リフレーミングを活用し部下との関係性を改善する|部下のミスを「レッテル貼り」していませんか?

上司

「何度指導しても同じミスを繰り返す部下。これ以上どう向き合えば良いのか?」

部下のミスに「またか……」と、つい溜息を漏らしてはいませんか?表面上は「次から気をつけて」と伝えつつも、心のなかでは「この部下は能力が低い」とレッテルを貼ってしまうこともありますよね。
しかし、その何気ない「レッテル貼り」こそが、部下の成長を止めてしまうかもしれません。上司の冷ややかな視線を敏感に感じ取った部下は、萎縮し、さらにミスを重ねる悪循環に陥ってしまうのです。

本記事では、相手への見方を変える思考技術「リフレーミング」を解説します。単なるポジティブ思考ではなく、事実の「見方」を書き換えることで、組織の可能性を拓く具体的なステップを紹介します。この記事を読み進めていただくことで、

・事実の「見方」をあらため部下の強みを引き出すスキル
・部下への「レッテル貼り」を改め、関係性を改善するスキル」

を学べます。ぜひ最後までお付き合いください。

リフレーミングの本質と誤解

リフレーミングとは1970年代に米国で生まれた「見方を柔らかくする技術」です。

リフレーミング:
心理学者ポール・ワツラウィックやグレゴリー・ベイトソンらが提唱した1970年代アメリカのコミュニケーション理論に基づき、物事の見方(枠組み)を変えて新たな意味づけを行う技法

「問題は現実そのものではなく、自分の解釈によって生まれる」という考えに基づき、NLP(神経言語プログラミング)を通じて体系化されました。

NLP(神経言語プログラミング)
心理学を基盤に「思考・言語・行動のパターンを理解し、望ましい状態へと変化させるコミュニケーション技法」

リフレーミングは単に「前向きに考えよう」という精神論ではありません。出来事を別の枠組みで見直すことで、自分や相手に変化を促すための実践的なコミュニケーション理論です。

多くのビジネスパーソンがリフレーミングという言葉を知っていますが、現場で実践できているケースは稀です。リフレーミングを使いこなせない背景には、3つの要因があります。

  1. 悪いことをポジティブに言い換えることだと誤解している
    本来のリフレーミングは、単なるポジティブシンキングではありません。「多面的に事実を見直し、別の意味を見出すこと」に本質があります。
  2. 感情を無視して理屈で見方で変えようとする
    イライラしている状態で見方を変えようとしても、心はついていきません。
  3. 自分自身の「前提」に気づいていない
    「こうあるべきだ」という強い固定観念を持ったままで相手を見てしまい、どれだけ言葉を変えても、相手に対する態度は変わらないのです。

リフレーミングとは、単に励ます言葉に変えるのではなく、「感情・意味・前提」を見直す思考習慣のことです。
実際にリフレーミングを職場で実践するメリットを3点ご紹介します。

  1. 「欠点」を「強み」へ再定義できる
    例えば「仕事が遅い」部下を単に「判断が遅い」と捉えるのではなく、「リスクを慎重に見極めている」と多面的に捉え直します。リフレーミングとは相手を励ますための気休めではなく、リーダーが「事実の多様な側面」を正しく認識するための技術です。
  2. 「見えない離職」を防げる
    上司から「できない人」のレッテルを貼られた部下は、上司からの期待の低さに縛られ、本当にパフォーマンスを落としてしまいかねません。結果として、心が職場から離れる「見えない離職」を招いてしまう場合があります。
  3. 可能性を信じるマネジメントへ転換できる
    リフレーミングの本質は、「相手の可能性をもう一度信じ直すこと」にあります。一つの見方に固執せず、柔軟に解釈を広げられる思考のしなやかさこそが、現代のマネジメントに求められているのではないでしょうか。

リフレーミングを活用し、部下との関係性を改善する

組織のなかでリフレーミングを活用し、信頼関係を再構築するための3ステップを紹介します。
ぜひ、今日から意識してみてくださいね。

STEP1:自分の感情を認める

例えば、部下のミスに対してイライラしたり、がっかりしたりしたとき、その感情を否定する必要はありません。
「期待していたからこそ、腹が立っているんだな」、「裏切られたと感じて悲しいんだな」と、まずは自分の感情を素直に受け止めます。感情を押し殺すのではなく、一度受け止めて「間」をつくることが、レッテル貼りを防ぐ第一歩です。

STEP2:枠をずらす質問をする(別の意味を探す)

感情が落ち着いたら、自分自身に問いかけます。
「もし、この出来事(ミスや失敗)に価値があるとしたら何か?」、「この行動の肯定的な意図はどこにあるか?」など、別の意味を探します。

STEP3:言葉で再定義する

例えば失敗が多いことは、「それだけ多くの回数、挑戦をしている証拠だ」とレッテルを貼り替えることができます。別の意味を探す時間を取ることで関係が変わります。

とはいえ、初めてリフレーミングをしようと思っても、すぐに見方を変えるのは難しいですよね。
まずは以下のよくあるシチュエーションからリフレーミングで実際に使える4つの型を紹介します。

  1. 行動型のリフレーム:「仕事が雑だ」→「スピード感を持って取り組んでいる」
  2. 態度型のリフレーム:「意見が強い」→「自分の信念をしっかり持っている」
  3. 状況型のリフレーム:「最悪のトラブルだ」→「ここからは上がるしかない、V字回復のチャンスだ」
  4. 自己型のリフレーム:「自分は力不足だ」→「まだ伸びしろがある」

言葉は現実をつくるレンズのようなものです。「またミスをしたのか」と嘆く代わりに

上司

「挑戦してくれてありがとう。次はどう改善しましょうか。」

と声をかけると、部下は「できない人」から「果敢に挑戦する人」へと役割を変え、再び前を向いて動き出すことができますよ。

まとめ|リフレーミングを活用し部下との関係性を改善する

リフレーミングは、他人を変える技術ではありません。しかし、関係性を改善する習慣として強力なツールとなります。
「あいつはダメだ」というレッテルを一枚剥がし、別の角度から光を当ててみる。見方を変えることで、見落としていた部下の可能性や強みに気づくことができますよ。

部下の心が職場から離れてしまう「見えない離職」を防ぐためにも、まずは今日、苦手意識を持っている部下の行動を一つだけ、別の言葉で言い換えてみてはいかがでしょうか。
小さな視点の変化が、信頼を取り戻し、組織の未来を大きく変えるきっかけになるでしょう。

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