
人材育成やチームマネジメントに携わる方の中には、

「最近の若手は雑談をしない」
「Z世代とは雑談から信頼関係を築けない」
と感じた経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
雑談が減るとコミュニケーション不足による信頼低下や連携不全につながるのでは、と不安を抱く管理職の方も少なくありません。
よく世代間ギャップが原因ともいわれますが、Z世代を中心に雑談を避ける背景には、思考スタイルや働き方に対する価値観の違いが隠れていることが多いのです。
本記事を読むことで、
・雑談に対する若手社員の本音を理解できる
・組織の生産性と信頼関係を両立させるコミュニケーションがわかる
ようになりますよ。
ぜひ最後までお読みください。
仲間と協働する傾向が強い人材にとっての雑談
かつての職場では、喫煙所や給湯室での何気ない雑談が情報交換や関係構築の場として大きな役割を果たしてきました。
今も営業職や管理職の方のなかには「雑談からビジネスチャンスが生まれる」と考える人材が多く存在します。
仲間と協働を重視する傾向を持つ人材にとって、雑談は単なる暇つぶしではありません。
彼らは雑談は心理的安全性を高め、チームの一体感を強める重要なツールであると考える傾向があります。
心理的安全性:
個人が失敗や批判を恐れずに意見を発信できる環境のこと。
心理的安全性が損なわれた職場では、従業員は自由に行動することが難しくなり、生産性が低下する可能性がある。
参考:心理的安全性とは | リクルートマネジメントソリューションズ
ある営業担当者は、エレベーターでの数十秒の雑談が大型契約のきっかけになったと話しています。
雑談は情報収集や信頼関係の基盤を築くための大切な活動であり、特に協働を重視する職種や役割では大きな意味を持つのです。
仲間と協働する傾向が強い人材にとって、雑談は
・関係構築の基盤
・チームの心理的安全性を高める手段
・情報収集とアイデア創出の場
である
静かな環境で集中する傾向が強い人材にとっての雑談
一方で、エンジニアや企画職など、集中を求める業務に従事する人材にとって、雑談は大きな負担になることがあります。
深い思考を必要とする仕事に取り組んでいる最中に中断が入ると、失った集中を取り戻すのに20分以上かかるとされています。
休憩中もイヤホンをつけて一人で過ごす人材がかつてより増えているのは、彼らの協調性の不足ではなく、パフォーマンスを維持するための戦略ともいえるのです。
そんな彼らに、管理職は「保護された集中時間」を提供することが大切です。
在宅勤務やフレックスタイムを活用して、自分のペースで働ける環境を整えることも効果的ですよ。
静かな環境で集中する傾向が強い人材にとって、雑談は
・雑談は集中力を削ぐ要因
・一人の時間がエネルギー充電源
・深い思考には静寂が必要
である
両者が快適に働ける「目的型コミュニケーション」
問題は、雑談を大切にする人材と避けたい人材が同じチームに存在し、摩擦が生じてしまうことです。
従来のように「みんなで仲良く雑談を」と押し付ければ、集中を重視する人材のパフォーマンスが落ちてしまいますね。
一方で、業務連絡だけのドライな環境にすれば、協働を重視する人材が孤立感を抱いてしまいかねません。
そこで提案したいのが「目的型コミュニケーション」です。
目的型コミュニケーション:
雑談や対話をあらゆる場面で強制するのではなく、目的に応じてコミュニケーションの形を設計するアプローチ
具体的な方法は以下の通りです。
- 構造化された雑談タイムを設ける
朝礼や会議の冒頭に5分だけ「今週の良かったこと」を共有する。
短時間で目的を限定することで、集中を重視する人材も安心して参加できますよ。 - 非同期コミュニケーションの活用
Slackなどのツールに「雑談チャンネル」を設け、参加は任意とする。
リアルタイムで会話に加わらなくてもよいため、集中派も無理なく雑談に参画できますよ。 - 1on1の構造化
業務報告とキャリア相談の時間を前後半15分ずつなどに設定し、明確に分ける。
業務に関する確認と個人の成長支援を区別することで、双方にとって有意義な時間となりますよ。
目的型コミュニケーションを取り入れることで、雑談が必要な人材は安心して関係構築ができ、集中を重視する人材も仕事に没頭できる環境を得られるのです。
・雑談にも目的と時間枠を設定する
・同期と非同期の使い分けをする
・個人の思考スタイルに合わせた選択肢を提供する
まとめ
Z世代を中心に「雑談を避けたい」と感じる若手が増えている背景には、世代間ギャップではなく、思考スタイルや働き方の違いが存在します。
・協働を重視する人材にとって雑談は、心理的安全性や情報収集の基盤である
・集中を重視する人材にとって雑談は、成果を妨げる中断要因となる
・両者の強みを活かすには「目的型コミュニケーション」が有効
それぞれの人材の思考スタイルを鑑みたうえでコミュニケーションをとっていけば、チーム全体が互いの違いを理解し合い、生産性と信頼関係を両立できる組織づくりが可能になりますよ。
人材の多様性を尊重し、一人ひとりの思考スタイルを活かした環境設計こそが、これからの組織に求められるリーダーシップではないでしょうか。
ぜひ、できるところから「目的型コミュニケーション」を実践してみてくださいね。
エナジーソースでは、組織の成長を支援しています。
部下育成にお悩みの方や組織改善を目指している方は、どうぞお気軽にご相談ください。