

「営業成績トップで表彰された人材が、翌月から急に意欲を失った。なぜなのか。」
急に意欲を失った部下の存在に、疑問を持つ方は少なくないでしょう。
組織の成果を高めるために不可欠なものの一つが「承認」です。
しかし、従来の多くの企業が導入してきた個人表彰制度は、必ずしもすべての人材にとってモチベーションの源泉になるとは限りません。
むしろ優秀な人材ほど

「自分だけ評価されても素直に喜べない」
と感じ、かえってパフォーマンスが落ちる場合さえあります。
本記事では、個人の成功よりも「みんなで達成した喜び」を重視する人材の心理をひもとき、チーム全体のエンゲージメントを高める新しい評価・承認の在り方を考察します。
最後までお読みいただくことで、人材一人ひとりの強みを活かし、組織力を最大化する具体的な方法が見えてきますよ。
ぜひ最後までお読みください。
「みんなで喜びたい」人材の心理メカニズム
表彰されるような優秀な人材が、あるときから突然意欲を失うことは珍しくありません。
実は、原因は「自分だけが評価されることへの後ろめたさ」にあるのです。
人にはさまざまな思考スタイルがありますが、多くの人材は「仲間と協働し人に囲まれた環境で力を発揮する傾向」を持っています。
仲間と協働したい人材にとって、

「成功はみんなで分かち合うもの」
であり、自分だけが脚光を浴びることはむしろ居心地の悪さにつながるのです。
「一緒に」「私たちで」「チームとして」といった言葉を大切にする人材のモチベーションを高めるためには、個人表彰ではなくチームで成果を祝う仕組みが効果的です。
チーム貢献を可視化する評価制度
チーム全体を評価するといっても「誰がどれだけ貢献したのか」をどう把握すればよいのかと悩む管理職の方は多いでしょう。
ここで陥りやすいのが「測りやすい成果だけを評価する」罠です。
売上や契約件数は数値化しやすい一方で、情報共有、後輩育成、チームの雰囲気づくりといった活動は見えにくく、評価から漏れてしまいがちです。
チーム貢献が評価対象から漏れてしまうことを防ぐ方法として注目されているのが「360度貢献度評価」です。
評価される人材の上司だけでなく、同僚や後輩からもフィードバックを集めることで、普段は数値に現れにくい貢献を可視化するのです。具体的には、
360度貢献度評価
・助けてもらった仲間に感謝を伝える「ピアボーナス制度」
・契約を取った本人だけでなく裏方を支えた人材も評価対象とする「アシストポイント」
・「このチームで働き続けたいか」を定期的に測る「チームヘルスチェック」
360度貢献度評価を導入することで、陰の功労者が正当に評価され、助け合いが自然に増える組織風土を醸成することができますよ。
グループインセンティブで組織力を最大化
チーム貢献の評価をさらに一歩進めるために、報酬制度自体を「個人」と「チーム」の両面から設計することもおすすめです。
個人成果主義だけに偏ると、人材同士が情報を隠し合うようなゼロサム的な状況が生まれてしまいかねません。結果的に顧客への最適提案さえ阻害してしまうケースもあります。
人材同士の摩擦を防ぎ、チーム全体で伸ばし合う組織に導くために、「ハイブリッド型インセンティブ」が有効です。
ハイブリッド型インセンティブ
報酬の配分を「個人成果50%、チーム成果30%、全社成果20%」とする。
さらにチーム全体で目標を達成した際には「ボーナスプール」を設け、分配方法をチーム自身に決めさせる。
などが効果的です。
さらに、他部門の案件をサポートした場合に双方の部門に報酬を支払う「クロスセリング報酬」を導入すれば、部門間の壁を越えた協力も促進されます。
実際に金融業界やIT業界で、「クロスセリング報酬」を取り入れた企業では部門連携が大幅に増え、顧客満足度が向上した事例が報告されています。
まとめ──承認の形を変えて組織力を最大化する
「みんなで喜びたい」と感じる人材はどの組織にもいるものです。
評価や承認の形を変えていくことで、各人のモチベーションのアップにつながり、チームのエンゲージメントは大きく飛躍していきますよ。
1.多くの人材は「みんなで達成した喜び」を重視しており、個人表彰だけではモチベーションが高まりにくい。
2.「360度評価」を活用すれば、見えにくい貢献を可視化できる。
3.「ハイブリッド型インセンティブ」を導入することで、個人の努力とチーム全体の成果が調和し、組織力が最大化される。
ぜひ、覚えておいてくださいね。
承認の仕組みを個人中心からチーム中心へと拡張することで、優秀な人材が安心して力を発揮できる環境が整い、組織全体の結束力と生産性が飛躍的に向上します。
まずは次回のチームミーティングで「最近、誰に助けてもらった?」と、一言を投げかけてみてください。
その小さな問いかけから、組織を大きく変える第一歩が始まるかもしれません。
エナジーソースでは、組織の成長を支援しています。部下育成にお悩みの方や組織改善を目指している方は、どうぞお気軽にご相談くださいね。