責任感の強いリーダーが燃え尽きやすい理由|抱え込みを防ぐ責任移譲法とRACIマネジメント術

上司

「優秀なリーダーやマネージャーほど急に辞めてしまう」
「有望な中堅が燃え尽きたように退職する」

人事や経営に携わる立場の方や、管理職の方からこのような声を伺うことがよくあります。
責任感が強く、自分から仕事を引き受けてくれる中核人材は、どの組織にとっても大きな支えです。
本記事では、

・責任感の強さが思わぬ落とし穴をつくる構造
・組織として離職を防ぎ、成果を出し続けるための具体的な手法

をご紹介します。
責任の抱え込みを防ぎつつ、役割分担と権限移譲を進める具体的な手がかりが得られますよ。
ぜひ最後までお読みください。

仕事に責任を持ちたい人材の「抱え込み症候群」の真実

多くの企業で、リーダーや中堅が

責任感の強いリーダー

「任された以上は自分でやり遂げたい」

と考え、周囲の期待に応えようと努力しています。
彼らの姿勢は組織にとって大きな強みである一方、過度な抱え込みによって疲弊しやすいリスクもあるといえます。
抱え込みが生まれる背景には、

責任感の強いリーダー

「品質を保つには自分がやるしかない」
「部下に任せると修正が発生する」
「自分が対応したほうが早い」

といった考えが潜んでいるケースが多いものです。
責任感の強さの裏側にある抱え込みやすい傾向は、「責任=自分ひとりで完結させること」という価値観と結びつきやすく、自分自身で努力して成功した体験があるほど、ますます手放しにくくなる特徴があります。

しかし変化が激しく複雑性が増す環境では、一人が抱えられる仕事量には限界があるのは明白です。
抱え込みが続くと、業務品質の低下や意思決定の遅れが生じ、最終的には退職につながることも少なくないのです。

抱え込みを防ぐ「段階的責任移譲システム」

責任感の強いリーダーほど、他の人材に業務を任せることに抵抗を感じる傾向があります。
そこで有効なのが、段階的に業務を任せていく仕組みです。

●第1段階:タスクの仕分け

「自分でなければ成果が出せない仕事」と「育成のために任せられる領域」を整理することで、委譲の見取り図ができます。

●第2段階:サポート付きの委譲

はじめは「一緒に取り組む」形をとり、徐々にサポートを減らして確認中心へ移行します。

●第3段階:権限と判断基準のセット化

「この範囲までは自身の判断でOK」と線引きを明確にすることで、任せられる側も不安なく進められます。

あるIT企業では、短期間で並走→レビュー中心へ移行する「ペア責任移譲」を導入したところ、管理職の月平均残業が8時間以上削減され、リリース後の修正対応が減った報告もあります。

責任委譲は負荷軽減だけでなく、品質の向上にもつながる取り組みです。

・自分の仕事には自分で責任を持ちたい人材は「全部自分」になりがち
・段階的な責任移譲で負荷を分散
・権限とセットで任せることが重要

責任の所在を明確にする「RACI責任マトリックス」

責任分担を進めると、

上司

「誰が最終責任を持つのか曖昧になるのでは」

という不安も生まれかねません。
そこで役立つのがRACI責任マトリックスです。

  • R(実行責任):実際に業務を行う担当
  • A(説明責任):最終的な責任を持つ役割
  • C(相談):専門性から意見を求める相手
  • I(報告):情報共有する対象

例えば、企画書作成であれば、「作成担当がR」「課長がA」「経験豊富な先輩がC」というように設定してみてください。
役割が明確になることで、不要な確認や待ち時間が消え、プロセスが滑らかになりますよ。

また、RACI責任マトリックスはぜひ信頼関係を前提として活用してください
つまり、各人材の強みを活かした役割設定をしたうえで、信頼して任せるのです。
全員が自分の得意な役割に集中できるうえ、責任の所在も明確となります。
結果として、チーム全体のパフォーマンスが向上しますよ。

・RACI で役割と責任を見える化
・強みベースで分担を設計
・信頼関係を前提とした委譲

まとめ|責任感を「個人の負荷」から「組織の力」へ転換するために

責任感が強いリーダーは、組織にとって貴重な存在です。
しかし、責任感の強さが「ひとりで背負う負担」に変わってしまうと、離職のリスクが高まり、組織の力を削ぐ結果につながります。

今回紹介した

・段階的責任移譲
・RACI責任マトリックス

を組み合わせることで、負荷が均等に分散され、リーダーの疲弊を防げるだけでなく、人材それぞれの成長機会も増えていきますよ。

人材それぞれが成長した先にあるのは、「私はできる」ではなく「私たちならできる」という集団効力感の醸成です。

集団効力感の醸成こそが、予測不能な時代を生き抜く組織に必要な基盤なのではないでしょうか。
ぜひ、小さな一歩から始めてみてくださいね。

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