

「優秀なのになかなか動かない」
「能力はあるのに即戦力にならない」
などの声を、多くのベテラン世代や管理職の方から伺います。
人事担当者や経営幹部にとっても、Z世代の活躍をいかに早期に引き出すかは重要な経営課題ですね。
一方で、Z世代の人材が動かない理由を

「覇気がないから」
「甘えているから」
と捉える方もいらっしゃいますが、その考えは誤解かもしれません。
むしろ上司の側が「考える時間」を十分に与えていないことが、本来の力を引き出せない原因になっているケースもあるのです。
本記事では、Z世代を即戦力として活かすための三つの視点を整理します。
1.自己解釈プロセスの重要性
2.即断即決文化が生む世代間ギャップ
3.沈黙の価値を活かした新しい育成アプローチ
今までとは少し違った角度から問題を掘り下げています。ぜひ最後までお読みくださいね。
自己解釈プロセスの重要性
1997年以降に生まれたZ世代は、これまでの上司やベテランの世代と大きく異なる教育環境で育ってきました。
詰め込み型教育からアクティブラーニングへの移行により、「自ら考える力」や「意味づけして学ぶ力」が重視される教育を受けて育ってきたのです。
そのため、Z世代の人材は単に指示を受けるだけでは行動に移しにくく、

「なぜその仕事をするのか」
「どのような価値があるのか」
を自己解釈する時間を必要とする傾向があります。
自分で時間をかけて考え結論を出すプロセスを経て初めて、本気で動けるのです。
例えば、
上司が資料作成を指示した際、行動派の社員はすぐに作業に取りかかりますが、慎重派のZ世代は

「誰が見るのか」
「どのレベルの情報が必要か」
と考えるケースが多いです。
一見すると作業が遅いように映りますが、結果として提出されるものは、物事の背景や目的を踏まえた完成度の高い成果となることが多いのです。
考えや成果の「深さ」は組織にとって大きな資産です。
しかし、現代のビジネス環境では「即断即決」が美徳とされるため、しばしば評価されにくいのも現実なのではないでしょうか。
即断即決文化が生む世代間ギャップ
50代以上のベテラン世代にとっては、「走りながら考える」「まずはやってみる」といった姿勢こそが成功の条件である時期もありました。
高度経済成長期やバブル期を支えた価値観のなかで、即断即決できる人材が評価されてきたのです。
一方、Z世代はSNSやネットなどの高度に多様化した情報社会のなかで育ちました。
不確かな情報を発信すれば炎上や信用失墜に直結する環境であり、不完全な状態で動くことがむしろ危険だと感じるのは自然な反応なのではないでしょうか。
例えば、
会議の場面でも、ベテラン社員は新しい方針を聞けば「了解です」と即答しますが、若手は沈黙するケースも多いものです。
若手に覇気がないように見えるかもしれませんが、実際は

「成功事例はあるのか」
「リスクはどこにあるのか」
と内省しているのです。
ベテランの世代にとっては少し理解しづらいかもしれませんが、沈黙は決して無駄ではなく、熟考によるリスク回避の時間でもあるのではないでしょうか。
沈黙の価値を活かす新しい育成アプローチ
多くの管理職にとって、部下が黙っている時間は不安の種となりますよね。

「理解していないのか」
「やる気がないのか」
と感じ、追加の指示や説明を与えてしまいがちです。
しかし、Z世代の沈黙は「思考中」のサインといえます。
沈黙の時間をどう活かすかが、即戦力化の鍵となります。有効なアプローチを紹介します。
1. 「沈黙の3分ルール」
指示や説明の後、最低3分は待ってみましょう。
わずかな時間でも、情報を整理し、自分なりに意味づけを行う余白があることで、部下から驚くほど的確な質問や提案が生まれることがありますよ。
2. 思考プロセスの可視化
「今、どんな点を考えていますか?」と問いかけることで、進んでいないように見える部下の思考過程を共有できます。
「思考ログ」として一日の振り返りを数行記録する仕組みを導入し、上司の不安解消と若手の安心感の両方を実現した例もあります。
3. 段階的な情報提供
課題を小さく分割し、段階ごとに情報を提供する方法です。
最初に全体像だけ伝え、次に制約条件、最後に期待成果を伝えてみてください。
慎重派の人材も整理しやすく、より質の高いアウトプットが得られますよ。
4. リフレクションタイムの制度化
週に1回30分の「振り返りの時間」を設定してみてください。
業務の成果報告ではなく「何を考えたか」「どんな学びがあったか」を語る時間です
リフレクションタイムの制度化を導入した結果、若手社員の提案件数が3倍に増え、離職率も大幅に減少したケースもあります。
5. 仮説思考を刺激する問いかけ
部下が沈黙しているとき、「もし予算が半分なら?」「顧客が別業界なら?」といった仮説的な問いを投げかけてみてください。
沈黙が内省だけで終わらず、創造的な思考へとつながりやすくなりますよ。
6. 翻訳者としてのミドル層
即断即決を美徳とする上司世代と、熟慮を重視するZ世代をつなぐ役割として、ミドル層を橋渡し役に据えることも有効です。
両者の言語を理解する存在がいるだけで、誤解や摩擦は大きく減少します。
7. 「沈黙=投資」と捉える意識改革
最後に重要なのは、管理職自身の意識改革です。
沈黙を「手を止めている時間」ではなく「創造性の準備期間」と捉える直してみてくださいね。
脳科学の研究でも、一見何もしていないときに創造性に関わるネットワークが活性化することが示されています。
沈黙こそが、新しい発想の源泉である場合が多いのです。
まとめ
上司の世代にとってZ世代が「動かない」と映るのは、能力不足ややる気不足ではなく「考える時間」を必要としているから。
沈黙するZ世代の自己解釈プロセスを尊重し、沈黙を生産的な時間と見なすことで、本来の力を引き出すことができますよ。
即断即決を重視してきた世代との間には確かに世代間ギャップがありますね。
しかし、世代間ギャップは障害ではなく、多様な思考スタイルが共存することで生まれる新しい価値の源泉でもあります。
人事担当者や経営幹部に求められるのは、沈黙を「空白」ではなく「可能性」と見なす視点です。
少しの余白を許容するだけで、Z世代は即戦力として組織を支える存在へと成長していくのではないでしょうか。
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部下育成にお悩みの方や組織改善を目指している方は、どうぞお気軽にご相談くださいね。