
近年、若手社員の離職理由として

「職場の雰囲気が合わない」
という声が増えています。
従来であれば、待遇やキャリア形成といった具体的な離職理由が中心でしたが、今はより曖昧で感覚的な表現が目立つ傾向にあります。

「若手が本音を話してくれない」
と感じる管理職の世代の方も多くいらっしゃいますが、実は「雰囲気が合わない」という声は、Z世代が持つ感受性の高さやコミュニケーションに対する管理職世代との価値観の違いを示すサインなのです。
本記事を読むことで、
・若手社員の離職の背景にある思考スタイルを理解できる
・組織として実践できる改善策を学べる
・定着率を改善し、採用コストを削減できる
などのメリットを得られますよ。ぜひ最後までお読みください。
非言語情報に敏感な人材
厚生労働省の調査によれば、2021年入社の大卒社員の3年以内離職率は34.9%と過去15年で最高水準に達しています。
参考:厚生労働省「新規学卒者の離職状況」
特に注目すべきは、退職理由として「雰囲気が合わない」が増えていることです。
一見すると曖昧で理解しづらい理由ですが、背景にはZ世代特有のコミュニケーション感覚があります。
Z世代はデジタルネイティブとして、SNSや動画に囲まれ、非言語情報に日常的に触れて育ってきました。
したがって、従来の世代に比べ、コミュニケーションにおける「表情」や「声のトーン」など、非言語的な細やかなサインを敏感に読み取る傾向があるのです。
相手の雰囲気や感情を素早く読み取る傾向がある人材は、もちろんさまざまな世代に存在しますが、特にZ世代で顕著です。
会議で

「良い意見ですね」
と言われたにもかかわらず、上司がすぐにスマートフォンを見たり、無表情で次の議題に移ったりした場合、Z世代の若手は

「評価されていない」
と瞬時に受け止めてしまうのです。
ぜひ、言葉と表情を意識的に一致させる「表情マネジメント」の意識をもってみてください。
特に若手と関わる方には、言語と非言語を一致させる意識が職場のスムーズなコミュニケーションの一助となりますよ。
・表情、声のトーン、態度などの「非言語情報」から本音を読み取る傾向がZ世代にはある
・非言語情報に敏感な人材は相手の雰囲気や感情を素早く読み取る傾向がある
・「表情マネジメント」で職場のスムーズなコミュニケーションにつなげる
言語情報を重視する人材
非言語情報に敏感で相手の雰囲気や感情を素早く読み取る傾向のある人材の一方、「言葉の正確さや筋道」を重視する思考スタイルの人材も多くいます。
曖昧な表現を避け、明確な指示や評価基準を重要視するのです。

「このプロジェクト、期待していますよ」
と、「励ましのメッセージ」のつもりで伝えても、言われた方は

「具体的にどの部分をどうがんばればいいのか」
と考えてしまうケースが多いのです。このとき

「色々考えてみてください」
などと返してしまえば、言語情報を重視する人材にはモヤモヤだけが残り、職場での摩擦やモチベーション低下につながります。
ここで有効なのは「期待値の言語化シート」です。
プロジェクト開始時に、以下を明文化してみてください。
期待値の言語化シート:
1.具体的な成果物(例:売上30%向上)
2.期限(例:3ヶ月後の6月末)
3.評価基準(例:顧客満足度スコア4.5以上)
期待する内容を共有することで、お互いの認識を合わせられますよ。
期待値の言語化のプロセスは業務の手戻りを減らし、生産性の向上に直結します。
・言語情報を重視する傾向がある人材は明確な基準を必要とする
・曖昧な指示は不安とモチベーション低下を招く
・期待値の言語化で認識のズレを防げる
「表情と言葉の一致度チェック」の実践
表情や態度などの非言語情報を重視する人材と、「言葉がすべて」と考えがちな言語情報を重視する人材との間では、コミュニケーションの前提に大きな隔たりがあるといえます。
この隔たりが「職場の雰囲気が合わなかった」という理由の離職につながりやすいのです。
離職を防ぐには、表情と言葉の一致を定期的に点検する仕組みが欠かせません。
具体的には以下の3ステップが有効です。
- 率直な対話の場を宣言する
1on1の冒頭で「今日は率直に話しましょう」と伝え、リラックスした雰囲気をつくる。自分の表情もリラックスさせる。 - 自己点検を習慣化する
フィードバックを行う前に、自分の表情を鏡やビデオで確認し、言葉と態度を揃える週間をつける - 他者に確認を取る
月1回程度、「私の言葉と態度にズレを感じたことはありますか」と質問し、率直な意見を得る
表情と言葉の一致を確認する取り組みによって定着率が20%改善し、年間で1000万円以上の採用コスト削減につながった事例もあります。
・表情と言葉の一致が信頼関係の基盤になる
・定期的に言葉と表情の一致をチェックし、早期に問題を発見する
まとめ
「雰囲気が合わない」という退職理由の背景には、異なる思考スタイルやコミュニケーションの前提が隠されています。
・感情を敏感に読み取る人材には、言葉と表情を一致させる「表情マネジメント」が有効
・言葉の正確さを重視する人材には、期待値を明文化する「言語化シート」が有効
・定期的な「表情と言葉の一致度チェック」により、認識のズレを未然に防げる
上記を実践することで、人材の定着率が改善され、採用や育成にかかるコストを削減できるだけでなく、組織全体のコミュニケーション品質も向上しますよ。
大切なのは、どんな思考スタイルでも、一人一人の人材が組織にとって価値があるということの理解です。
橋渡し役として管理職が双方の強みを理解し活かすことで、多様な人材が安心して力を発揮できる環境が整い、持続的な成長につながります。
エナジーソースでは、組織の成長を支援しています。
部下育成にお悩みの方や組織改善を目指している方は、どうぞお気軽にご相談ください。