
近頃、管理職や人事担当者の方からよく聞かれる悩みの一つに

「Z世代の部下がなかなかリスクを取らない」
という声があります。
Z世代の若手が新しい取り組みに消極的にみえ、

「優秀なのに即戦力にならない」
と感じてしまうことも少なくないようです。
しかし、Z世代の特徴を単なる「保守的」と片付けてしまうのは危険です。
Z世代の行動は組織文化や育ってきた環境を反映しており、むしろ現代のビジネス環境において有効な側面も多く含まれていますよ。
本記事では、Z世代との協働を円滑にし、若手の力を活かすための三つの視点を紹介します。
この記事を読めば
・Z世代の思考特性の傾向を理解できる
・Z世代の思考特性を組織の資産と考えられるようになる
・世代を超えた強いチームに近づける
など、嬉しい変化が期待できますよ。ぜひ最後までお読みくださいね。
目的に向かう思考と問題を避ける思考
人の行動を動かす思考スタイルには、大きく分けて二つの傾向があります。
一つ目は目的に向かって進もうとするタイプです。
・成果や達成を思い描くことでモチベーションが高まる
・「新しい市場を開拓したい」「表彰を目指したい」思いが強い
新規事業やチャレンジ型の取り組みで力を発揮しやすいスタイルといえます。
もう一つは問題を避けようとするタイプです。
・失敗やリスクを回避することを優先する
・「トラブルを防ぎたい」「品質を守りたい」意識が強い
品質管理や安全管理のように、正確性やリスク回避が重視される領域で欠かせないスタイルです。
どちらが優れているというものではありません。
むしろ組織には両方が必要であり、バランスによって成果が大きく変わります。
Z世代特有の思考スタイルと背景
Z世代には「問題を避ける」傾向をもつ人材が他の世代と比べて多く存在します。理由を3点紹介します。
SNS時代の影響
Z世代は幼少期から、失敗や不用意な発言が瞬時に拡散され、消えないデジタルタトゥーとなる世界で育ちました。
一度の失敗が長期的な不利益につながる感覚が強く、行動前に十分な情報を集める傾向が定着しているのです。
受けてきた教育の変化
詰め込み型教育を脱したZ世代は「なぜそれをするのか」を重視する学習環境で育ちました。
行動の背景や目的を理解してからでないと動けないのは、教育によって培われた自然な姿勢でもありますね。
社会的出来事の影響
リーマンショック、震災、コロナ禍といった不確実性の高い時代を経験したZ世代は、安定が当たり前ではないことを肌で感じて育ってきました。
結果として、失敗のリスクをあらかじめ検討し、慎重に行動する傾向が強まったのではないでしょうか。
Z世代の育ってきた背景を理解すれば、Z世代の質問や慎重さは単なる「消極性」ではなく、環境適応としての合理性を持つ行動であることが分かりますね。
両特性を活かす戦略的チーム編成
管理職の方や人事担当者の方がチームを作り上げる時に重要なのは、目的に向かう思考と問題を避ける思考のどちらの思考特性を戦略的に組み合わせることです。
「目的志向」の人材だけでは勢いは出てもリスクが増え、「問題思考・回避型」だけでは進捗が滞りやすくなってしまいますね。
プロジェクトの段階に応じて役割を分けることが有効なのです。
例えば、
- 企画段階では目的志向型に自由にアイデアを出してもらい、その後で問題思考・回避型にリスクをチェックしてもらう。
- 実行段階では、目的志向型が推進役となり、問題思考・回避型が品質管理を担う。
- 振り返り段階では、問題思考・回避型が改善点を見出し、次の挑戦へとつなげる
プロジェクト段階で役割をわけていけば、両者が補完し合う設計で成果に近づけるのではないでしょうか。
なお、個々の部下のスタイルを見極めるには、部下たちが発する質問の方法を観察するのが有効ですよ。
「成功したらどうなるのか」と問う人は目的志向型、「失敗したらどうなるのか」と問う人は問題思考・回避型の傾向が強いと考えられます。
コミュニケーションにおいても、目的志向型には「どんな成果を達成したいか」、問題思考・回避型には「どんなリスクを防ぎたいか」と聞くことで、それぞれの力を引き出しやすくなりますよ。
日常のコミュニケーションのなかで、ぜひ試してみてくださいね。
まとめ
Z世代の「リスクを取らない」姿勢は、決して無気力さの表れではなく、Z世代が育った環境と「問題を避ける」思考スタイルの反映といえます。
現代の複雑で不確実なビジネス環境では、Z世代の慎重さは組織を守る大切な役割を果たします。
一方で、ベテランの世代が持つ「目的に向かう」思考は、組織を前進させる推進力となります。
両者を組み合わせることで、組織は安定と挑戦を両立させることができますよ。
人事担当者や経営幹部に求められるのは、Z世代の特性を「弱点」と見るのではなく、組織の資産として活かす視点ではないでしょうか。
違いを理解し、適材適所の配置や思考スタイルに合わせた関わりを行うことで、世代を超えた強いチームを作り上げてくださいね。
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部下育成にお悩みの方や組織改善を目指している方は、どうぞお気軽にご相談ください。