1on1で本音を話さない部下|じっくり考えるスタイルの人材を活かす面談術

部下との1on1面談で

管理職

「何か困っていることはありますか?」

と問いかけても、部下の

部下

「特にありません」

との回答で終了してしまう。そんな経験はないでしょうか。
実は、優秀な部下ほど1on1の場で本音を語らない傾向があるといわれています。
部下たちが沈黙する理由は、決して意欲がないからではありません。じっくり考えてから話したいという思考スタイルが関係しているのです。
本記事では、じっくり考えたいタイプの部下の「考える力」を引き出し、面談の質を3倍に高める方法を紹介します。
最後まで読んでいただければ、1on1が「ただの報告会」から「創造的な対話の場」に変わるヒントが得られますよ。

沈黙する部下は「考えている最中」

1on1で沈黙が続くと、つい

管理職

「コミュニケーションが苦手なのか」

と感じてしまいがちです。
しかし、静かな環境で一人集中して働くことを好む人材は、「話しながら考える」よりも「考えを整理してから話す」ことに安心感を覚える傾向があるのです。
集中して考えることを好むタイプの人材にとって、リアルタイムで質問される面談は、
考える時間と話す時間が同時に求められるため、思考が追いつきにくいケースがあります。

そこで、じっくり考えることを好む部下に有効なのが、一人で考える時間をあえて面談の中に組み込む、「サイレントタイム」の導入です。

サイレントタイム:
面談の最初の5分をお互いに話したいテーマをメモに書き出し、メモをもとに1on1面談を進める

面談の冒頭に数分サイレントタイムを導入するだけでも、言葉に深みのある対話が生まれやすくなりますよ。
また、書くことで思考を可視化できるのと同様に、マインドマップやメモツールを使って整理してもらうのも効果的です。
「沈黙=何もない」ではなく、「沈黙=考えている最中」と理解し、少しずつ対話をすすめていくことが、効果的な面談の第一歩となります。

静かな環境で集中する傾向が強い人の「じっくり考える力」を活かすには
・考える時間と話す時間を分離する
・メモツールなどで思考を可視化する
・段階的に対話へ移行する

事前準備型1on1で、面談の密度を3倍に

1on1がうまくいかない大きな理由の一つに、「その場しのぎの会話」に終始してしまうことがあります。
じっくり思考するタイプの部下にとって、即興で答えるのは難しいケースが多いのです。
そこで、ぜひ事前にアジェンダを共有し、話したい内容を知らせてみてください。
部下の事前準備を促すのです。面談の質が格段に上がりますよ。

事前準備型1on1の一例:
・面談の2〜3日前にアジェンダを共有しておく
・「リフレクションシート(振り返りシート)」を添え、考えを整理するための質問を渡しておく
例)「今月うまくいったことはなんですか?」、「課題に感じている点はありますか?」、「改善のために試したいことはありますか?」など

「強制的に書かせる」のではなく、「もし考えたいテーマがあれば活用してください」と柔らかく伝えることがポイントです。
また、面談の前日などにちょっとした会話を行い、翌日の1on1について話題しておくことも有効でしょう。(プレ面談
考える時間を事前に与えるだけで、面談当日は短時間でも内容の濃い議論ができるようになります。

事前準備型1on1のポイント:
・3日前のアジェンダ共有
・リフレクションシートの活用
・さりげないプレ面談の活用

非同期コミュニケーションで「本音を引き出す」

近年、多くの企業でリアルタイムで話すのではなく、メールやチャットなどでやり取りする「非同期コミュニケーション」を活用する動きが広がっています。
リアルタイムの会話よりも、文書でのやり取りの方が思考を整理しやすいため、静かな環境で集中して働くタイプの人材にとっては、より自然に自分の考えを表現できるのです。

例えば、

・月に1回「メール面談」を行い、上司が質問を送って部下にじっくり考えてもらう
・GoogleドキュメントやNotionなどのツールでドキュメントの共同編集をし、お互いにコメントを付けながら意見を交わす

方法もあります。
こうした非同期の対話を経てから、対面面談でフォローアップするような「ハイブリッド型1on1」では、表面的な会話では見えなかった本音やアイデアを引き出しやすくなりますよ。

非同期コミュニケーションを活用した面談のポイント:
・あらかじめメールなどで深い議論を行う
・共同編集での思考の可視化
・非同期と同期を組み合わせる

まとめ:全員の力を活かせる組織へ

1on1で本音を引き出すには、「すぐ答えを出させる」よりも「考える余白を与える」ことが効果的です。

・面談に「サイレントタイム」を設けて、考える時間を確保する
・事前にアジェンダや質問シートを共有して、思考の準備を促す
・メールやチャットなどの非同期コミュニケーションで、文書での深い対話を行う

ことを実践することで、特にじっくり考えるタイプ部下は安心して自分の考えを言語化できるようになりますよ。
面談の質は飛躍的にアップしていくでしょう。
少しの工夫を重ね、1on1を「ただの報告会」から「創造的な対話の場」に昇華させていきましょう。

どんな人材のことも尊重し、力を発揮できる環境を育むことこそが、多様な人材が活躍できる組織をつくる第一歩になるのではないでしょうか。


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