

「どうして部下によって反応がまったく違うのか。」
新規プロジェクトを立ち上げ、熱意を込めてビジョンを語ったにもかかわらず、一部の部下は目を輝かせて前向きな姿勢を示す一方、別の部下は不安そうに具体的に何をすればいいのか聞いてくる。
部下それぞれの反応の違いに戸惑った経験はないでしょうか。
部下の温度差は「やる気の有無」と誤解されやすいものです。
しかし、実際には、反応の違いはモチベーションの源泉が異なるだけであり、適切なアプローチを選ぶことで誰もが力を発揮できる可能性がありますよ。
本記事では、
・全体像を重視する思考スタイル
・細部を重視する思考スタイル
の2種類の思考スタイルを紹介し、それぞれの違いや強みを引き出すための関わり方を解説します。
最後までお読みいただくことで、部下の特性に応じた指導の工夫がわかり、チーム全体の生産性向上やマネジメントの負担軽減につながりますよ。
全体を見渡す思考スタイルの部下
特徴と強み
全体像を捉える傾向を持つ部下は、

「なぜこの業務に取り組むのか」
「最終的にどのような成果を目指すのか」
という目的意識が明確に見えると力を発揮しやすいです。
細かいタスクリストを与えられても集中力を失いやすく、大枠の方向性と裁量を提示されることでモチベーションが高まることが多いのです。
全体を見渡すタイプは、イノベーションを生み出す潜在力を秘めています。
自由度を確保したうえで

「進め方は任せます。」
と言葉を添えると、自ら考え、独創的なアイデアを提案できるようになる傾向ありますよ。
誤った対応と効果的なアプローチ
管理職自身が細部重視の傾向を持つ場合、つい詳細な指示を与えがちです。
しかし全体像を重視する部下にとっては「木を見て森を見ず」の状態となり、意欲を損ないかねません。
全体像を捉えるタイプへの対応の基本は以下の通りです。
・ビジョンやゴールを最初に提示する
・部分的な裁量と自由度を与える
・細部の指示は最小限にとどめる
最初に大きな目的やゴールを与えるアプローチを実践することで、組織に新しい風を吹き込む存在へと成長していきやすいですよ。
細部を重視する思考スタイルの部下
特徴と強み
全体像を捉える部下の一方で、細部を大切にする傾向を持つ部下は、明確な手順や基準が与えられると安心して力を発揮できます。

「ステップ通りに進めれば問題ない」
「明確な品質の基準に守っているから大丈夫」
と、安心できるのです。
自由にやってみるよう伝えられたり、「ざっくりと」など曖昧な指示を受けたりすると不安が先立ち、動けなくなる場合もあります。
細部を重視するタイプは、品質管理の要として活躍する傾向があります。
適切に役割を与えれば、正確性と安定性を武器に組織を支える存在となるのです。
誤った対応と効果的なアプローチ
全体像を重視する管理職は大枠だけ示せば十分と考える傾向がありますが、細部重視の部下には「地図なしで山を登れ」と指示するようなものです。迷いや停滞を招きかねません。
細部を重視するタイプの部下には、以下の工夫が有効ですよ。
・明確な手順や期待値を段階的に伝える
・成功事例やテンプレートを共有する
・質問を歓迎し、不明点を解消する
具体的なステップに沿って業務を進められる環境を整えることで、従来「指示待ち」と評価されがちだった部下が、正確で安定した成果を出すプロフェッショナルへと変わっていきますよ。
両方の思考スタイルを活かすマネジメント
現場ではしばしば「全体像派」と「細部派」が対立する場面が見られます。
全体像を重視する人は

「細かすぎる」
と感じ、細部を重視する人は

「大雑把すぎる」
と感じるためです。しかし、両者はいずれも組織に必要不可欠な存在です。
効果的なチームづくりのためには、プロジェクトの段階に応じて役割を分担することが重要です。
企画段階では全体像を重視する部下に構想を任せ、実行段階では細部を重視する部下に品質管理を託してみてください。
部下の思考スタイルにあわせ、任せる業務を変えていくことで、イノベーションと品質管理が両立する理想的な組織が実現しますよ。
プロジェクトチームを立ち上げる際、「ビジョナリー」(全体のビジョンを捉え、プロジェクトを前に進める役割)と「クオリティキーパー」(細部までプロジェクトを精査し、品質保持をする役割)と名付けたペアを作り、それぞれの役割を明確化した。
結果、プロジェクトの成功率が大幅に向上し、組織全体の協働意識も高まった。
上記のような例も実際にあります。ぜひ試してみてくださいね。
まとめ
本記事では、部下のモチベーションを引き出す思考スタイルの違いについて整理しました。
・全体像を重視する部下には、ビジョンを提示し、自由度を与えることが効果的である。
・細部を重視する部下には、明確な手順と基準を示すことで力を引き出せる。
・両方の特性を組み合わせることで、革新と品質を両立する最強のチームが実現する。
重要なのは、どちらが正しいかではなく、状況によって必要な思考スタイルは異なることへの理解です。
世代を問わず多様な人材が存在する現代の職場では、相互の特性を尊重し、適材適所で活かすことが組織力の源泉となります。
まずは身近な部下に「どのような進め方がやりやすいか」と尋ねることから始めてみてくださいね。
小さな対話の積み重ねが、心理的安全性を高め、多様な才能が輝く組織文化を築く第一歩となりますよ。
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部下育成にお悩みの方や組織改善を目指している方は、どうぞお気軽にご相談ください。