
日々の業務の中で、「なぜ失敗したのか」を分析する場面は多いものです。
しかし、「なぜ成功したのか」を振り返る機会は意外と少ないのではないでしょうか。
失敗から学ぶことはもちろん重要ですが、成功の理由を掘り下げ、再現可能な形でチームに共有することは、組織力を高めるうえで欠かせません。
部下が何かに成功した際、上司が成功の理由を整理し、チームに共有することは部下の成長にもつながります。
本記事では、成功体験の振り返りと再現性のあるフィードバックの重要性について解説します。ぜひ最後までお読みください。
成功の理由を掘り下げる重要性

失敗に比べ、成功したときの振り返りはどうしても軽視されがちです。
失敗は目に見えて痛みを伴うため、その理由を明確にしようとする意識が働きやすいものです。
一方、成功は結果として満足感を得られるため、「なぜうまくいったのか」の分析が後回しになることが多いのです。
しかし、成功には必ず理由があります。
成功の理由を正確に把握し、再現可能な形で組織全体に共有することで、次の成功を生む土台が築かれますよ。
特に、部下が「なぜうまくいったのかわからない。」、「たまたまうまくいった。」などと感じている場合は上司の出番です。
上司が観察し、フィードバックを提供することで、その成功体験が再現性のある「シナリオ」へと変わっていくのです。
上司が果たすべき役割
成功体験を効果的に活用するためには、上司の役割が非常に重要です。
上司が部下の行動を適切に観察し、成功の要因を明確に伝えることで、部下のスキルが向上し、チーム全体のパフォーマンスが高まりますよ。
上司が取るべき具体的な行動を紹介します。
1.観察する
上司は部下の行動や、プロジェクトの進行を日々観察する必要があります。
特に成功時の行動をよく見て、どのような取り組みが功を奏したのかを把握し、部下に分かりやすい言葉で伝える準備をしましょう。
2. フィードバックを提供する
成功要因を明確にし、部下に伝わる言葉でフィードバックを行いましょう。
たとえば、

「優先順位を整理し、役割分担を明確にしたことで、このプロジェクトがスムーズに進んだんだよ。」
などという、具体的な指摘を行うことで、部下は成功の理由を認識しやすくなりますよ。
3. 再現可能なシナリオを構築する
フィードバックを通じて、「こうすれば成功する」というシナリオを部下に共有します。
成功のシナリオの共有を繰り返していくことで、部下は同じケースが起きた際に再現することができるようになってきます。
部下の中に再現可能な成功のシナリオが積み重なることは、部下に自己成長につながるでしょう。
そして同時に

「上司はいつも自分を見守っていてくれる。」
という安心感につながり、心理的安全性が向上します。
心理的安全性
「どんな意見を言っても罰せられない」と感じる職場環境を作ること。
Google社の「プロジェクト・アリストテレス(Team Aristotle)」の調査によると、チームの生産性のためには「心理的安全性」の確保が重要であることがわかった。
上司が部下とともに成功を振り返るメリット

上司が部下の成功体験を振り返り、再現性のある形で共有することは、組織全体に多くのメリットをもたらします。
部下のスキルの向上
部下が成功のプロセスを理解することで、同様の状況で適切な行動を取れるようになります。
部下のモチベーションの向上
成功の理由を認識することで、自信が高まり、次の挑戦への意欲が湧きます。
また、部下の心理的安全性が向上することで仕事へのモチベーション向上にもつながりやすくなります。
チーム全体の成長
成功のプロセスが組織全体に共有されることで、チーム全体が学び、成長する機会が増えます。
まとめ:成功体験を未来の成果につなげるために
成功体験を振り返り、再現性のある形で共有することは、組織の成長において欠かせない取り組みです。
特に、上司が部下の行動を観察し、具体的なフィードバックを提供することは、個人とチームの両方の成長を支える重要な役割を果たしますよ。
「成功を再現する」という意識日々の業務でもつことで、組織は持続的に成長し続けることができるでしょう。
ぜひこれをきっかけに、成功体験の振り返りを取り入れてみてくださいね。
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