認識スタイルにあわせた部下育成と、チームの優先順位の揃え方|優先順位が決められない部下は能力不足ではない

上司

「部下が急ぎではない雑務ばかりに時間をかけ、重要な仕事が後回しになっている。」
「部下に優先順位を聞くと『全部大事です』と返ってくる」

現場に立つ上司の方や人事担当者、経営幹部の方は、上記のような部下の行動に頭を抱えた経験が一度はあるのではないでしょうか。何度説明しても改善されないと、部下に「能力不足だ」と評価を下してしまいたくなるかもしれません。
しかし、優先順位がつけられないことと、業務遂行能力の有無はイコールではありません。多くの場合、優先順位がつけられないことの原因は部下一人ひとりが持つ「認識スタイル(物の見方・考え方・行動のクセ)」と、上司の指示の出し方のミスマッチにあります。

情報の捉え方が異なる相手に、同じような伝え方をしていても、意図は正しく伝わりません。本記事では、

・部下の認識スタイルにあわせた具体的アプローチ
・チーム全体の優先順位を揃える仕組みづくり

を紹介します。最後まで記事を読んでいただくと、部下の「迷い」を取り除き、チームの生産性を高めるのにつながるマネジメントスキルが手に入るでしょう。ぜひ最後までお付き合いください。

優先順位を狂わせやすい2つの認識スタイルと対処法

人が動く条件を可視化するアセスメントツールiWAM(アイワム)では、人の物の見方や考え方、行動のクセを「認識スタイル」と呼んでいます。
認識スタイルのなかでも、優先順位の判断を難しくさせているのが「詳細型」と「外的基準型」という2つのスタイルです。

1. 全体像より細部が気になる「詳細型」

正確性や具体的な情報が揃うと納得し、行動に移りやすい傾向があります。丁寧な仕事を遂行できるのが強みですが、細部に集中しすぎて全体像が見えにくく、優先順位がつけにくくなることが多いです。
詳細型の部下が優先順位の判断ができなくなっている場合、タスクを細分化しすぎて全体像を見失い、結果として「どれも重要で選べない」状態に陥っているケースがあります。

詳細型の部下へのアプローチ:ゴールと枠を可視化する

詳細型の部下が動けなくなる要因は「情報不足による不安」です。具体的で細かい情報があると動きやすいので、関わるときは以下の3つのポイントを意識してみましょう。

  1. タスクの完成形を具体的に示す
    「良い感じにまとめて」などといった抽象的な指示は混乱を招きます。「この項目の数字が埋まれば完成」とゴールを明確化しましょう。
  2. 必要な情報は小出しにせず、最初にすべてセットで渡す
    参照データや過去のフォーマットが手元にあるだけで、彼らは安心して着手しやすくなります。
  3. 細かい作業には「時間制限」を設ける
    「ここの修正は30分以内で」など枠を切ることで、過剰なこだわりによる時間の浪費を防ぎ、強制的に次の工程へと目を向けさせることができるでしょう。

2. 正解を外に求める「外的基準型」

周囲の意見や客観的なフィードバックから学ぶ傾向があります。環境適応力や柔軟性が高い反面、自分の判断軸が弱く、外部からの依頼に振り回されやすいことが多いです。
部下が外的基準型の傾向が強い場合、Aさんから「急いで」と言われればAを、Bさんから「大事だ」と言われればBを優先してしまうケースがあります。外部からの刺激に反応しやすく、依頼を断りきれずにすべて抱え込んでパンクしてしまうこともあります。

外的基準型の部下へのアプローチ:判断軸と安心感を手渡す

外的基準型の部下が動けなくなる要因は「正解が分からない迷い」がほとんどです。彼らが安心して行動に移せるようにするために、下記の3つのポイントを意識してみてください。

  1. 「断っても良い」ものを明確にする
    「外的基準型」の傾向が高い人材は、断る基準を持ち合わせていない場合ないので全部仕事を引き受けてしまうことがあります。「この種類の依頼は後回しでOK」、「これは断って良い」と上司がガイドラインを示すことで、心理的な負担を軽減できます。
  2. 判断基準リストを渡す
    「外的基準型」の傾向が高い方は、判断の基準があると判断しやすくなります。「期限が〇日以内か」「影響範囲は他部署に及ぶか」などのチェックリストを渡し、リストに当てはめて判断してもらうようにしましょう。
  3. 上司が先に優先順位の理由を言語化する
    指示を出す際は「なぜこれを優先するのか」の理由を言語化して伝えてみてください。彼らは納得できる理由があれば、新たな判断基準として学んでくれるようになりますよ。

「詳細型」と「外的基準型」の認識スタイルは、矯正すべき欠点ではなく、活かすべき個性です。重要なのは、上司がその特性を理解し、彼らが判断しやすい材料(枠組み)を提供することなのではないでしょうか。

チームの優先順位を揃える仕組み

個別の対応に加えて、チーム全体で優先順位の感覚をすり合わせる仕組みもおすすめです。

  • 1.毎週10分の「象限レビュー」の実施
    週に一度、10分程度で構いませんので「象限レビュー」を実施してみてください。アイゼンハワーマトリクス(緊急度×重要度)を用いて、現在抱えているタスクがどの象限にあるかをチームで話し合いましょう。
  • 2.重要と緊急の基準を共有資料として提示
    話したから大丈夫、ではなく判断基準を資料にまとめ視覚的に分かりやすくしておくと、いざというときに判断しやすくなります。
  • 3.部下に優先順位の理由を説明してもらう習慣をつくる
    上司が正解を教えるだけではなく、部下に「なぜその優先順位にしたのか」をアウトプットをしてもらうと、彼らの仕事への理解度がより深まるでしょう。

上記を仕組み化するだけで、チーム内の優先順位の感覚が劇的に揃っていきますよ。

まとめ

部下が優先順位がつけられない現象は、彼らからのSOSサインかもしれません。詳細型の部下は全体像が見えない不安を抱え、外的基準型は確かな判断軸を求めて迷っている状態ではないでしょうか。
上司と部下の情報の渡し方と受け取り方を少し工夫するだけで、彼らが持つ正確性や柔軟性などの強みは、組織の成長につながりますよ。さらに個別の対応に加え、チームとして優先順位を揃える仕組みを導入するだけで、チーム内の軋轢が減り、生産性の向上につながっていきます。
ぜひ小さなことから試してみてくださいね。

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