全性の向上を図りましょう。

エナジーソースでは企業の心理的安全性向上につながる研修を実施しています。
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「心理的安全性の重要性を改めて実感しました。特に印象的だったのは、新人が失敗を恐れずに挑戦できる環境作りの大切さです。以前は新人の些細なミスにも厳しく指導していましたが、研修後は『失敗から学ぶ機会』として前向きに捉えられるようになりました。実際に、新人たちから積極的な意見が出るようになり、チーム全体の雰囲気も明るくなってきています。」

などの喜びの声を多数いただいています。

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