

「1on1で何をきいても、特に問題はありません、と返ってくる」
「いくら話をしても、部下のモチベーションがあがらない」
このようなお悩みを抱える上司の方も多いのではないでしょうか。
原因は上司の質問が「問題探し」に終始していることかもしれません。
本記事では、ソリューションフォーカストアプローチ(解決志向アプローチ)を使った、離職を防ぎモチベーションを上げる3つの質問を解説します。
さらに、部下の思考スタイルに合わせた面談で、信頼関係と行動力を同時に高める方法も紹介します。
より効果的な面談が実現しますよ。
本記事をお読みいただければ、部下が自ら行動を起こし、組織全体の前進を感じられる面談の仕組みが見えてくるはずです。
ぜひ最後までお読みください。
部下が面談で話さなくなる理由
1on1の面談で、つい

「何が問題?」
「なんでうまくいかないと思う?」
と原因を探る質問をしてしまう上司の方も多いのではないでしょうか。
しかし、人間は「問題」を問われると、防御本能が働き、弁解・萎縮・沈黙のいずれかに陥ってしまうことが多いものです。
特に若手社員やZ世代は、「失敗=評価低下」と感じやすく、会話の扉を閉ざしてしまう傾向があります。
心理学の観点からも、脳はネガティブな刺激よりポジティブな刺激の方が行動を促しやすいことがわかっています。
つまり、特に1on1の面談などでは、「できていない理由」を問うより、「できている部分」や「これから目指す姿」を問う方が、行動意欲を引き出す近道になるのです。
ソリューションフォーカストアプローチの3つの質問
ソリューションフォーカストアプローチ(解決志向アプローチ)とは、
問題ではなく「望む未来」と「できていること」など、過去の成功や資源に目を向け、解決のための具体的な行動を引き出す面談の手法
ソリューションフォーカストアプローチの手法をつかった面談の3ステップを紹介します。
3つの構成を守るだけで、部下の思考は自然と「前向きモード」に切り替わり、モチベーションがアップしていきますよ。
ステップ1:望む姿や状態を聞く

「どうなったら理想的?」
「うまくいっている状態ってどんな感じ?」
などと、理想像を言葉にしてみてください。
部下は理想的なゴールのイメージが頭に浮かんできます。理想的なゴールがイメージできた段階でやる気のスイッチが半分押されるようなものです。
ステップ2:うまくいった例を確認する

「今までうまくいった時はどんな時?」
「少しでもできていた部分はある?」
などの質問を繰り返し、失敗ではなく成功に注目します。
人は「できた経験」を再現する方が、「できなかった理由」を修正するよりも容易なのです。
ステップ3:具体的な一歩を決める

「明日から何か一つ試すとしたら?」
「10点中5点なら、6点にするには?」
と、小さくても具体的な行動を言語化することで、実行へのハードルが下がります。
指示ではなく、背中を押す質問を投げかけましょう。
・問題ではなく「望む姿」から始める
・過去の成功体験を思い出させる
・小さな一歩から行動を促す
ソリューションフォーカストアプローチについてはこちらの記事でも紹介しています。
ぜひあわせてご参考ください。
組織やチームで課題に取り組むとき、どこに注目するかによって解決策の導き方が大きく変わってきます。「原因追求」よりも「解決に役立つリソースや成功事例」を探ることで、短期間で成果を引き出す解決法が「ソリューションフォーカストアプローチ[…]
思考スタイル別の面談法
複数人の部下をマネジメントしていると、同じ質問をしても、投げかけが響く部下とそうでない部下がいることは、皆さんにもご想像いただきやすいでしょう。
認知心理学には、認知スタイルという考え方があります。
認知スタイルとは:
人が情報を知覚・処理・記憶・判断する際に合わられる一貫した特徴的な傾向のこと
上司の方に、ぜひ理解しておいていただきたい2つの主要な傾向を紹介します。
なお、ぜひ注意していただきたいのは、これら2種類には優劣はないという点です。
しかし、上司がどちらかの認知スタイルをもってる場合、自分と同じ傾向を良しと決めつけてしまことがあり、注意が必要です。
優秀な部下でも、上司と認知スタイルが合わないだけで、

「この会社は合わない」
と感じ、離職に繋がってしまうケースがあるのです。
認知スタイル①目標・成果志向型
目標・成果の達成を目指して動く傾向のあるタイプです。
このタイプの部下は「到達」「達成」「成長」などの言葉に反応します。

「どんな成果を出したい?」
「理想の結果を達成したら何が可能になる?」
「今より1ランク上を目指すとしたら?」
など、未来を描く質問をすることで、達成欲求を刺激できますよ。
認知スタイル②リスク・安全志向型
リスクを避けて安全を重視する傾向のあるタイプです。
このタイプの部下は「確実」「防ぐ」「安心」などの言葉に安心感を覚えやすいです。

「どんな不安を取り除けたら前に進めそう?」
「安心して進めるための条件は?」
「トラブルを防ぐために何ができる?」
「いま実際にどういう問題が存在する?」
部下の安全性を確保することで、挑戦への一歩を支えるのが上司としての向き合い方のポイントといえるでしょう。
思考スタイルの見分け方のヒント
仕事において「達成」「伸ばす」「チャレンジ」が口癖なら成果志向、「確実」「守る」「リスク」が多ければ安全志向の傾向があるといえます。
ただし、もちろんこれは傾向であり状況によって変化するため、決めつけず柔軟に対応する姿勢が重要であることを忘れないでくださいね。
・ 部下の思考スタイルを観察する
・それぞれの思考スタイルに合わせた「質問」や「言葉」を使う
まとめ|部下のモチベーションを上げ、未来志向のチームへ
ソリューションフォーカストアプローチの手法は、単なる面談テクニックではありません。
組織全体を「問題を探す集団」から「解決策を生み出す未来志向のチーム」に変えるマインドセットの転換です。
- 原因追及ではなく未来に焦点を当てる
望む姿・成功体験・次の一歩の順で質問を構成し、部下の自走力を引き出す。 - 思考スタイルに合わせた言葉選びをする
成果志向にはビジョン、リスク志向には安心感を提示し、それぞれの強みを活かす。
本記事で紹介してきた以下の2点を意識し、1on1面談の時間を未来志向の前進の場に変えていってくださいね。
一つの質問を変えるだけで、部下の表情が変わり、会話の流れが変わります。
部下の未来を動かし、組織の空気を未来志向へと切り替えるきっかけになるはずです。
明日からぜひ実践してみてください。
エナジーソースでは、組織の成長を支援しています。
部下育成にお悩みの方や組織改善を目指している方は、どうぞお気軽にご相談ください。