ホールパート法の基本と活用術| プレゼンテーション成功の鍵

ビジネスの現場では、限られた時間で要点を明確に伝えるプレゼンテーションが求められます。
しかし、発表後に「結局何が言いたいのかわからなかった」と指摘されてしまうケースも少なくありません。
その一因として、話の構成が不十分で重要な結論が埋もれてしまうことが考えられます。
限られた時間内で要点をうまく伝えられない課題を解消する手法として注目されているプレゼンテーションのフレームワークがホールパート法です。
ホールパート法を用いることで、伝えたい結論を効果的に強調し、聞き手にメッセージを分かりやすく届けることができますよ。
本記事では、ホールパート法を活用したプレゼンテーションのポイントを詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みください。

ホールパート法とは?

ホールパート法とは
プレゼンテーションの構成法。
プレゼンテーションの冒頭で結論となる全体像(Whole)を提示し、次に詳細(Part)を説明、最後に再び結論(Whole)を述べる構成とすること。

ホールパート法の構成を取ることで話し手自身が内容を整理しやすくなるうえ、聞き手も序盤で全体の趣旨を把握でき、理解が容易になります。
ビジネスの場では結論を先に述べる「結論ファースト」の重要性がよく指摘されますが、ホールパート法はまさにその実践形といえるでしょう。

ホールパート法活用のメリット

ホールパート法を活用するメリットのうち、主な3つを紹介します。

  1. 伝えたい内容を明確に強調できる
    最初と最後に結論を提示するため、聞き手の印象に残りやすく、重要なメッセージが埋もれにくくなります。
  2. 聞き手の理解度が向上する
    聞き手は結論を把握した上で詳細を聞けるため、各情報の関連性を捉えやすくなります。
  3. 話が逸れるリスクを減らせる
    冒頭に全体の構成を示しておくことで、話し手はその枠組みに沿って説明を進めやすくなり、冗長な脱線を防ぐことができます。

ホールパート法は説得力の高いプレゼンテーションを行う上で有効なフレームワークといえます。

ホールパート法の活用方法

ホールパート法をプレゼンテーションで活用するには、構成を次のような手順で組み立てます。

  1. 結論(Whole)を提示する
    プレゼン冒頭で伝えたい結論や主要メッセージを簡潔に述べます。
    また、これから説明するポイントの数や全体像を先に示しておくとよいでしょう。
  2. 詳細(Part)を展開する
    続いて、結論を支える根拠や詳細情報を順序立てて説明します。
    複数のポイントがある場合は、一つひとつに焦点を当て、それぞれ結論との関連を示しながら話を進めます。
  3. 再度結論(Whole)を強調する
    最後に、主要なポイントをもう一度繰り返して結論を強調します。
    聞き手に特に持ち帰ってほしいメッセージを改めて提示し、必要に応じて次のアクションにつなげて締めくくります。

最初と最後に結論を述べ、中盤で詳細を展開する構成でプレゼンテーションを進めることで、全体に一貫性が生まれ、聞き手は内容を追いやすくなります。

例えば、経営会議での業績報告では、初めに全体のハイライトを述べ、その後部門別の詳細を報告し、最後に全体を総括すると効果的です。

伝えたいポイントが複数ある場合や、重要な結論を確実に届けたい場合にこそ、ホールパート法が役立ちます。

良いプレゼンと悪いプレゼンの違い

ホールパート法を取り入れたプレゼンと、そうでないプレゼンでは、聞き手に与える印象や理解度に大きな差が生まれます。
ホールパート法を活用した良いプレゼンと、構成が不十分な悪いプレゼンの主な違いを比較します。

 

ホールパート法を活用した良いプレゼン構成が不十分な悪いプレゼン
結論の提示冒頭で結論を明示し、最後にも再度強調している結論が最後まで明示されず、曖昧になっている
全体構成全体→部分→全体の順序で一貫性がある話の順序が散漫で一貫性を欠く
聞き手の理解要点が明確に示され繰り返されるため理解しやすい要点が不明瞭で、聞き手は内容を追いにくい
メッセージ重要ポイントが二度提示され印象に残る重要ポイントが一度しか出てこず印象が薄い
時間効率短時間で要点を伝え、議論に十分な時間を確保できる要点把握に時間がかかり、説明が冗長になる

 

ホールパート法を用いることでプレゼンテーションの明瞭さと説得力が向上するといえます。

学術的視点から見るホールパート法の有効性

ホールパート法が有効とされる背景には、心理学や認知科学の知見もあります。


初頭効果新近効果

初頭効果とは
最初に提示された情報が特に記憶に残りやすい心理現象。
新近効果とは
一番最後に提示された情報が特に記憶に残りやすい心理現象。終末効果ともいう。

プレゼンテーションの冒頭と締めに結論を配置するホールパート法は、初頭効果と新近効果を利用し、重要メッセージの定着を図っているといえます。

全体像を先に示す効果

認知心理学の観点では、全体像を先に示すことで聞き手の理解を促進できるとされています。
人は新しい情報を理解する際、あらかじめ大枠が提示されていると細部との関連付けが容易になり、情報処理の負担が軽減されるのです。
ホールパート法で冒頭に全体像や結論を示すことは、聞き手にいわば「話の地図」を渡すようなものです。
その結果、各部分の情報が頭の中で整理され、理解度や記憶への定着率の向上につながりやすくなります。

まとめ:ホールパート法を活用したプレゼンテーションのポイント

効果的なプレゼンテーションには優れた構成が不可欠です。
ホールパート法を活用すれば、結論を確実に伝え、聞き手の理解と記憶に残るプレゼンテーションを実現できるでしょう。
プレゼン準備の際は、

・伝えたい核(メインメッセージ)を明確にする
・核を冒頭と結びに配置する

ことを心がけましょう。

ホールパート法はシンプルながら強力なフレームワークです。
特に複雑な情報を扱うビジネスの場で、ポールパート法によってプレゼンテーションの質が大きく向上します。
明確な構成で自信をもって話せば、聞き手の共感と納得を得やすくなるでしょう。
ぜひ次回のプレゼンテーションからホールパート法を取り入れてみてください。
伝えたいメッセージが確実に届き、成果につながるプレゼンになりますよ。

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