沈黙から対話へ。部下が動き出す1on1の極意|意欲を引き出す「7つの質問」

上司

「せっかくの1on1ミーティングなのに、当たり障りのない言葉しか引き出せない。」

といったお悩みをよく伺います。
本来、1on1ミーティングは関係構築と成長支援につながる場であるにもかかわらず、形骸化した「様子伺いの面談」になってしまってはいないでしょうか。

この記事では、沈黙が続く1on1が前向きな対話へ変化するためのポイントとして、

・部下の行動を引き出す「成功への質問術」
・思考スタイルに応じた質問のカスタマイズ方法

を紹介します。
部下の本音が出にくい1on1の場が、成長を後押しする時間へと変わるヒントが得られるはずです。ぜひ最後までご覧くださいね。

なぜ1on1が沈黙で終わってしまうのか

上司

「最近どう?」

部下

「特に問題ありません」

という1on1ミーティング。上司は問題がないのだと受け取る一方で、部下は

部下

「問題や困りごとを話しても、責められるだけでは」

身構え、萎縮している可能性があります。
人間は、否定的な情報に反応しやすい「ネガティビティ・バイアス」が働きやすいといわれています。

ネガティビティ・バイアス:
人間がポジティブな情報よりネガティブな情報に強く反応し、記憶や判断に大きな影響を受けやすい心理傾向。

日常的に指摘が続くと、部下は

部下

「監視されている」

と感じやすくなり、防御的な態度を取るようになってしまいます。
ネガティビティ・バイアスが働いている状態では、挑戦や改善への意欲が自然と弱まり、1on1は関係を深める場ではなく、むしろ距離を生む場になりかねません。

成功に焦点を当てる7つの質問スキル

否定的な情報に反応し、挑戦や改善への意欲が弱まってしまう一方で、成功体験に注意を向けると脳内でドーパミンが分泌され、前向きな行動意欲が高まることも分かっています。
小さな成功でも、振り返ることで肯定感が積み重なり、挑戦しやすい状態が生まれますよ。
部下の小さな成功を捉え、モチベーションを高めるための質問スキルを紹介します。
部下が黙り込んでしまう1on1でも、成功体験に焦点を当てると、自発的な発言が増えやすくなりますよ。

1.成功ポイントの発掘

上司

「直近の一週間で、最もうまくいったことはなんですか?」

と尋ね、できている部分を明確にする。

2.例外的成功の発見

上司

「失敗が続いていた時期にも、うまく進んだ瞬間がありましたよね?どんな状態でしたか?」

と問い、隠れた強みに光を当てる。

3.成功原因の追求

上司

「なぜそのとき、うまくいったと思いますか?」

と聞き、再現性のある行動を本人の言葉で整理してもらう。

4.成功状態の拡大

成功した経験を他の業務へ応用できるかを検討し、強みの活用範囲を広げる。

5.理想状態の明確化

上司

「すべてがうまく進んだ一日を想像すると、どのような状態になるでしょうか?」

と質問し、理想の状態をを描いてもらう。目指す方向やゴールの共有につながる。

6.小さなゴール設定

上司

「明日から何が始められると思いますか?」

と、大きな目標を実行可能な小さなアクションに落とし込み、成長を一段ずつ積み上げやすくする。

7.スケーリング

理想を10点としたときの現状の位置を数値化し、

上司

「今の点数を1点上げるために何ができると思いますか?」

と質問し、次の一歩をともに考える。

上記の質問を継続的に用いることで、成功の感覚が積み重なり、行動への意欲が自然と高まりやすくなりますよ。

7つの質問スキルのポイント
・問題探しではなく成功探し
・過去の成功から未来の可能性へ
・大きな目標を小さな行動へ

思考スタイルに合わせた「響く質問」の選び方

同じ質問でも内容が部下に響くかどうかは、部下の思考スタイルによって変わります。
時間軸と視点の広さの違いにおける思考スタイルを紹介します。

時間軸の違いにおける思考スタイル

人間には「過去」、「現在」、「未来」のどこを考えやすいか、一人ひとり違った傾向をもっています。
質問の時間軸が合わないと、部下は答えづらく感じ、沈黙が生まれやすくなってしまいます。
ぜひ部下との会話のなかから部下がどの時間軸で話すことが多いのかを見極め、部下に合わせた質問をしてみてくださいね。

過去を重視する傾向が強い部下の場合

上司

「これまでの仕事で活かせそうな成功体験はありますか?」

現在を重視する傾向が強い部下の場合

上司

「直近の業務で手応えを感じた場面はありますか?」

未来を重視する傾向が強い部下の場合

上司

「一年後どのような自分になっていたいですか?」

視点の違いにおける思考スタイル

物事をみるときも、物事の全体から捉えるか、細部から捉えるかの違いが人それぞれあるものです。
普段の言葉遣いや話の組み立てから、どちらの傾向が強いかを観察することで、響く質問が選びやすくなりますよ。

大局を重視する傾向が強い部下の場合

上司

「プロジェクト全体で、最も重要な成功要因は何と思いますか?」

細部にこだわる傾向が強い部下の場合

上司

「明日の会議で最初に話す内容は何がいいと思いますか?」

できるところから試してみてくださいね。

まとめ|1on1を“評価の場”から“成長支援の場”へ

部下が動き出す1on1をつくるポイントは次の2つです。

  • 問題探しではなく成功に注目する7つの質問スキル
    成功体験を引き出す質問を重ねることで、自己肯定感や意欲が高まり、自発的な提案や行動につながりやすくなる。
  • 思考スタイル別の質問カスタマイズ
    時間軸と見やすい視点の広さといった思考スタイルを踏まえて質問を選ぶことで、部下に響く対話が生まれ、信頼関係と成長が両立しやすくなる。

1on1は、評価の場ではなく成長を支援する場です。
質問を型にはめることなく、一人ひとりの個性に合わせ質問や質問の方法を選んでいくことが大切です。
完璧を求めず、まずは取り入れやすい1つの質問から始めてみてくださいね。
小さな成功に光が当たることで、部下の表情も行動も確かに変わり始めていきますよ。

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