企業の成長は人材育成にかかっていると言っても過言ではありません。
中でも部下育成は、組織の未来を担う人材を形作る重要なプロセスです。
しかし、できる上司の方の中には「自分が成功してきた方法が部下にはなぜ通用しないのか」という課題感を持つ方もいらっしゃいます。
成功体験があるからこそ自信を持って指導する一方で、それが行き詰まりを感じさせる場面も少なくありません。
この記事では、部下育成の基本的な考え方と、部下をしっかり育成するためのヒントを詳しく解説します。
・部下と自分の違いを認める
・部下それぞれに合わせた柔軟なアプローチを取り入れる
ことが重要です。
ぜひ最後までお読みください。
過去の成功体験が育成の壁になる理由
経営幹部や上司層の多くは、数々の困難を乗り越え、成功を収めてきたプロフェッショナルです。
その経験に裏打ちされた「自分はこの方法で成功した」という信念は、他者を指導する際の大きな強みである一方で、それが育成の壁になる場合もあるのです。
「自分のやり方は正しい。」
「自分はこの方法で自分は結果を出してきた。」
いう考え方から、部下にも同じ方法を押し付けてしまうことがあります。
しかし、ここで見過ごされがちなのが、部下と自分が「異なる存在」であるという事実です。
リーダーシップスタイルひとつをとっても、全ての部下が同じ手法でモチベーションを高められるわけではありません。
ある部下には直接的な指示が有効である一方で、別の部下には自主性を尊重した支援型のアプローチが求められる場合もありますよね。
自分と部下との違いや、部下一人ひとりのを理解せずに画一的な指導を続けると、部下の成長を妨げる可能性があります。
部下と自分の違いを理解する
部下と上司が異なる価値観や行動特性を持つことは自然なことです。
心理学や行動科学の研究でも、一人ひとりが異なる目標や動機付け要因を持つことが示されています。
上司が部下の価値観や行動特性を理解する第一歩として、以下のステップをおすすめします。
観察を通じて部下の特性を把握する
部下がどのような状況で能力を発揮するのか、どのようなサポートが必要なのかを観察することで、適切な指導方法が見えてきます。
部下との対話を大切にする
部下の目標やキャリアビジョンを直接聞き出すことが重要です。この対話を通じて、部下が求める成長方向や価値観を具体的に把握します。
柔軟性のある指導を試みる
画一的な方法ではなく、部下ごとに異なるアプローチを模索することで、より効果的な育成が可能になります。
上司の固定観念がもたらすリスク
「自分が育ってきた環境が正しい」と信じるあまり、部下に自分のやり方を強要することは、大きなリスクを伴います。
部下がストレスを感じたり、モチベーションを失ったりする原因になり得るのです。
エイミー・エドモンドソンにより提唱された心理的安全性という概念は多くの方がご存知でしょう。
心理的安全性:
個人が失敗や批判を恐れずに意見を発信できる環境のこと。
心理的安全性が損なわれた職場では、従業員は自由に行動することが難しくなり、生産性が低下する可能性がある。
参考:心理的安全性とは | リクルートマネジメントソリューションズ
上司が固定観念を押し付けることで、部下の心理的安全性が損なわれることも少なくありません。
部下育成に必要な柔軟性
部下育成を成功させるためには、柔軟性が欠かせません。
部下に自身の考えを押し付けるのではなく、部下それぞれに合わせたアプローチを続けていきましょう。
それは、上司自身が自らの固定観念を問い直し、成長し続ける姿勢を持つことでもありますよ。
そして、部下一人ひとりの特性に合わせた育成を行うことは、個人の成長だけでなく、チーム全体の連携力や成果の向上につながります。
ぜひチームのためにも、柔軟な部下育成を心がけていきましょう。
まとめ
部下育成は上司にとっても挑戦の連続となるでしょう。
しかし、部下を育成する際に得られる成果は、組織全体にとって大きな価値をもたらします。
違いを認め、多様なアプローチを取り入れることで、部下が最大限に能力を発揮できる環境を作り出せますよ。
私たち株式会社エナジーソースでは、部下育成や組織の成長を支援しています。
部下育成にお悩みの方や組織改善を目指している方は、ぜひお気軽にご相談ください。