
部下が自発的に改善提案や工夫を試みた際に、

「勝手にやるな」
と叱責してしまうベテラン世代や上司の方はいらっしゃいませんでしょうか。
一見、規律を守るための指導に思える言葉ですが、この一言が部下の主体性を奪い、組織全体の成長を阻むことがあります。
本記事では、「勝手にやるな」という統制が組織にもたらすリスクを解説し、創造性と規律を両立するための具体的なマネジメント手法を紹介します。
最後までお読みいただければ、
・部下の主体性を引き出すことができる
・職場の心理的安全性を高めることができる
・心理的安全性に支えられた自律型組織をつくる視点を得られる
など、嬉しい効果が期待できますよ。ぜひ最後までお読みください。
「勝手にやるな」が創造性を殺す理由
若手社員が報告書のフォーマットを工夫したところ、

「勝手に変えるな」
と叱責され、その後すっかり萎縮してしまった。
こうした事例は決して珍しくありません。
選択肢や可能性を重視する思考スタイルを持つ人材は、

「もっと良い方法があるはずだ」
と自然に発想を広げる傾向があります。
創意工夫を試みる部下に対し「勝手にやるな」と言葉を投げかけると、叱責された部下の脳は「改善行動は罰せられる」と学習してしまいます。心理学では「学習性無力感」と呼ばれる状態です。
やがて部下は挑戦を避け、指示待ちの姿勢を強めるようになってしまうのです。
自由な発想は、組織の創造性の源泉です。人材を萎縮させ、指示待ちを強めさせてしまうと、自由な発想の芽を摘むことにつながり、それはつまりイノベーションの機会を失うことに直結します。
解決のために、上司の方はぜひ若手の提案に耳を傾け、

「なぜそう考えたのですか」
と、理由を尋ねる姿勢でいてください。
そのうえで、リスクと効果を一緒に検討し、小規模なテスト導入から始めてみてくださいね。
小さなプロセスを繰り返すことで、改善提案は組織の成長エンジンとなりますよ。
• 選択肢重視の人は「もっと良い方法」を自然に考える
• 「勝手にやるな」は創造性の芽を摘む危険な言葉
• 改善提案は、リスク管理しながら試行する文化が大切
過度な統制は依存を生む危険性がある
若手社員が、クライアントから預かった要望を上司に伝えたところ、

「自分で考えて」
と叱責され、その後動けなくなってしまった。
上記のような事例も、皆様の記憶にあるのではないでしょうか。
手順やルールを重視する思考スタイルを持つ人材は、

「以前に勝手に判断して叱られたから、次からは上司にすべて確認する」
と考えてしまいます。
細かすぎる統制を行った結果、責任を回避する依存型の行動をとるようになってしまったのです。
こうした状態が広がると、上司がいなければ意思決定ができない「思考停止組織」となり、スピードも柔軟性も失われてしまいます。
解決のためには、段階的な権限移譲が効果的です。
- 第1段階:判断基準を明示し、どの範囲は自分で決めてよいかを伝える。
- 第2段階:一定の範囲での判断を事後報告に切り替える。
- 第3段階:失敗を学習機会として扱い、改善に活かす。
長い時間をかけ、少しずつ、段階を踏んで権限を与えていくことがポイントです。
• 手順重視の人も、適切な判断基準があれば自律的に動ける
• 過度な統制は「依存型部下」を量産する
• 段階的な権限移譲で、確実性と自律性を両立できる
改善提案を活かす「心理的安全性」のつくり方
「心理的安全性」とは、自由にやってよいという無秩序ではなく、ルールの範囲内で改善や挑戦を歓迎する文化です。
心理的安全性とは:
「どんな意見を言っても罰せられない。」と感じられる職場環境を作ること。
参考:ResearchGate「Psychological Safety, Trust, and Learning in Organizations: A Group-level Lens」
職場の心理的安全性を高めるために、ぜひ取り組んでいただきたいことを紹介します。
- 提案を歓迎する仕組み
:月1回の改善提案会議など、意見を出しやすい場を設定する。 - 失敗を投資と捉える
:「今回の失敗で得られた学びは次に活かせる」と評価する。 - 上司の失敗談を共有する
:管理職自身が過去の失敗を語ることで、部下が挑戦への不安を和らげる。
心理的安全性が守られた職場では、今まで黙りがちだった部下から建設的な意見がどんどん出てくるようになる傾向があります。
組織に活気が戻り、誰もが前向きに仕事に取り組めるようになりますよ。
・ 心理的安全性は「ルールのなかでの自由な発想」を保証すること
・ 改善提案を「組織への貢献」として評価する文化が必要
・上司の失敗談共有が、部下の挑戦を促進する
まとめ
「勝手にやるな」という統制の言葉は、部下の創意工夫を奪い、組織を思考停止に導くリスクをはらんでいます。
一方で、過度な統制は依存を生み、組織のスピードと柔軟性を低下させる可能性があります。
この記事で紹介した
・改善提案に耳を傾け、小規模実験から始める姿勢
・段階的な権限移譲による自律性の育成
・心理的安全性を重視した文化づくり
を実践することで、部下の主体性と創造性を引き出し、組織全体の活力を高めるマネジメントが実現します。
まずは日常の会話で「なぜそう考えたのか」を問いかけることから始めてみませんか。
小さな変化が、組織の未来を大きく変えていくはずです。
エナジーソースでは、組織の成長を支援しています。
部下育成にお悩みの方や組織改善を目指している方は、どうぞお気軽にご相談ください。