「自分で考えろ」が響かない部下への関わり方|部下の判断力を育てる問いかけの技術

上司

「自分で考えて判断しなさい」

と伝えても、なかなか動かない部下に悩んだ経験はないでしょうか。
忙しい現場では、部下に正解を示してしまった方が早いと感じる場面も多いでしょう。
しかし、正解を与え続けることは、部下の判断力を育てる機会を奪い、長期的には組織の成長を妨げる要因になり得ます

本記事では、部下の思考スタイルの違いに着目し、判断力を育てるための具体的な関わり方を解説します。
この記事を最後まで読むことで、

・部下の特性に合わせた指導スキルを獲得できる
・人材一人ひとりの自律性を高める方法が理解できる
・組織の意思決定力を高められる

など、組織にとって有益な情報を得ることができますよ。ぜひ最後までお読みください。

自分の判断に従うタイプの特徴と活用法

職場には、自分の内側に判断基準を持ち、自らの価値観に基づいて行動を決める人材がいます。
自分の決断に自信を持ち、上司の指示を必要としない場面も多いのが特徴です。

ある製造業の現場では、品質基準を満たしているとされる製品について

自分の判断に従うタイプ

「自分の基準では出荷できない」

と担当者が主張したことがありました。
当初、「担当が面倒なことを言い出した」という空気もありましたが、担当者に従い製品をチェックしたところ、大きなクレームを未然に防いだ事例がありました。

内発的な基準を持つ社員は、上司の指示をあまり必要とせず自分で判断できることが多いので、組織にとって大変貴重な存在です。
一方で、他者の意見を軽視したり、組織のルールに従わなかったりする傾向も見られます。

そのため、上司は

上司

「なぜそう考えたのですか」

理由を丁寧に尋ね、背景を理解することも大切です。

自分の判断に従うタイプの活用法

内発的な基準をもつタイプには

上司

「決めるのはあなたです」
「あなたの判断を尊重します」

などの言葉が響きやすく、主体性を発揮しやすくなります。

適した配置としては、

・管理者やリーダーポジション
・新規プロジェクトの立ち上げメンバー
・品質管理や監査など独立した判断が求められる部署

が挙げられます。
ただし、自分の考えを周りに押し付けてしまいがちなので、定期的に

上司

「周りの意見も聞いてみましょうか」

など、フィードバックを行い、組織全体のバランスをとる必要があります。

他人の意見に左右されるタイプの特徴と育成法

自分の判断に従うタイプの一方で、判断を下す際に他人の意見や外部の情報を重視するタイプの人材も存在します。

他者の意見や反応を重視するタイプ

「どうしたらいいでしょうか」
「みんなはどうしていますか」

確認を繰り返す傾向があり、チーム全体の調和や合意形成を重視する姿勢が見られます。
Z世代など、近年の若い世代に多い特徴であり、SNSやインターネットを活用して徹底的に情報を集める傾向もあります。
確認を繰り返すスタイルは、リスクを避ける力として強みといえるでしょう。

他人の意見に左右されるタイプの育成法

外的な基準を重視するタイプの人材には、上司が毎回正解を教えてしまうと依存が強まり、自分で考える機会を失いがちです。
自分で考える力の育成のために、次のような段階的アプローチを活用してみてください。

・段階的な判断練習:最初は二択から選んでもらい、次第に選択肢を増やしていく
・成功体験の積み重ね:小さな判断でも「正しかった」と明確に伝え、自信を持たってもらう
・外部情報の活用:業界事例や他社の取り組みを参考にし、納得できる材料を提供する

小さなアプローチを繰り返すことで、外的な基準を活かしながら、徐々に自分の判断基準を形成できるようになりますよ。

部下の判断力育成のための問いかけ

自分の判断に従うタイプ、他人の意見に左右されるタイプの2種類の人材について解説してきました。
しかし、当然ですが、実際には多くの人材がいつでも1つのタイプでいるわけではなく、状況に応じて2つのタイプを行き来しています。
したがって、部下の判断力を育てるには、「このタイプだからこれ」といった画一的な指導ではなく、個々の傾向を理解したうえで段階的に関わることが大切です。

部下の判断力を育て、飛躍させるための段階的アプローチを紹介します。

ステップ1:現状把握

  • 部下に「最近どのように判断したか」を尋ね、内的判断傾向か外的判断傾向かを把握する。
  • 判断に迷っていたら、迷う理由を聞き出す。
  • 内的判断傾向か、外的判断傾向かを参照し、部下の強みを見つける。

ステップ2安全な環境で練習する

  • 失敗してもリカバリー可能な範囲で、小さな判断を任せる。
  • 判断の理由を言語化してもらう。
  • 成功体験を積み重ねてもらう。

ステップ3:段階的な権限移譲

  • 判断の幅を徐々に広げる。
  • 定期的なフィードバックと承認を行う。
  • 失敗したときのフォロー体制を整え、心配する必要はないことを伝える。

部下の判断力育成のための問いかけの工夫

さらに、部下の判断力を育てるためには問いかけの工夫も重要です。
自分の判断に従う傾向が強い部下には

上司

「根拠は何ですか」
「他の視点から見たらどうでしょうか」

と視野を広げる問いを投げかけをしてみてください。
他人の意見に左右される傾向が強い部下には

上司

「直感ではどう思いますか」
「もし自分がいなければどうしますか」

と、自分の声に耳を傾ける問いかけをしてみてください。
相手に合わせた問いかけを重ねることで、判断力は確実に伸びていきますよ。

まとめ

部下に自分で考えてみるよう伝えても行動につながらないのは、思考スタイルの違いによるものである場合が多いものです。
自分の判断を重視するタイプと、他人の意見を参考にするタイプ、それぞれに合った関わりを試してみてくださいね。

組織として一人ひとりに合わせた問いかけを行う姿勢を取り入れれば、部下の主体性が育ち、多様な視点を持つ人材が活躍できる環境が整います。

結果として、組織全体の意思決定力が高まり、持続的な成長を実現する力が強化されるでしょう。
小さなことからで十分です。ぜひ、できることから始めてみてくださいね。

エナジーソースでは、組織の成長を支援しています。
部下育成にお悩みの方や組織改善を目指している方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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